JTCという単語に関連付けられるかのように、窓際族という単語も目に耳にすることがあるでしょう。
中堅・ベテラン社員ですでに窓際族としての地位を確立した人に対して表現されることが多いですが、実は若い時から傾向はあります。
化学プラントを例に、どういう傾向を持つ社員が窓際族になったかを紹介します。
トラップだらけ過ぎるので、誰でも窓際になりえます。
そこそこ・目立たず・無難に乗り切るスキルが大事でしょう。
とはいえそんな平均点を狙おうものなら、全部が平均点というありえない逸材と化してしまって結局目立ちます。
同期と接点がない
窓際族になる社員は、同期との接点が極端に低いです。
同じタイミングで入社して同じ研修を受けて一体感を持って僻地工場に赴き、「耐えよう!頑張ろう!」という結束を持ちやすいのが同期。
そんな中で同期との接点を持たない人は、窓際になりやすいです。
同期の中でもリーダー的ポジションの人は、例えば組合の重要ポジションに割り当てられて目立ちます。
同期会を開いたり、休日も同期や組合員と遊んだりと、積極性をアピールします。
公私を問わず無意識のうち、工場の実情や全体像を早期に把握しやすいので成長速度にも繋がります。
出世しやすさとかの話とは直結しませんが目立ちます。
逆に同期で接点を持たない人は、危険信号が付きます。
- 同期から話を聞く機会がない
- 自分の仕事に直接関わる人からしか情報がない
- 製造の支援をしようという意識が低い
こんな傾向があります。
100%確実に当てはまるかというとそんなことはなく逆転現象も結構見られるので、チェックポイントの1つという程度です。
純粋に能力不足
やる気がゼロではないけど、能力が足りない。
こんな人は遅かれ早かれ窓際になります。
能力が不足していても、噂が立ちにくくモチベーションも保っていれば、一定のポジションまでは昇進します。
下手に辞めさせないために会社は、それなりのポジションまでは昇進させようとします。
そこで能力不足が露呈されたとき。
窓際へ一直線に落下します。
先延ばしするだけしておいて、取り返しがつかなくなった段階で窓際。
会社としても辞めさせるには相当の理由が必要なので、後々まで高いコストを払って窓際族に居てもらうことになります。
それなら、もっと早くに見切りをつけた方が良いのに・・・。
人事部はそんなことはしませんよね。
昇進が1年遅れた人
同期の中でも昇進が1年遅れた人は、有力な窓際候補です。
1年遅れるということは「何かがあった」という明確な証拠です。
これは上司の立場からしたら明らか。
昇進を遅らせるにも速めるにも「相当の理由」が求められるのがJTC。
責任逃れを好む横並び人事部にとって、計画外の昇進は最大限避けたいもの。
否定材料を徹底的にあげてでも昇進を速めようとはしません。
逆に昇進を遅らせる場合は、組合から文句を言われる・・・と責任逃れの理由を並び立てるのが人事部です。
そういう背景があって、なお1年遅れるのだから相当の窓際候補となるでしょう。
問題を起こした人
問題を起こした人は当然ながら窓際候補です。
誰が問題を起こしたか分かりにくいですよね。
ヒントは突発の異動
特に生産系から事務系に異動したらかなりの確率で何かをしています。
- 事故災害の一歩手前の問題を起こした。
- 復旧に時間がかかるトラブルを起こした。
- 報告すべきことを隠ぺいした
- 他社に情報をリークした
- 部下が鬱・メンタルヘルスになった
コンプライアンスの教育などで出てきそうなトラブルたちです。
いろいろな例があるのでどれがアウトなのか分かりにくいです。
そういう意味で化学プラントは窓際へのトラップだらけ。
メンタルヘルス系の問題はもはや一発アウト。挽回の余地すらないという状態ですね。
出戻り異動
異動の中でも「おや?」と疑問符が付く異動として、出戻り異動があります。
これは管理職クラスを想定しています。
管理職になると、いろいろな部署のローテーションを経験します。
例えばA部署で課長になった場合、異動して次にA部署に戻ってくるときは部長になります。
A(課長) → B → C → D → A(部長)
同じ部署に同じポジションで戻ってくる例が、ほとんどないはずです。
