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働き方

気が付いたらシステムが改悪されてしまう背景

トレードオフ 働き方
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先日X(旧twitter)で話題になったマシニングの安全システム改造の件、本ブログに興味のある方ならご存じのことでしょう。

マシニングという回転部のある機械のインターロックを、時間削減の点で省略するという改造になっています。

この是非はともかく、同じように改造に伴って改悪になることはかなり多いです。

そこを考察してみます。

トレードオフの関係

現在のような複雑なシステムでは、何かを変えると何かを犠牲にするというトレードオフの関係が非常に強いです。

この事実を認識していない人が、私の社内にもとても多いと思っています。

例えばインターロックは人の安全を確保するために非常に重要な仕組みですが、作業時間が長くなったり作業性が悪くなったりという課題が起こりえます。

プラント設備でも、耐食性を上げればコストと納期が問題になる、という例は山のようにあるでしょう。

ここを正しく認識することが、改善の基本にあるべきだと思っています。

若手は不具合にだけ着目しやすい

さて、若手の時は不具合にだけ着目しやすい特徴があります。

視座・視野・視点どの表現でも構いませんが、不具合にだけ着目して何とかしようというミッションが与えられます。

現状の不具合を聞いたときに、背景はともかく現状の課題を解決することにだけ目が行ってしまいがち。

マシニングの件なら扉の開閉時間という問題でしょうか。

プラントでも、配線のルートがメンテナンスの邪魔にならないように低い位置に配置したら、雨によって水没してしまったということを多く見かけます。これでも問題ないと言われますが、それなら電線管なんてなくて良いのでは・・・と思ってしまいますが、どうなんでしょう。

同じロジックでポンプ周りの配管作業性を犠牲にしたり、動線を無視した配置になっていたりする場面を見かけます。

若手の頃は、何かを変えたい(=役に立ったというアピールをしたい)という想いは強くても、ベテラン勢の反対に強くあって、変えることが難しくモヤモヤしてしまいがちです。

その反省もあってか、ベテランが何もコメントせずに若手が考えた改善をとにかく現場に反映させようという動きが最近見られます。

結果、とんでもないことになってもおかしくありません。

マシニングの例もその1つだと思います。

中堅はバランスを意識する

中堅になると、トレードオフの関係を意識するようになります。

何かを変えたいという想いはあっても、見えている範囲が広くなってデメリットの部分を考えるようになります。

そして気が付きます。

簡単に変えることはできない、と。

これが意識しすぎると何も変えれなくなります。

システムを変えてメリットを出したいけどデメリットにも目を向ける。

こういうバランス感がもっとも備わっているのが中堅です。

中堅は若手がフォローしなくてはいけないのに、その中堅も数が少なくて対応できないという組織だらけのはずです。

ここで変える推進力が強い中堅は頼もしいのですが、若手との技量差の問題で、若手が意見を言いにくくなることもあります。

中堅はさじ加減が本当に難しいですね。

ベテランは既存に固執する

典型的なベテランは既存システムに固執します。

電子メールでなくて紙と電話の方が良い、オンラインよりオフラインの方が良い、というのはどこにでもありますよね。

新しく変えようとしてもデメリットが多くて挫折した経験があり、自分たちで変えれなった仕組みを若い人が変えようとして失敗しているところを見て、「今の仕組みがやっぱりよかった(自分たちがやっている仕組みが間違っていなかった)」と安心してしまいます。

たいていの場合、自分たちが何に取り組んで、何を考え、何がハードルであきらめざるを得なかったのか、その思考が残りません。

最重要の部分で月報など定期的に報告をする業務であれば、記録として残りやすいですが、支援系のシステムや設備の改造などは、考え方の部分が残りにくい構図です。

この何も情報がない状態で、若手に不具合を改善して!と言っても、それは無理でしょう・・・。

現場を無視した改悪

現場を無視した改悪というのは往々にして起こります。

これは現場以外の人や現場から離れた人に、当てはまりやすいです。

マシニングの場合は、あえて言うと作業時間がもったいないと思わせるような状況に陥っていることが、現場を無視した改悪と言えるかもしれません(詳細が分からないので、何とも言えませんが・・・)

プラント関係でも、エンジニアリング情報がデータベース化されていなくて情報が共有されないから、その入力のためは考えずにソフトを作り上げ、その中ですべての仕事をさせようという取り組みは昨今とても多いです。

Excelの方がよほど使いやすいのに、それを許さない仕組み。結果的に、入出力の手間は増え、思考力はもっと下がってしまうことになります。

現場以外の人が強引に仕組みを持ってきて、現場は反発したくても何もできずに従うしかない。

一瞬の成果を上にアピールするために、現場を利用しているだけ。

こういう例は非常に多いです。

参考

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最後に

システムを改造しようとしたら気が付かないうちに改悪となってしまいがちです。

若手は見ている範囲が狭くて、不具合にだけ着目して何とかしようとしがちで、デメリットを考えにくいです。

中堅になるとバランスを見るようになりますが、人数が少なく若手のフォローが追い付きません。もしくは若手との技量差の問題があります。

ベテランは過去の考え方を残さず、自分たちの失敗を若手が乗り越えてほしいという丸投げに近いシーンをよく見かけます。

現場を無視すると、もっと酷いことに。

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