化学プラントの工事現場で施工会社(Construction company)と仲良くするためのコツを紹介します。
化学プラントのエンジニアは施工会社とは監督さんと仕事をします。
施工会社の仕事の仕方と、化学プラントの仕事の仕方は明確に違います。
この間の懸け橋となるのが、工事担当のエンジニア。
保全エンジニアは日常工事でも施工会社と接触する機会が多いので、大型プロジェクトでもアサインさせる確率がとても高いです。
施工会社との経験がない新入社員の方は特に、どういう対応をすればいいのか悩むでしょう。
そんな時にまずは大事にしたいことです。
とにかく現場に行く
施工会社とのやり取りではとにかく現場に行くことが大事です。
相手からどう見られているか意識する
現場で仕事をしている施工会社から見ると、エンジニアは事務所でのんびり仕事をしているように見えます。
もしくは、施工会社に丸投げして、工事現場のことなんてどうでも良いと思われるかもしれません、
これは実は逆の立場でもそう思います。
私が工事担当者で、現場で施工会社の監督さんを捕まえようとしても、見つからず事務所にいたという時は不安になりました。
施工会社の監督は現場にいる割合が高いですが、事務所仕事ももちろんあります。
時々刻々状況が変わる工事現場で、全容を把握する立場の監督さんが事務所仕事に追われていると不安になってしまいます。
雰囲気を知る
特にその現場が初めてというエンジニアの場合は、雰囲気を知るために現場に行くことはとても大事です。
事務所内の雰囲気も知りたいところでしょうが、現場を優先させましょう。
現場の雰囲気を知るためには、こんなアクションを取ると良いでしょう。
- 単に歩きまわる。
- 作業者が居るところでは、少し立ち止まって状況を眺める
- 監督さんが近くにいれば、挨拶する
- 監督さんと雑談する
- 監督さんと仕事の話をする
- 危ない作業があれば監督さんに指導する
- 危ない作業があれば作業者に直接指導する
新入社員なら1~3くらいまでを、とにかく意識しましょう。
6~7は相当慣れていないと難しいです。
最終的な目標地点と捉えるくらいでいいでしょう。
4~5がその中間。
雑談をすると、考え方の背景的な部分を知りやすくなります。
話すことが苦手でも、挨拶の次のステップとしての天気の話や出身の話をするくらいで、良いと思います。
少しずつ慣れてきます。
昔は雑談なんてせずに仕事だけに取り組む監督さんもいましたが、監督さんもコミュニケーション力を問われるポジションになるので、雑談を拒否する監督さんはそうはいないでしょう。
仕事の話を全くせずに雑談だけという訳にもいかないのですが、雑談で気が知れ合った仲だと仕事でもフォローし合えるでしょう。
この人は大人しくて何考えているか分からない
こんな風に監督さんに思われてしまうと、あまり良いことはありません。
仕事の内容は専門的ですぐに習得できるわけではありません。かといって話すのも苦手・・・という場合には本を持っていきましょう。現場で教科書を見ながら、それを監督さんに聞いてみます。初心者のうちで、嫌な気持になる監督さんはいないはずです。化学プラントの場合は建築や施工に関する本がベストです。
会議が多い場合には
オーナーエンジニアでは工事の期間はできるだけ工事に特化させたいところです。
ところが、会社によってはそんなことはお構いなしに会議や勉強会を入れることがあります。
これで現場に行けなくなると、せっかくの成長の機会を削がれます。
1~2年のころは、現場を大事にしたいので会議を欠席してもらうように、上司に掛け合えれば理想的です。
本来は上司側が気を使うことですけどね。
施工会社にお願いをしている意識
オーナーエンジニアは施工会社に仕事をお願いしている意識を持ちましょう。
仕事を与えているというような、上から目線は危険です。
新入社員ならそんな意識すらない状態でしょうが、会社によってはベテラン層がこの意識を持っている場合があります。
それが普通だと思ってしまうと、意識が作られてしまいます。
そうすると・・・
調子に乗ってしまうのですよね。
これがとても危険。
何かトラブルが起こっても、
現場にもいかずに、監督さんに調整して解決してもらえばいい
という思想になってしまいます。
短期的には問題ありませんが、長期的には不利です。
工事に限らず現場でトラブルがあって、製造部から問い合わせがあった時に困ります。
ちょっとこの不具合見てくれませんか?
分かりました。えーっと・・・良く分からないので監督さんに聞きます。
こういうやり取りばかりを繰り返すことになりかねません。
最初の数年はこれでも良いのですが、ずっと続けていると手配屋感が強くなります。
これで製造部から信頼が得られるはずはありません。
即決即断の気持ち
施工会社とやり取りするときは、即決即断の気持ちを持ちましょう。
判断が1日遅れれば、工事が1日遅れます。
1時間遅れただけでも、1日遅れる場合もあります。
初心者の頃は即決即断できるはずはありません。
気持ちが大事です。
すぐに上司に確認します!
こう答えて、上司の判断を仰ぎ、折り返すことが信頼に繋がります。
工事をとにかく終わらせたい監督さんにとっては、ありがたい存在となります。
最初の数年は、内容を良く分かっていなく上司の言うことをそのまま伝えても良いでしょう。
それが自分の言葉となっていきます。
その意味を考えるようになり、理解していない部分があることに気が付きます。
その段階で自分で考えれば良いでしょう。
転職者だとこの辺のハードルがちょっと上がることになります。
周りを巻き込む
施工会社の監督さんと話をするときは、できるだけ周りを巻き込む姿勢で臨みましょう。
初心者の場合は上司をとにかく巻き込みます。
上司の行動や指示を見ていると、以下のような行動をしていることに気が付くと思います。
- 関係ある業種の担当者と監督さんを呼ぶ
- 担当者間で話を始める
- ヒートアップしてきたら監督さん同士が話をする
業種の違う監督さん同士は会社が違うこともあって、直接話しにくいもの。
ここを取りまとめるために、同じ会社・発注者側が話をしているシーンを公開します。
担当同士では判断できない部分を、監督さんがフォローしてくれます。
こうして担当同士の会話に、間接的に監督さんに入ってもらう形を取れば、角が立ちにくいです。
一定の時間がたてば、担当を介さずに監督さん同士が話をするようになります。
元請の施工会社が居る場合は、元請の施工会社がその役目を担います(機能しないことが多いですけど)。
参考
関連記事
さらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
最後に
化学プラントの工事現場で施工会社と仲良くするために大事にしたい4つのコツを解説しました。
とにかく現場に行く、施工会社にお願いしている意識、即決即断の気持ち、周りを巻き込む
初心者のうちは雰囲気に慣れたり教えてもらったりする機会です。
施工会社の監督さんと意思疎通を意識しましょう。
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