スチームトラップは化学プラントの省エネで必ずと言っていいほど話題になります。スチームトラップを適切に機能させるためには診断が必要で、これによって省エネが達成できます。とても高度なことをしているように見えますが、実際にはかなり現場的な対応になっています。
本記事では、化学プラントのスチームトラップの診断の実際について解説します。
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省エネ → スチームトラップとなる理由
化学プラントで省エネ関係の話題が出ると、まずはスチームトラップが登場します。逆に他のテーマには触れずにスチームトラップだけを触れる場合の方が多いくらいです。
ここに疑問を持った場合、化学プラントで使うエネルギーを考える方がいいでしょう。
| 反応熱 | コントロール不可 |
| スチーム | 漏れが大きい |
| 冷凍機 | コントロール難しい |
| 電力 | コントロール難しい |
化学プラントでは反応熱などプロセスで発生する熱がとても多いですが、これはプロセスが決まるとほぼ自動的に決まってしまい、エネルギーを下げるというコントロールができません。
スチームはエネルギーという観点で見ると、高温の高エネルギー物質です。プロセスと同じように化学工場をエネルギーの観点で見た時には、スチームは重要な位置にあります。その割に実際には漏れが発生していて、エネルギー的にもったいない使い方をしています。
冷凍機もエネルギー的には着目したいですが、反応熱=冷却熱と考えるとできることはあまりありません。成績のいい冷凍機を導入する・効率のいい範囲で運転する、などの対策になり冷凍機そのものを見直す大型投資になりやすいです。だから、着目されにくいです。
電気も冷凍機と同じ。設備を動かす以上は電気が必要でエネルギーが使われますが、設備が決まってしまうと自ずと消費電力も決まり、下げるための取り組みが非常に難しいです。
エネルギーという点では、化学工場ではいろいろな物が使われますが、その中で唯一といっていいほど取り組みできるのがスチームトラップです。だから化学工場では省エネ=スチームトラップとまで言われます。
スチームトラップ診断の方法
スチームはスチームトラップから排出されますが、スチームトラップが適正に作動していないと漏洩量が増えて省エネになりません。スチームトラップを適切に動かすためには、定期的な診断をすることが大事です。
目視確認
スチームトラップが動いているかどうかを確認する最も簡単な方法は目視確認です。トラップが故障していたら蒸気が連続的にもれますし、トラップが不調であれば断続的なトラップの作動の時間が短くなります。閉塞していることもあるでしょう。
スチームトラップから間欠的にスチームが出ていることを目視確認するのが基本です。
最近では、漏洩量がほぼゼロのトラップもあるので、目視確認が絶対ではないことは注意しましょう。
診断機による確認
スチームトラップが作動しているかどうかは専門の診断機を使うとより安心です。目視確認では分からない状態を確認することもできます。
スチームトラップ診断の落とし穴
スチームトラップ診断をしていれば、スチームトラップの状態を適切に把握できて漏洩量を最小化できるはず。こう思う人はとても多いです。
ですが、少なくともバッチプラントでは成立しません。
24時間同じ運転を続ける連続プラントだと、プラント各所に配置されているスチームトラップは使用中なのか停止中なのかが分かりやすいです。バッチプラントだと診断をしているまさにその最中にそのスチームトラップを使っているのかどうかが分かりません。
診断する人数が適正に配置されているならいいですが、大抵は人が足りておらずにプラント単位では1か月に1回などの頻度でしか見れないと思います。バッチ運転の場合だと、特定の生産品目では診断するタイミングがなかったということもあり得ます。
結果、診断結果は動いているか動いていないかだけが分かり、故障なのか動いていないのかは分かりません。
対策の実際
スチームトラップによる診断をしても、その対策はかなり限定的です。スチームトラップの交換しか手がないですが、運転時にスチームトラップを交換するのは危険なので、結局は停止するまで待つことになります。
スチームトラップは消耗品扱いなので、定期的な診断と交換が必要です。エネルギーロスの把握としては水物で、地道な保全が大事になります。
参考
最後に
- 化学プラントでは、省エネ対策として実行可能なのがスチーム
- スチームトラップはエネルギーロスの要点
- 診断は現場的で地道な作業
- 特にバッチプラントでは診断に限界がある
- 定期診断と計画的な交換が現実的な対策
スチームトラップ診断は万能ではありません。
しかし、他に手を付けにくいエネルギーが多い化学プラントにおいて、数少ない実行可能な省エネ手段であることは間違いありません。
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