【肉盛り・ダブリング・切り取り】化学設備の溶接補修の方法3選

溶接保全

NEONEEETです。

溶接の本場である溶接補修について紹介します。

溶接が話題になるのは、新規製作と思いきや実は補修の時です。

設備が壊れた時にどうやって補修しようか・・・

時間が無い中で知恵を絞ろうとしたときに、最後に溶接に踏み切ることになるでしょう。

とはいえ溶接を取ってみてもいくつかの種類があります。

有名な3つの溶接補修を解説します。

溶接補修の方法

溶接補修は肉盛り・当て板・切り取りの3パターンくらいがメジャーです。

それぞれの特徴について紹介します。

肉盛り補修

肉盛り溶接とは、欠陥のあった場所に直接溶接棒を溶かして板厚を増やす方法です。

欠陥があるという事はその母材の板厚が少なくなっているということです。

例えば、欠けやヒビがあった場合、その部分を切り取ります。

そうすると母材が薄くなるため、溶接金属で埋めます。

溶接補修は身近な例でいうと、歯医者ですね。

溶接補修は歯医者での虫歯治療に非常に似ています。

  • 軽い虫歯が見つかれば、そこを削り取り樹脂で埋めます。
  • 軽い母材の欠けがあれば、そこを削り取り溶接金属で埋めます。

溶接前に軽く表面を削るところも、歯医者の治療とそっくり。

  • 溶接量は最小
  • 補修漏れが起こりえる
  • 強度は低い

欠陥場所の特定が重要

肉盛り補修では欠陥場所の特定が重要です。

というのも補修すべき箇所だけに限定して直接補修する方法だからです。

補修すべき場所を見た時に、板厚が薄くなっていて許容できない部分がどこなのかを特定しないといけません。

欠陥が見つかっていれば補修できますが、見落としていた箇所があればそこの腐食はどんどん進行していきます。

歯医者で虫歯を全部見つけてくれて治療してくれるのが当然と思っていたら、実は見逃しがあれば悲しいですよね?それと同じです。

割れであればPT検査で、全面的な腐食なら板厚検査をして特定することになりますが、この検査に時間が掛かります。

平滑処理も必要

肉盛り補修とは欠陥場所を溶接しますので、滑らかになっていません。

溶接した後で、不連続部を無くすためにグラインダーなどで均一にして、母材の板面と同じ程度に仕上げないといけません。

肉盛り補修箇所が多くなればなるほど、この処理が面倒になります。

所詮その場しのぎ

どの溶接補修も所詮その場しのぎですが、肉盛り補修は特にその場しのぎ感が強いです。

溶接金属母材よりも劣化していますので、母材の欠けた部分を溶接金属で補って母材と同じ板厚にしても、新品同様の強度は担保されません

できるだけ早いタイミングで更新をしましょう。

当て板補修

肉盛り補修では手が出ないほどの広範囲になった時に使います。

欠陥がありそうな部分を囲って当て板を付けて、母材と当て板を溶接する方法です。

タンクの脚部などに付ける当て板ダブリング(ダブルだから?)と呼ぶことありますが、当て板補修でもダブリングと呼ぶ場合があります。

当て板補修は歯医者でいう銀歯に相当します。かぶせてしまう訳です。

  • 本体に傷をつけない
  • 不連続部があるので強度は落ちる
  • 補修時間は最速

本体に傷をつけない

その場しのぎの強い溶接補修において、当て板はまさにその場しのぎの王道です。

切り取りと異なって本体を切断したり肉盛りのように削ったりするわけでなく、外から塞ぐだけ。

このメリットは「補修時に本体内部の液が漏れてこない可能性が高い」こと。

溶接補修をする場合は、本体内部の液は取り除き洗浄した後で補修をするのは当然ですが、本体に傷をつけない補修は安心感は1段上です。

  • 溶接をしている時に燃えるかもしれない
  • 補修をしても使いだしたら液が漏れるかもしれない

こういうことはとりあえず考えなくてすみます。

危険物設備等の法令設備であれば、官庁への説明もしやすいです。

強度は当然落ちる

当て板は肉盛りほどではありませんが、強度は落ちます。

当て板の板厚は母材板厚と同じにしてもです。

なぜなら重ね継手だからです。

不連続部分ができるからです。

不連続部分は弱いというセオリー通りです。

切り取り補修

切り取り補修とは、欠陥のある部分を切断して、新たな金属を突き合わせ溶接する方法です。

切り取り補修は歯医者でいう入れ歯に相当します。

  • 不連続部が無いので強度が高い
  • 補修に時間が掛かる
  • 新品と同じ状態に復元したと思い込んでしまう。

強度はある程度担保できる

当て板補修に比べて強度は強くなります。

切り取ることで母材と同じ形で補修ができるからです。

補修の中でも新品にかなり近い状態まで復元できます。

設備を切らないといけないので、現場では施工しにくい

本気でやれば現場でも施工できますが、特に化学工場ではあまりしないでしょう。

当て板補修ですら怖いと思うくらいですから。

当て板に比べて、本体を切断しているという意味で不安感があります。

補修してくれる人もかなり抵抗感があると思います。

検査をしっかりすべき

溶接補修をした後は検査をしっかりしないといけません。

RTとPTを行うのが基本です。

RT歯医者でいうレントゲン検査そのもの。

虫歯の治療前と治療後にレントゲン取りますよね?これと全く同じ発想です。

PTは歯医者でいうと…磨き残しのチェックをする着色でしょうか。。。

この検査はとりあえず使える状態に復元したという意味の検査です。

速やかに新品と交換すべき

溶接補修をしなければ行けない時というのは、設備の寿命であることが普通でしょう。

例外的に、設備製作時の不具合というケースもあります。

いずれにしろ、運転時に欠陥が発覚したが運転を継続したい時に補修します。

その簡に、新品を準備しておき適当なタイミングで交換する計画をしなければいけません。

運転時に補修した場所の定期検査をする必要があります。

補修をしたときには検査をして、後は定期交換まで放置しておくと危険です。

歯医者なら一度虫歯治療をしたら、またしばらく歯医者に行かなくなるのと同じです。

繰り返します、

溶接補修その場しのぎです。

異常が起きた時は応急対策本質的対策を両立させましょう!

最後に

化学工場の設備で行う溶接補修について解説しました。

肉盛り・ダブリング・当て板。

溶接補修をすると踏み切ったとしても、種類はいくつかありメリットデメリットがあります。

判断時間が短いからこそ、使い分けはしっかりできるようになりたいですね!

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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