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ローリーからタンクへ液体を受け入れる際に必ず考えたいポイント【化学プラント】

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 化学プラントではいろいろな作業がありますが、中でもローリーから液体をタンクに受け入れる作業はごく一般的に行われる作業です。設備としては既に存在しているものを疑うことなく、当たり前のものと思うかもしれません。

 しかし、この作業にも考えることはとても多いです。最低ここだけは考えたいという部分に絞って解説します。

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タンクとローリーの接続

 ローリーからタンクに液体を受け入れる場合、以下のフローのような形が一般的です。

この形のように2本を繋いでいない場合は、例外と思った方が良いでしょう。

液とガスの両方を繋ぐ

 タンクとローリーを2本のラインでつなぐには理由があります。液体とガスのラインそれぞれを分けるためです。

 液体とガスを分けるとは下のフローのような形を意味します。つまり、液体を送るラインとガスを送るラインです。

ガス接続の注意

 ローリーからタンクに液体を送るのだから、液体のラインさえあればいいだろう。こう思いがちですが、ガスのラインはほぼ必須です。ガスのラインはやや特殊な扱いをしないといけないので、注意点をまとめてみました。

閉鎖するとタンクが破裂する

 仮にガスラインのバルブを閉めているなどの場合を考えましょう。ラインがあるけども閉鎖させている場合、液体をローリーからタンクに受け入れようとしたときにタンクが破裂します。

 これは液体をタンクに送るときに、タンク内の気体の逃げ場所がないからです。液体によってタンク内の気体はどんどん圧縮力を受けてしまいます。つまり、タンク内の圧力がどんどん上がっていきます。

 (気体の圧力) > (タンクの耐圧)

となった瞬間に、タンクは破裂します。

仮に、タンクが無限の耐圧を持っている場合、タンク内の圧力は押し出す液体の圧力(つまりポンプの圧力)と等しい圧力まで上昇します。大気圧タンクでも耐圧タンクでも、この現象は一般的に起こるので、ガスラインを閉鎖させることが基本NGと言われています。

 ローリー側は逆に負圧になります。液体を送り出した分だけ気体の体積が減るからです。ローリーは負圧にも耐えるように製作していますが、完全負圧に耐えれない構造だとローリー側も破裂する可能性があります。

ローリーに戻さないと大気に放散される

 仮にガスラインを使わない場合はどうなるでしょう。タンク側とローリー側のそれぞれに問題が起きます。

 タンク側は危険なガスを大気に放散する可能性があります。もっとも、危険物を使っているタンクならガスの処理もセットで考えているはずなので、いきなり問題になることは少ないでしょう。

 ローリー側が負圧になることはガスラインの閉鎖と同じです。ローリーの種類によっては、マンホールを開けて負圧を回避しようとします。これは内容物によってはOKですが、大抵の場合はNGです。引火性の危険物や水に触れるとNGの危険物が考えられるからです。そうでなくてもマンホールを開けるということは、異物がローリー側に混入する可能性もあります。

接続口とバルブは低い位置で

 液体のラインもガスのラインもローリーとタンクを繋ぐには、フレキで接続します。この接続口とバルブは低い位置に付けましょう。人がバルブ操作をするためです。

 当たり前のことに見えますが、実は注意することがあります。次の項目で解説します。

フレキ接続は注意が必要

 タンクとローリーをフレキで接続する場合、いろいろな注意が必要です。

 ・フレキを接続したときに、接続口のシールがしっかりできているか
 ・フレキから漏れが起きてないか
 ・フレキと配管を接続するときに液漏れが起きないか

 フレキと配管を接続する際には、配管の一部を遮断開放する必要があります。一般に配管の末端はフランジなどで遮断しています。このフランジを開放した際に内容物が漏れる可能性があります。

 液体のラインだと開放時に液体が出ることが容易に予想されるため、液抜きをするでしょう。ところがガスのラインだと、ガスしか入っていないと勘違いをしてしまいがちです。接続口を低い位置にしているとガスが凝縮して液体になった物が溜まってきます。フランジを開放した瞬間に液体が漏れてきて、人がけがをする可能性があります。

 かといってバルブや接続口を高い位置にしたら(凝縮液体がタンクに戻るようにしたら)作業そのものができなくなります。液抜きバルブをつけてフランジ開放前に液抜きをするか、フランジを開けるときにバケツなどで受けるか、という対応が必要になります。

参考

最後に

ローリーからタンクへの液体受入作業は、化学プラントでは日常的な作業です。しかしその裏では、液ラインとガスラインの圧力バランスや危険物管理など、多くの安全上の配慮が求められています。

特にガスラインの閉鎖や凝縮液の存在は、普段意識されにくい一方で重大な事故につながる可能性があります。

設備が当たり前に動いている時ほど、その仕組みや前提条件を見直してみると、新たな改善点が見つかるかもしれません。

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【著者:ねおにーーと】

化学プラントで20年以上、設計→製造→保全→企画まで一気通貫で経験したユーザー側エンジニア。 バッチプラントの設備・運転・トラブル対応を中心に、現場で本当に役立つ知識を発信しています。 → 詳しいプロフィールはこちら

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