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【低圧フランジ】スタッドボルトとマシンボルトの違い

スタッドとマシン 配管
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フランジ用ボルトの簡単な比較をします。

スタッドボルトとマシンボルトの2種類がありますが、その違いを解説します。

どちらを使うべきなのか、どちらでもいいのか、という疑問は初心者のころには出てきます。

ボルトにも色々な種類や仕様があるので一概に言いにくいですが、低圧フランジに限定するとどちらでも良いと考えています。

違いを知って判断できるようになれば、信頼されるエンジニアに一歩近づくことでしょう。

スタッドボルトとマシンボルトの構成

スタッドボルトとマシンボルトの違いを見てみましょう。

簡単なイメージを示します。

スタッドとマシン

スタッドボルトはボルトを2つのナットで締め付けます。

マシンボルトはボルトと1つのナットが1体となっていて、別の1つのナットで締め付けます。

  • スタッドボルト ボルト+2つのナット
  • マシンボルト  ナット付きボルト+1つのナット

最初は、これくらいのイメージで考えても良いでしょう。(かなり雑な表現ですが・・・)

実際にフランジ付き配管とこれらのボルトをセットする時を考えてみましょう。

スタッドボルトは、ボルトとナットを分割できる構造なので、下のようなイメージでセットします。

スタッドのセット

マシンボルトは、ボルト側にナットが付いているので、自ずと以下のようなイメージでセットします。

マシンのセット

スタッドボルトとマシンボルトの見た目上の違いが、組み付けに直接関係しますね。

マシンボルトが使えない例

マシンボルトは、その構造上どうしても使えない場面が出てきます。

例えば、以下のようなエルボを2つ組み合わせる例です。

エルボは無理

90°エルボを2つ組み合わせて180°エルボを作る場合、エルボの内側部分にはボルトを通すスペースが確保できません。

この場合、マシンボルトは使えず、スタッドボルトを使わざるを得ません。

例えば、グラスライニングやフッ素樹脂ライニングの配管だと、こういう場面は発生します。

他にもバルブでフランジと本体の間のスペースが小さい場合にも、起こりえます。

スタッドボルトは機械的に安心

スタッドボルトとマシンボルトはどちらの方が良いでしょうか?

これは一概には言えませんが、スタッドボルトの方が機械的に安心感があります。

  • 組付けがしやすい
  • 強度が高い

組付けの話は、先に取り上げました。マシンボルトのデメリットです。

強度が高いのは、スタッドボルトに不連続部がないからです。

ボルト全体にネジを切っているのが、スタッドボルト。

一方のマシンボルトは、ボルト中の一部にしかネジを切っていません。

ネジを切っている部分とそうではない丸棒部分では、不連続部ができてしまい応力集中など予想しにくい問題が起きえます。

バッチプラントのように1MPa以下の低圧ではほぼ問題が起きませんが、高圧になるとこの辺りの差は出てきます。

マシンボルトを使う理由

スタッドボルトは良いことだらけで、マシンボルトにはメリットが無いように見えますよね。

かくいう私は、99%以上がマシンボルトの世界で過ごしてきました。

もちろん、スタッドボルトでも機能はするでしょうが、マシンボルトにも良いことはあります。

  • 手間が1つ減る
  • 異物混入のリスクが1つ減る

スタッドボルトはナットを2つ締めないといけないので、手間が少し増えます。

運転中の危険物ラインでガスケットを変えたりする場合、少しでも早く締めたいです。

ナットを準備して、手で絞めていき、工具で最終的に締め付ける。

この作業を少しでも楽にしたいものです。

マシンボルトと同じような考えで、先に1つのナットをボルトにセットしたらリスクは下がりますが、そのナットを先に締めるという作業も手間と言えば手間。

ナットの数が多くなれば、落下したり忘れ去られるリスクがあり、異物混入の原因ともなります。

この辺りをリスクとして考えないなら、スタッドボルトの方が良いでしょう。

参考

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最後に

低圧フランジ用のボルトとしてスタッドボルトとマシンボルトの比較をしました。

マシンボルトだと取り付けができないケースがあります。

スタッドボルトの方が強度的にもスペースの問題でも有利ですが、手間が増えたり異物混入のリスクがあります。

どちらのボルトでも使える低圧では、その会社の思想によって分かれるでしょう。

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