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配管工事に使う典型工具|化学プラント初心者向け

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化学プラントの工事現場で使用する加工工具を紹介します。

機電系エンジニアが工事トラブルやメンテナンスについて、施工会社と議論するために必要な情報です。

何も知らないと「とにかくお願いします」的な依頼しかできません。

カタログやwebで調べれば色々登場しますが、種類がとても多いです。

設備管理者は施工会社とは違うので専門的に深い知識は不要ですが、施工会社がどういう工具を使ってどういう施工ができるかを知ることは、とても大事です。

火気工事は基本NG

最初に押さえておきたいことは化学プラントでは火気工事が基本的に許されないということ。プロセス液である引火性液体に引火するからですね。危険物第四類の世界です。

金属を加工すると言ったとき、切る・貼るという表現をするでしょう。この切る・貼るに大きな制約が掛かるのが化学プラントです。現場では加工ができないので、離れた作業場で加工をして現場で取り付け・取り外しの作業をするでしょう。もどかしいと思いますよ。

ノコギリ

ノコギリは言葉どおりの工具です。アレです。

のこぎりで木材を切る人のイラスト

人がノコギリでギコギコ削ります。木材用ではなく鉄用のノコギリを使いますけどね。ノコギリで削ろうと思うケースは相当少ないです。

  • 薄肉のSGP管で、ほかに手段がない
  • サポートやUバンドなど固着して取れない

化学プラントの工事現場ではほとんど見かけません。樹脂配管の加工には使いますが、そもそも樹脂配管自体があまり使いませんからね。蛇足ですが、昔は配管サポートなどに木を使っているケースがありました。サポートの形を成形するのに、普通のノコギリを使っていたでしょうね、きっと。

油圧パンチャー

油圧パンチャーは油圧の力で鉄に穴を開ける工具です。

穴あけパンチのイラスト(文房具)

油圧パンチャーの出番は、日常保全工事でしょう。仮設配管を通すために床・梁などに穴を開けたいけど、生火が使えない。というケースです。

ほとんど出番はありませんが、いざという時には使います。最後の頼みの綱的な位置づけです。

グラインダー

グラインダーは電動やすりですね。コレです。

ディスクグラインダーのイラスト

挟まれ巻き込まれ・切傷・目のケガ・・・工事災害のかなりの原因になっている工具です。便利ですけど、扱いには注意が必要。グラインダーはSDMで大活躍します。

非防爆のグラインダーだからこそ、運転時には使えません。グラインダーを使うのは以下のような場合でしょう。

とにかく切る

金属系なら基本的に何でも切れます。SGPの配管・チャンネル・床などいけます。頑張ればステンレスもできます。刃を何枚も交換しないといけませんが。

化学プラントのオーナーエンジニアレベルでは、サンダーとグラインダーをあまり明確に使い分けていません。

溶接

溶接は配管や架台などの製作物の基本工具ですよね。

溶接のイラスト

化学プラントの現地工事ではSDM時の配管サポートに対して使います。サポートを床などにしっかり固定する場合です。

会社によってはサポートの固定が嫌で、ボルトナットで止めるという思想もあるでしょう。この場合は油圧パンチャーの出番ですね。

現地工事で溶接を使う場合、溶接場所とアースを近くに設定してあげる必要があります。溶接場所とアースの近くに計装設備が置いてあって、迷走電流で計装設備を壊すという例がたまにあります。

溶断

溶断は炎などの強力なエネルギーで金属を溶かして切断をする方法です。

ガスバーナーのイラスト

ガス

最初に思いつく切断方法がガスです。ガスで炎を作り、その炎で金属を溶かしつつエアーで吹き飛ばすという考え方です。これは熱というよりもで強度を落とすという発想です。

だからこそ鉄には使えますが、ステンレスには使えません。

ガス切断は化学プラントのSDM現場でも割と行いやすい作業ですが、ステンレスに使えないというデメリットがあります。ステンレスを現場で切断するのは意外とハードルが高い、ということが分かれば施工会社とコミュニケーションがとりやすくなります。

プラズマ切断

プラズマ切断は、金属を20000℃以上の超高温に上げて溶かす手法です。プラズマガスを発生させて、それを金属に当てて溶かします。これを工事現場で使うことは無いでしょう。内作場などの別の加工場でオーステナイト系のステンレスの加工を行う時くらいです。

アーク切断

アーク切断は工具と金属の間にアークを発生させます。アーク溶接と同じ発想です。

ガス切断は炎で切断、プラズマ切断はプラズマで切断。でも無ければプラズマでもなく、電気の力で切断するという方が良いでしょう。アーク切断は一部のステンレスと鉄に使えます。とはいえ、使える条件はかなりレアケースです。

参考

工事現場で使う工具の知識は、設計でも保全でも実はとても大事です。

オーナーエンジで施工会社に一任してしまえる環境であっても、そこに甘えずに自主学習したい分野です。

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最後に

化学プラントの現地工事で使う加工工具を紹介しました。

ノコギリ・油圧パンチャー・グラインダー・溶接・溶断

意外と種類がないです。切る方は選択肢がいくつかありますが、貼る方はほとんどありません。

選択肢をちゃんと知ったうえで、工事やメンテナンスに挑みたいですね。

化学プラントの設計・保全・運転などの悩みや疑問・質問などご自由にコメント欄に投稿してください。(コメント欄はこの記事の最下部です。)
*いただいたコメント全て拝見し、真剣に回答させていただきます。

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