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運転

バッチ系化学プラントではこの部門で人が欠かせない

バッチ人が欠かせない 運転
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化学プラントでDXの話題が出始めて少し時間が経ちました。

対外的な成果をアピールできる会社もあれば、まだまだという会社もあるでしょう。

私の周りでもDXっぽいことはしていても、成果と呼ぶにはちょっと・・・ということが多いです。

DXを進めるにはいろいろな障害がありますが、特にバッチ運転ならではの障害について考えてみました。

運転方法そのものも自動化しにくいですが、他の要因に目を向けられていなさすぎる気がします。

連続運転のDXで生き残る道を見つけるのは良いのですが、その他多くの非連続プロセスも何かしら手を付けていかないといけないはずなのですが・・・。

製造

バッチ運転を行う以上、製造は人が欠かせないでしょう。

DXが進まない最大の原因のように見えてしまいがち。

ところが、バッチ運転でもDXを進めて製造オペレータの人を減らすことは可能です。

自動弁やポンプなどを自動化していけば、現場を動き回る機会は相当減ります。

連続プラントでもトラブルが多い場所なら、立上・停止・補修の対応に追われてしまって、むしろ人が減らないです。

バッチと連続という製造方式とオペレータの数とは直結しないイメージです。

バッチプラントで製造オペレータの人数が多い場所(例えば1勤務4人以上)は、手動作業が多く自動化が進んでいないのでは?というターゲットになるでしょう。

分析や仕込・充填で人が欠かせないという点もあるでしょうが、自動化にかける費用と人の費用との比較の話になってきます。

生産調整

製造オペレータ以外に人が欠かせない部門の代表例が生産調整をする部門です。

経理などが代表的な部門名になるでしょう。

一般的な経理というと真っ先にアウトソーシングの対象として見られますが、生産調整となると違います。

連続プラントと違ってバッチプラントでは、いろいろな変動要素があります。

関わる人は数人~10人程度なので、費用対効果はあまり多くはありませんが、人手不足なので対応せざるを得なくなっているでしょう。

とはいえ、最近のAIはかなり賢くなってきているので、人が減る未来はそう遠くはないかもしれません。

原料の入手性

バッチプラントの原料は、連続プラントに比べて遥かに入手しにくいです。

調達先が1社ということも珍しくありません。

その会社がちょっとしたトラブルがあっただけでも、こちらの生産スケジュールに影響が出たりします。

もちろん在庫を持つのですが、特殊な原料の場合は保証期間の問題で使えなくなるので、大量に抱えることが難しくなります。

相手先との情報共有や在庫調整など、柔軟な対応が必要なので人が欠かせません。

トライアル

1社の原料では不安だからと、複数のベンダーから調達しようとしたら、それはそれで厄介です。

品質に適合した製品ができるか分からないからですね。

事前に評価をすることになりますが、実機生産では通常生産とは日程を分けてスケジュールを立てる必要があります。

製造部と密なコミュニケーションが必要になってきて、人が欠かせないでしょう。

調整頻度が多いプラントほど大変です。

在庫調整

生産したけど販売が追い付かない。

こういう問題があった時に、年度内に在庫調整という名の生産調整が入ってきます。

一度予算を決めたからと言って、その通りの数量を生産するわけではないので、人による調整が欠かせません。

生産調整は他社で使えない社内調整と否定的な目で見られがちですが、機械にとって代わりにくい仕事でしょう。

物流

生産調整に直接かかわる形で物流も人が欠かせません。

原料や製品の移動に人が必要だからですね。

自動化を進めている工場もありますが、できない工場もあります。

例えば、敷地が狭く安全性が確認できない・人と物の移動が分離できていない・外部作業社の割合が多い、移送中の安全が確認できない、などでしょうか。

ここは、設備投資と人側の工夫である程度は解決できますので、今進んでいない会社は物流関係の人の問題が大ごとになっていないという珍しい例かもしれません。

今回取り上げた部署の中で、最も自動化が期待できます。

品質保証・分析

品質保証・分析は人が欠かせないでしょう。

バッチ運転の場合だと、バッチ単位(つまり日のレベル)で品質トラブルが起き得ます。

もちろん毎日トラブルが起きるわけではありませんが、一度起きたら対応するまで継続するでしょう。

工程や製品の分析をして評価をしたり、原因を解析したり、再発防止対策をチェックしたり、それが有効に機能していることをモニタリングしたり。

全部が自動化されることは、とても難しいでしょう。

特に原因を化学反応の視点で分析するにはDX化は難しいし、費用対効果が少ないです。

コストカットの対象となる人が1~2人ですからね。

原料について新たなメーカーのモノを採用したり、現在のメーカー品が品質トラブルがあった場合にも、その対応をしないといけません。

安定した物が届くわけではないので都度判断が必要になり、人が欠かせないですね。

設備

設備も人が欠かせないです。

  • 設備を自動化してもメンテナンスに人が欠かせない
  • トラブル時の調整に人が欠かせない
  • 設備の改造や更新に人が欠かせない

リスクを削減するために、仕様を統一化して予備機を確保し、設計はシンプル化・トラブル時に慌てずに即決して対応するなど、できることはあります。

DXやシステムを導入せずともできることばかり。

これを適切に実施している会社はそう多くはないでしょう。

このブログをご覧になっている多数の方はこの設備関係の仕事(機電系エンジニア)だと思います。

人が欠かせないDXが進んでいない他の部署は楽をしている、と感じているかもしれませんね。

とはいえ、これはプラント全体からしたら実は一部門の問題であって、他の部署でも人が欠かせないという問題を抱えていることに気が付くと、少し見え方が変わってきませんか。

自分たちだけが現場作業で大変だと思い込む人が弊社にも多く、実は周りの部署も大変でお互いにやさしくなれば良いのに・・・と思うこの頃です。

参考

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最後に

バッチ系化学プラントで人が欠かせない部門を紹介しました。

製造はもちろんですが、生産調整や品質保証も常時人が必要です。

設備も同じ部類ですが、まだまだ省力化できる部分があるでしょう。

自動化とかシステムの導入という前に、本質的にできることから始めていきましょう。

化学プラントの設計・保全・運転などの悩みや疑問・質問などご自由にコメント欄に投稿してください。(コメント欄はこの記事の最下部です。)

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