【縁の下の力持ち】化学工場の機械設備で使う熱処理と表面硬化

機械化学機械

NEONEEETです。

鉄は鉄でしょ

目立たないけどいろんな処理をしていますよ

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、熱処理と表面硬化について詳しく知ることができます。

熱処理や表面硬化は機械を強くするための工夫

熱処理や表面硬化って聞いたことありますか?

機械設備としてはごく一般的な知識。

とはいえ、化学工場の機械エンジニアなら詳しくない人もいるでしょう。

特に設計エンジニアは知らないことも多いです。

出番があまりありませんからね。

とはいえ、機械知識としては相当重要です。

今回の記事では、化学工場の機械設備で使う熱処理や表面硬化について紹介します。

熱処理

熱処理とは鋼に対して行う処理です。

鋼をパワーアップする方法

と考えれば良いでしょう。今風に言うと鋼+1の状態ですね。

鋼自体はそれなりに硬いのですが、より硬く・強く・粘り強くするなどの要求事項に対応するために、熱処理を行います。

熱処理によって機械的性質は一般に改善されます。

強度、硬度、引張強さ、耐衝撃性、耐摩耗性、耐熱性、耐食性、冷間加工性、低温脆性、ばね性、磁気特性、非切削性

いろいろありますが、

熱処理をすると鋼はとにかく強くなるんだ!

という理解をしていれば十分です。

細かい議論は鉄鋼メーカーさんの範囲内でしょう。

化学工場の機械屋は知る必要がなく、もっと他に知るべき内容があります。

熱処理は主に以下の4つに分かれます。

  • 焼入れ
  • 焼戻し
  • 焼ならし
  • 焼なまし

個々の解説は、以下のSS400の加工処理に関する記事を確認してください。

表面硬化

表面硬化とは言葉どおり、表面を硬くする処理のこと。

ガラスライニングやフッ素樹脂ライニングと同じ発想で、鉄の一部だけに「硬い」という特性を持たせます。

浸炭焼入れ

浸炭焼入れは、鋼の表面に炭素を浸透させる方法です。

1mm程度の厚みに炭素が付加されます。

炭素は鉄を硬くする作用があります。

これを利用して、表面の耐摩耗性を上げる効果が期待できます。

窒化

窒化は鋼の表面に窒素を浸透させます。

浸炭が炭素なら、窒化は窒素です。

0.3mm程度の厚みに窒素が付加されます。

浸炭と同じく、表面の耐摩耗性を上げる効果が期待できます。

高周波焼入れ

高周波焼入れは焼入れと発想が同じです。

焼入れが炉で行うのに対して、高周波焼入れはコイルを使います。

コイルに電流を流す → 鋼に誘導電流が流れる → 鋼が熱を持つ → 焼入れ

炉のような大型の設備が必要ではないことが、メリットでしょう。

表面被覆

表面被覆は表面にカバーを付けること。

表面硬化に近いですね。

化学工場では表面被覆を目にする機会が圧倒的に多いです。

溶射

溶射とは溶けた金属を発射させて鋼にくっつける方法です。

溶接に近いですよね。

肉盛と呼ぶこともあります。

厚みは1mm程度。

溶射する物質がいろいろあって、金属でも高級な金属が溶射可能でセラミックなども可能です。

応用の幅が広いです。

耐熱性・耐食性・耐摩耗性など機械的性質をいろいろと向上させることが可能です。

この考え方自体は、機械設備の補修でも使います。

知っておいて損がない知識ですね。

ステライト盛り

ステライト盛りは肉盛溶接の1つです。

溶射ではなく、溶接を行う方法。

発想はほぼ同じですよね。

クロム・タングステンを含むステライトが溶接できます。

耐食性・耐摩耗性などを上げることが可能です。

ステライト盛りは弁体などに使いますよ。

化学工場の機械エンジニアでも気が付かないですね。

硬質クロムメッキ

硬質クロムメッキは鋼表面にメッキをします。

厚みは0.1~0.2mm。薄いですね。

硬度が高く、耐摩耗性に優れます。

軸や摺動部に大活躍です。

最後に

熱処理と表面硬化について紹介しました。

熱処理として「焼入れ・焼戻し・焼ならし・焼なましを、表面硬化として浸炭焼入れ・窒化・高周波焼入れを、表面被覆として溶射・ステライト盛・硬質クロムメッキを紹介いました。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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