- 人が決定的に足りない
- よほどの何かをした
- 期待外れだった
というケースが考えられます。
A,B,C,Dの部署それぞれが等しいように見えて、実際には差があったりします。
例えばC部署がA,B,Dよりも相対的に重要なポジションである場合、
C→本社
というような出世ルートが準備されています。
それなのに
- C→D(本社以外)
- C→A(課長)
というような異動をしたら、ほぼ真っ黒。
昇進の芽がなくなり、窓際一直線です。
評判が漏れ聞こえる人
窓際族の候補は評判が自然と漏れ聞こえてきます。
特に同じ部署の仕事を一緒にしたことない人の評判。
製造部からのこんなコメントで推定可能です。
「いや~助かりました。○○さんに依頼したらできないって言われたんですよね・・・」
何気なく処理できている仕事でも、窓際族は処理をしていないので噂が広まっていきます。
研究から工場に異動
研究から工場に異動してきた人は、それだけでチェックポイントが1つ付いても良いでしょう。
入社配属先が研究で、現場経験のために工場に異動する例もあります。
これは30歳前後までの話。
40歳程度で異動してきた人は相当要注意です。
左遷の可能性を疑いましょう。
この場合、最初は実験・プロセスエンジニア・生産管理などの部署に配属されるでしょう。
そこで認められれば、大きく出世する可能性があります。そういう例もかなりの割合であります。
窓際族はここで実態が暴露されます。
ポジションだけは高く、周りの人に指示を出すことはしますが管理はしません。
自分で考えようものなら「分かりません」と答えたり、嘘八百でごまかそうとします。
そうこうしている間に、工場内でも「おや・・・?」という部署に異動していくでしょう。
典型例は安全系の職場。
会社として重要ポジションでありながら、スキルは大して求められず、窓際の要素たっぷり。
他に異動させる場所もないし、仕方が無いか・・・という感じで割り当てられがちです。
機電系エンジニア
機電系エンジニアはそもそも窓際チェックポイントが1点付きます。
- 左遷がほぼない
- 指示を出すだけでも仕事は動く
- 工場の実態を知る機会が少ない
- 化学という工場の基礎知識を知らない
こういう素養を持っている機電系エンジニアは、仕事をしていく中でどんどん心が折れていきます。
自分は日陰のポジションなんだ・・・という意識が芽生えてきます。
そこで最低限の仕事をこなすことに全力を注ぐ人が大多数。
工場全体のことを知ろう・化学のことを知ろうという積極性は、ほぼありません。
モチベーションが下がっている中堅ベテラン層を見た窓際候補の若手は、若いうちから同じ行動を取ろうとします。
協力会社に無理な依頼を出すエンジニア
機電系エンジニアの窓際最有力候補です。
協力会社に無理な依頼を出すエンジニアは超危険信号。
無理を押し付ける・論理的に変なことを言う・フォローが少ない・判断が遅い・・・
こんなエンジニアのことを、協力会社は冷静に評価します。
その評価は会社の上のルートを通じて伝わっていきます。
そうすると、重要なポジションは任せられないと窓際に移っていきます。
窓際でなくて誰も近づかない個室が割り当てられるケースもありますね。
休職
休職した場合、もう窓際と言っても良い状態になります。
リストラされるか、されないか。
そんなギリギリの勝負をしていくでしょう。
仮に復職できても、休職と復職を繰り返して年数を経過させようとします。
頑張れば10年くらいは先延ばし可能でしょう。
復職で完全復帰したとしても、昇進ルートからは外れるので窓際であることは変わりありません。
「特定業務」的なポジションになるでしょう。
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最後に
化学プラントで窓際になりやすい人について紹介しました。
同期や周囲の噂が1つの要素となり、異動という形で見えてきます。
通常ルートでない異動があれば窓際になりやすいですね。
トラップだらけの化学プラントでは、いつ誰が窓際になってもおかしくありません。
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