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粉体製品でちょっとした異物混入でも起きるとこんなに大変

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粉体製品の異物混入問題は深刻です。

半導体や医薬などはいかにも厳しいという印象を持つ人もいるでしょうが、それ以外の粉体製品でも決して疎かにしていいわけではありません。

各種対策を取るものの、残念ながら異物混入は起こってしまいます。

社会的に問題にならないレベルでも、起こった時にはかなりの対応が求められます。

ロットの特定

異物混入が認められた場合、ロットの特定を行います。

分からない場合は恐ろしく悲惨。

全量回収して調査という想像したくもない手間が掛かります。

通常はそうならないように、毎バッチのチェックを掛けて、影響範囲を最小化させようとします。

ちゃんとチェックできていたら、1バッチだけしか問題にならないはずですよね。

実際には数バッチや10バッチを越える範囲で影響が出てしまうこともあります。

いずれにしろ影響範囲を特定しない限り、次の対応が取れなくなるので、最初に特定しましょう。

出荷先まで出向く

ロット範囲が不明の場合や、工場内に貯めることなくすぐ出荷する場合には、出荷先まで直接出向きます。

倉庫に保管されているケースが多いですね。

全量回収して持ち帰ったり、現場で全量調査したり。

ケースバイケースです。

異物混入の範囲が指定できずに全量調査するという場合に、この対応が起こりえます。

製品の開封

運よくロットを特定できた場合、製品の開封をします。

ドラム缶やファイバードラムの中にあるビニール袋に粉体を充填している場合、そのビニール袋を開封します。

テーブルの上などで粉体を実際に広げて、異物が入っていないか目で1つずつ確認します。

ロット数が多いと、途方もない作業になります。

通常の充填では1本あたり5分と掛からない作業が、長いと30分とか1時間とか掛かってしまいます。

根気と体力のいる作業。

できればやりたくないですね。

異物原因の調査

異物の原因を調査します。

明らかに製造ラインで使っていないものであれば、それだけで除外することも可能です。

例えば、プラントで明らかに使っていない木くずが異物混入のクレームとして挙がった場合、木を使っていないことを説明します。

パレットが木製の可能性がある場合は、木くずが混入する可能性があるので注意しましょう。

樹脂製の場合は、他に木を使う可能性が少なくて、運よく使っていない場合には調査終了です。

こういう身に覚えがない異物混入の例は少なからず存在します。

プラントの内の設備が破損していて、それが異物混入となっていた場合は、異物の組立作業が待っています。

部品が健全な状態の写真や図面を見ながら、異物となった部品を繋ぎ合わせていきます。

間違ってシュレッダーに入れた紙を回収して繋ぎ合わせるのと似ています。

100%とは言わずとも80~90%程度は回収できるでしょう。

どこまで調査して異物調査を完了するかは、品質保証の考え方によるでしょう。

粉々にしてしまうプロセスであったら、全量回収はほぼ絶望的ですしね。そういう場合は、廃棄をしたり、再処理などのプロセス対応が必要になります。

再発防止対策

異物混入の起こった原因に対する対策を考えないといけません。

その手法で再度生産していて、一定期間トラブルが起こらなかったら、対策が有効に機能したとして標準化されていきます。

そうして異物混入のための作業標準がガチガチになっていくことでしょう。

トラブルが多ければ多いほど、取れる対策が無くなっていきます。

目視確認とかチェックリストとか写真撮影とか、限界がそのうち来てしまいます。

参考

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最後に

粉体製品で異物混入が起きるとかなり大変です。

ロットの特定をして、場合によっては出荷先まで出向きます。

粉体製品を開封して異物を調べ上げ、原因調査をします。

設備由来の場合は、組み上げて完全回収を目指します。

再発防止対策を取って、ようやく生産再開ですね。

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