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保全

生産技術エンジニアのパトロールの重要ポイント4選

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生産技術(Production Engineering)が行う化学プラントの日常パトロールについて考えます。

パトロールと言うとどんなイメージがあるでしょうか?

  • お散歩
  • 五感を生かした異常に気が付く
  • 大名行列
  • チェックシートで細かくチェック

あまり良い印象は無いと思います。

生産技術の保全担当者はこういう行事のようなパトロールではなく、日常的にパトロールを行います。

そこでどんなことを意識すれば良いのかという点を紹介します。

パトロールは毎日行うことが基本ですが、ある程度慣れてきたら頻度を落としても良いでしょう。それでもゼロは良くありません。現場の情報をキャッチできなくなるだけでなく、周りの人からも「あの人現場に行っておらず、仕事してないのでは・・・」と窓際的な目で見られます(その方が幸せかもしれませんが)

設備の音・匂いに気を付ける

保全の日常パトロールでは設備の異常に気を付けることは、必須です。

特に匂いは気を配りましょう。

でも、これは生産技術の設備管理者である保全では、100%カバーできるわけではありません。

匂いは製造管理者やオペレータの方が圧倒的に詳しいです。

薬品の匂いに慣れていない機械系の設備管理者なら「何か臭い」という表現で留まりますが、製造系なら「○○系の匂い」という表現をします。

は機械的な異常(例えばベアリング)などは保全の出番です。

でも明らかにNGかOKかという判断くらいしか、日常パトロールとしてはできません。

  • 運転条件(回転速度など)がそれぞれの機器でいくらくらいなのか
  • それぞれの機器が今どの工程を行っているのか

バッチ運転のように時々刻々状況が変わる場合には、ピンポイントでパトロールをしても異常に気が付けるかというと少し疑わしいです。

それでも毎日同じ時間にパトロールすれば傾向は見えてくるでしょう。

そういう意味で同じ時間にそれなりにパトロールができるように、予定を入れておくことは大事です。

特に新しく担当したプラントであれば、1カ月程度は意識してパトロールしましょう。

設備の劣化に目を向ける

生産技術の設備管理であれば設備の劣化に目を向けましょう。

製造オペレータでも気が付く部分ですが、違う目でチェックが可能です。

  • 同じステンレス系の材質なのに、特定のラインだけ腐食が激しい
  • 特定のポンプだけ異常に振動する
  • 少し前に修理した設備が上手く動いているか
  • 意図をもって改良した設備が問題なく動いているか
  • 劣化傾向が出ている設備で、SDMで修理しようとしているけど、耐えれそうか不安

使っている側の目線とは違って、安定的に設備を動かすための状況を確認するという目線が保全には求められます。

患者さんやそのご家族が製造管理側なら、お医者さんが生産管理側という印象。

設備保全の視点で修理や改善をしたものが、どんな状況であるかを確認することは大きな意味があります。

その会社で実績のある技術なら問題ないですが、新たな技術を入れたときはデータがない状態です。

メーカーがいかにPRしても、実績を積み上げて冷静に見極めないといけません。

製造管理側は忙しくて特定の設備に目を向ける余裕はありません。

だからこそ、生産管理側が技術面でのフォローができるように、日常パトロールで気を配りたいところです。

そこで得た知見が、プラントの改造や新規プロジェクトでも「生の声」として生きてきます。

プラントの構成を理解する

そのプラントに慣れていない保全担当者なら、プラントの構成を理解するためにも日常パトロールをしましょう。

配置図などの資料を眺めることも悪くはありませんが、できるだけ現場を見ましょう。

  • プラントがどれだけの大きさなのか
  • 各エリアでどういう設備があって、どういう作業をしているのか
  • それぞれの設備に求められる特徴は何なのか
  • メンテナンスしやすい設備配置を作り上げるにはどうすればいいか
  • 設備を更新しようとしたら、どういう工事が必要になるか

こういう目線で情報を集めていきましょう。

配置図には現場の情報は含まれません。

配管の細かな配置も分からないでしょう。

メンテナンスをするうえで大事なことも、現場でしか分からなかったりします。

  • ポンプの周りに配管がいっぱいあって、モーターもメカニカルシールも分解できない
  • 切替配管の周りにスペースがなくて、切替できない
  • 高い位置で設備を触らないといけないのに、アクセスする架台がない

こういった設備メンテナンスのための作業を見る機会は、あまり多くはありません。

特に設計者は会社によってはほぼ見ることもないでしょう。

そういう設計者が良質のプラントを建設したり設計できたり・・・は難しいでしょう。

設計者が保全者にヒアリングをすることになりますが、そこで保全者は説明をしないといけません。

ちゃんと説明するためには、現場を良く知る必要があります。

この設備は既存と同じで、これくらいのメンテナンススペースが必要。良く分からないけど、とにかく必要。分からなかったら現場を見て。

こんな感じで保全から説明を受ける設計者は、かなり困りますね(私も経験があります)。

作業員の動きに目を向ける

日常パトロールでは作業員の動きにも目を向けましょう。

化学プラントの場合は、現場でオペレータが動くことはほぼありません。

自動化されている工場が多いでしょう。

どちらかというと、メンテナンスマンやサービスマンをチェックしましょう。

彼らがプラントに入っている場合に、どういう作業をしているのか。

製造管理者側は依頼するだけして、現場では任せっきりになっている分野です。

保全担当者はメンテナンスマンなどに依頼をする役目を持ちます。

彼らがプラントで安全に作業できているか・より安全に効率的に作業するにはどうすればいいか

こういう目線で見ましょう。

プラント改造や建設など今後に生かすアピールをするのも保全の役割です。

日常パトロールでしか集められない情報は、結構あります。

参考

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最後に

化学プラントの生産技術の保全担当者が、日常パトロールでチェックすべきポイントを4つ紹介しましあt。

設備の異常(音・匂いなど)、設備の劣化傾向、プラントの構成、作業員の動き

設備の現状を単に眺めるだけでなく、保全活動の結果としての現状把握や、プラントの設備改善や建設も見据えた生の声を収集するためのパトロールです。

お散歩として以上の意味がありますので、同じ時間を使うなら有効に活用しましょう。

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