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保全

Oリングは化学設備では使わないように|せめて接液部は

耐食性静的シール 保全
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シール部品としてのOリング(O-ring)は、一般に使用される機械部品です。

ところが化学工場の設備でOリングを使うのは、できる限り少なくしましょうという意見を私は支持しています。

なかなか賛成していただける人が居ないので、布教活動を地道にしていきます。

化学設備の特に腐食に関する部分に焦点を当てています。静的シールとしてはガスケットの方が有利というのが私の考えです。プロセス液に接しない場所なら、通常の機械部品と同じ感覚で使います。

Oリング(O-ring)は耐食性が限定的

Oリングはガスケットに比べて耐食性が限定的です。

FKMという材質が耐食性のOリングとしてよく選定されますが、これがやっかいです。

メタノール・アセトンなどの一部の有機溶媒、硝酸などの酸には使えず、冷却水やスチームでもケアしないといけない場合があります。

化学工場の設備では多種多様なプロセス液を使うことを前提としており、バッチ系化学工場ならレシピが変わることもよくあります。

こういった場合に、個別に耐食性を検討することは失敗を招きます。

何でも使えるものが良い

こういう思想でOリングを選ぼうとすると、FRP被覆FKMやFFKMなどの特殊な選定をします。

ガスケットの場合には、フッ素樹脂のガスケットや包みガスケットなどバリエーションが多いです。どちらのタイプも万能という訳ではありませんが、汎用性はかなり高いです。耐食性が求められ宇静的シールとしては、Oリングよりも汎用性が高いと思っても良いでしょう。

Oリング(O-ring)はシールが微妙

Oリングでシールしようとすると、実は難しいという場合があります。

FKMやFFKMならかなりの確率で問題ありませんが、FEP被覆FKMは結構当たり外れがあります。

特に加圧濾過機などの圧力が高く・シール面が大きい、シール性が課題となる設備では外れる確率が高くなってきます。

最近ではやや温度が高いプロセスで使うこともあり、シール性がますます重要になってきます。

Oリングとガスケットの2つから選べる設備なら、とにかくガスケットを選んでおく方が無難。

マグネットポンプなどが良い例です。

運転していると壊れた、なんてこともOリングの方が起きやすいイメージです。

Oリング(O-ring)は高い

Oリングは意外と高いです。

FKMならそこまでの金額でないですが、FEP被覆FKMやFFKMになると非常に高くなります。

数回Oリングを変えるだけで、設備本体を購入できるという場合すらあります。

設備のオーバーホールを10年で3回くらいするだけで、設備を買い直し。

そう考えると、安価なガスケットタイプを好みたくなります。

Oリング(O-ring)は納期が掛かる

特殊材質のOリングに限定しますが、納期がとてもかかります。

製作できる工場が限定されています。

高くて遅くてシール性も微妙。

部品が壊れたときや、SDMの準備の時になって、納期が掛かることに気が付いて手遅れ。

Oリングの時の方がこのシーンに出会う頻度が高いです。

そうなるとOリングを選ぶ理由を探す方が難しいです。

新規メーカ-に注意

Oリングタイプを選ぶかガスケットタイプを選ぶかという点では、新規メーカー採用時に特に注意しましょう。

化学工場向けの設備を多数導入している会社や営業担当者の場合には、理解してガスケットタイプで購入やメンテナンスができるでしょう。

新たに化学工場向けに設備を導入しようと売り込むメーカーは、この辺りの背景を知りません。

ユーザーも、Oリングとガスケットの違いを理解しておらずに「今まで何となくガスケットタイプを使っていたけど、Oリングでも別にいいのでは?」と変えたときに問題になりかねません。

しっかりとメリットデメリットを比較して選定しましょう。

参考

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関連記事

個人的にはガスケットの方が信頼感があります。ガスケットについてさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

最後に

耐食性の静的シールとしてOリングは薦めずガスケットを薦める理由を解説しました。

Oリングは耐食性が限定的・シール性が微妙・高い・遅い

化学工場の設備のような耐食性が求められる設備では、注意しましょう。

特にバッチ系ではガスケットタイプを選ぶのが無難です。

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