定年退職(retire)後の仕事という目で解説します。
みなさんは定年まで仕事をやり遂げた後でも仕事をしたいでしょうか?
定年を待たずに仕事から解放されたいと思うでしょうか?
どちらのプランを選ぶにしてもどちらかだけのプランだけを知っていれば良いというわけではなさそうです。
ちゃんと比較ができるようになりたいですね。
私は定年待たずに早くRETIREしたい組ですが、定年以降も働き続けている人たちの観察は欠かしていません。
その気になれば70歳になっても可能でしょう・・・。
再雇用
定年退職後の再雇用をするケースは結構あります。
弊社・弊工場では8割くらいは再雇用を希望しています。
そんなに仕事をしたいの?そんなにこの会社が好き?
不思議に思うレベル。
背景としてはいろいろあって
- 純粋に仕事をしたい
- 給料が少しでもほしい
- 家にいると辛い
- やることがない
というパターンがやはり多いです。
定年をしているので給料は当然低いですが、責任も当然低く気楽に仕事をしています。
暇すぎて新聞ばかり見ている人もいますね。
やる気がないことを悟られないように取り繕う人・そんなことはお構いなしにやる気がないアピールをする人・変に暴走する人
いろいろ居ます。
再雇用は本社に再雇用されるケースと出向先で再雇用されるケースに一応は分かれます。
本社側の方が希少価値が高い人の場合。
職種や事業環境の変化の要素が入ってくるので運的な部分はあります。
機電系エンジニアでは保全がその可能性が高いです。
保全以外の場合は部長クラスの待遇で希少価値のある人が本社に残る可能性があるくらいでしょう。
それよりはよっぽと出向の方が多いです。
出向なら設計でも保全でもいっぱいあります。
最近は出向先の受入も厳しくなってきて競争意識が激化しています。
もっと簡単に言うと出向先の社長・役員クラスと関係を構築して、引き抜いてもらおうというゴマすりをする人が増えていますね。
工事監督バイト
工場のエンジニアリングの場合、本社や出向先では定年前と同じく時間と場所に縛られた仕事になります。
それが苦痛だった場合にも、工事監督バイトという可能性があります。
- 元方安全衛生管理者のように大型の工事があったときに数か月レベルのバイトをするパターン
- 常駐の統括工事管理者のようなポジションを確保するパターン
- 構内の協力会社の工事監督として勤務するパターン
保全担当者はこの辺の選択肢が豊富にあります。
施工会社側からしたらユーザーの視点が分かるという意味で喉から手が出るほど欲しい人材でしょう。
かつ、元気な保全担当者は定年後も働きたいと思う人が多そうです。
気が付いたら70歳越えてもバイトしている人がいるくらい。
スキルとして確立できれば、各地を転々と渡り歩くことも可能です。
とはいえ・・・体力勝負ですよね。
散歩代わりにパトロールをして健康に良いことができつつ給料ももらえるとポジティブに考えられるかどうかが1つのポイントでしょう。
この道を目指すには、遅くとも50歳くらいから施工会社と人間関係の構築をしておく必要があります。
50歳より前に保全担当者として関係構築ができていれば、50歳~60歳の間に保全を経験していなくてもオファーが届いたりします。
昔お世話になったから・・・的な発想ですね。
将来のことを考えて関係構築するというわけでは無く、ちゃんと関係構築できていた人の中で家庭の事情やモチベーションなどの視点からバイトをする感じです。
検査機関
第三者検査機関に出向するというケースもあります。
これは相当のレアケース。
大手企業の実務で検査会社とやり取りをしていた人に限定されるでしょう。
アピール相手
定年後の再雇用やバイトを目指そうとする場合、定年前から人間関係の構築をしていくことは大事です。
では、そのアピール相手は誰でしょうか?
明確にしておきましょう。
- 数年~10年年下 本社の経営層に相当
- 数年年上 子会社・バイト先の経営層に相当
年上に媚を売るパターンなのか・年下を可愛がるパターンなのか・どちらにもいい顔をするのか・どちらにも対立するのか、人によってさまざまでしょう。
この辺は若い時からの振る舞いが結構重要です。
後で取り返しが効く可能性も残っていますが、そのためには本人が変わる努力をしないといけません。
年上なら分かりやすくターゲットは決まっていますね。
昇進する速度が速い人に付いていけば無難です。
年下はそこがちょっと難しい。
誰が昇進するか(成長するか)読めない部分があるからです。
基本的には漫画のような変身はなく毎年徐々に成長していくので、そのせい著速度を見ていけばいいのですが、厄介なのがローテーション。
大事に育てた(大事に関係を構築した)と思っていた人が、畑違いの場所に異動した場合、権限などの問題で引っ張ってもらえないかも知れません。
成長速度も昇進ルートも不明。
厳しいけどちゃんと教える方が良い人・細かく教えるより承認するだけの方が良い人・放置する方が良い人、いろいろ居ます。
それならすべてに柔軟に対応しようと器用に振る舞えるならいいのですが、難しそうなら若手には等しく無難に接している方が良いかもしれません。
定年退職後までキャリアを考えるなら、定年前の誰にどういう関わり方をするか大事ですね。
設計が生き残るには
これまで取り上げたケースは、定年後の仕事は保全担当者が圧倒的に有利という現実を示します。
では設計担当者はどうなのか・・・というと先は暗いでしょう。
というのも、スキルも思考も伴わない設計者が量産されるから。
- 機器図面をユーザー目線で見る
- 機器の設計思想を自分なりに表現できる
- 配管図の設計思想を自分で構築できる
オーナーエンジではこういう部分が最も個性を発揮できる部分です。
保全担当者の工事監督と同じ発想で、外部から見た場合は内部のユーザーがどういう発想をしているか知りたいはず。
そこをちゃんとアピールできるかどうかという世界になります。
でも、昨今のエンジニアは横流しが非常に多いです。
- メーカーから来た図面を周りのエンジニアに検図
- 設計書は書かない
- 配管図は基本的にスルー。工事完成後に現場で不具合調整
こんな感じで「実はいなくても良くない?」という疑惑を持たれがちです。
そのためにも、ユーザーの本体である製造部の発想を理解する営業活動が大事になるでしょう。
保全担当者の場合は営業活動が自ずとできるのですが、設計は相対的に難しいですね。
メーカーなどに採用してもらおうと思うのは辞めておいた方が良いでしょう。
関係性の構築が難しく、業務やその考え方が大きく違います。
定年後に相手に合わせるのは難しいでしょう。
最後に
化学プラントの機電系エンジニアが定年後にできる仕事を紹介しました。
再雇用・工事監督バイトがメインです。検査機関はレア。
人間関係の構築が大事ですが、年上の方が攻めやすいです。年下は等しく接する方が無難でしょう。
設計の場合は特にユーザーの営業活動を心がけましょう。
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