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配管輸送の安全性とローリー輸送の柔軟性を見極めるポイント

配管とローリー 運転
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 化学工場内では多くの配管が張り巡らされ、特に工場敷地の道路付近には多くのプラント外配管が設置されています。配管輸送は長距離で液体を安全に送る手段として広く使われていますが、ローリー輸送という代替手段も存在します。どちらの方法にもメリットとデメリットがあり、適切な選択が求められます。
 本記事では、配管輸送の安全性とローリー輸送の柔軟性、それぞれの特徴をわかりやすく解説し、ポイントを押さえていきます。

機電系エンジニアは配管工事であれば、そのまま請けてしまって考えないような部分かも知れません。プラント建設とか視野の広い仕事をするためには、こういう考え方を蓄積していきましょう。

工場のプラント外配管

今回考えるプラント外配管とは、例えば以下のようなものです。

ユーティリティ インライン

何の断りもしていませんでしたが、その会社の事業所全体を工場、工場内の1つの架構で構成された場所をプラントと、区別しています。

生産施設以外の用役施設や原料施設との接続配管を、今回のターゲットとしています。

配管輸送が一般的ですが、本当に適切かどうかメリットデメリットを考えてみましょう。

配管輸送のメリット

ローリー輸送に対する配管輸送のメリットは以下の通りです。

  • 開放作業が発生せず安全
  • ポンプで送れるので、人の作業が不要
  • 人が介在する場所が少ないので、送るタイミングを調整しやすい

配管輸送の最大のメリットは、安全性です。

引火性のある危険物や薬傷の恐れのある酸・アルカリなどを扱う化学プラントでは、開放系で扱う作業は極小化したいと考えます。

ローリー輸送なら配管の接続・切離しで必ず開放系での扱いがあります。

危険性は残り続けますね。

配管接続なら、バルブの開閉作業だけになるので、ずっと閉鎖系で扱うことができます。

配管輸送はポンプ送液が可能です。

ローリー輸送なら、人が運搬しないといけません。

少子高齢化の日本では、ローリー輸送をする人も少なくなっているので、ポンプ輸送は大きなメリットがあります。

配管輸送ならタイミングを調整しやすいので、例えば夜間に送るということも可能です。

ローリー輸送で夜に行おうとしたら3交代になりますし、それが嫌なら昼に限定されてしまうのは、自由度が下がります。

配管輸送にはいろいろメリットがありますね。

ローリー輸送のメリット

ローリー輸送のメリットも解説しましょう。

配管輸送が圧倒的にメリットだらけに見えてしまいますが、そうでもありません。

  • 配管の漏洩や更新を考えなくていい
  • 複数個所に送る配管なら、かえって時間調整がしやすい
  • 混じり合う危険性がない
  • 使用量の管理がしやすい

配管は使っていくうちに劣化します。

ノーメンテで放置しようとしても、長期運用をしていたら漏れが起こります。

危険な薬液ほど問題になりやすいので、ランニングコストを考えていないとかえって不安全ということになりかねません。

特に腐食性の高い液なら、配管輸送はダメージが大きいので避けた方が無難です。

ローリーでも腐食する可能性は当然あります。

しかしガラスライニングのローリーにしてしまうと配管輸送に比べて、設置コストも修理コストも安くなりやすいです。

配管輸送で、1つの送り元から送り先が複数あったり、複数の送り元から1つの送り先に輸送する場合は、専有時間の問題が出てきます。

仮に複数の用途が全て昼間の数時間に重なってしまった場合、時間をずらすにしても変更量が少なく調整が大変です。

ローリー輸送で単独化してしまうと、調整を考える必要がほとんどありません(受入や払出の時間は必要ですけど)

複数のラインが合流する場合、混ざりあうことは1つの課題です。

特に化学プラントでは混ざりあうことで、危険性が膨大に上がるような場合は少なくありません。

かなり慎重に取り扱います。

ローリーだと単独の液だけをやり取りすることになるので、危険性が下がりメリットとなりえます。

混ざることがなく、トラックスケールでの重量管理ができるのが、ローリーのメリットになります。

配管輸送なら流量計での管理になりますが、古いプラントなら液面計で管理して実態が不明ということもあるでしょう。

ローリーならこの問題をはっきり解決することが可能です。

参考

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最後に

 化学工場におけるプラント外輸送は、配管輸送とローリー輸送の2つが代表的な手段です。配管輸送は安全性に優れ、ローリー輸送は柔軟性が高いという特徴があります。
 双方のメリットとデメリットを正しく理解し、状況に応じた適切な選択をすることが、効率的で安全な工場運営につながります。

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