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見積

製缶(タンク・熱交換器)のメーカー見積に対するユーザー査定 

見積査定のポイント 見積
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製缶機器のメーカー見積に対して、ユーザーの技術側でどういう査定をするかを解説します。

化学プラントでは製缶機器と呼ばれる、タンクや熱交換器を多く購入します。

査定方法はいくつかありますが、技術的な査定はとても難しいです。

その中で、時間を掛けずに分かる範囲で査定を終わらせることは、業務を適切に回すためにとても大事です。

機械系エンジニアとして、何をどうやって査定すればいいか悩んでいる人向けの内容です。

表面的に見える部分以外をどこまで深く見るかという、考え方の部分を解説します。

製缶機器(tank/heat exchanger)のメーカー見積

製缶機器のメーカー見積書に書いてある内容を探っていきましょう。

見積書に書いてあること
  • 社名
  • 住所
  • 金額
  • 納期
  • 仕様
  • デビエーションリスト

どれも確認したり深堀りできる内容はありますが、仕様部分の4項目がやはり大事でしょう。

金額

見積書で一番初めにチェックすべきことは金額です。

当たり前のように見えて、エンジニアにとっては当たり前でないのが現実です。

金額の査定より先に、仕様をじっくり眺めるエンジニアもいます。

ちょっと変な感じがしますよね。

総額のチェックは当然大事ですが、他にも見るべきことはあります。

金額は最低でもできれば以下の項目に分けてメーカーに提示させましょう。

  1. 材料費
  2. 加工費
  3. その他

材料費

材料費はメーカーが見積にずれがないかどうかを判定する格好の材料です。

製缶機器とは材料を缶状製作した機器。

材料はユーザーの仕様書からほぼ一元的に決まります。

製作物から重量を計算し、材質重量単価から材料費がほぼ決まるからです。

材質が指定されれば調達額アhある程度決まります。

取引先との関係・材料の市況価格などの影響を受けますが、推定は可能です。

パソコンで入力した数字の入力間違え板厚の計算間違いなどで、損をしたり得をしたりする場合があります。

人が行う見積なので疑ってかかりましょう。

過去の類似の見積も参考にすべきです。

重量・市況単価・過去の見積というように幅広い目線で材料費はチェックしましょう。

加工費

加工費はメーカーによって結構差があります。

同じメーカーでも時期によって変わります。

膨大な見積実績があればある程度推定は可能です。

データがない場合は平準化に実績が掛かります。

過去の実績を見たり、実績からサイズや重量に応じて補正ができると最高。

その他

その他の費用はあまりチェックすることはありません。

輸送費で地域の差がちょっと出ますが、材料費や加工費ほどではありません。

検査費や設計費も同じです。

全体に占めるウェイトが大きいか小さいかだけをチェックできればいいでしょう。

納期

納期のチェックも見積書上は当然大事なこと。

期日を書くメーカーと、期間を各メーカーがあるので注意です。

期日を書く場合は、製作図面のチェックが多少遅れても期日通りに納入することが可能な強気の姿勢。

大企業のユーザーほどチェック者が多くて製作図面の完成までに時間が掛かります

期日を書く場合は、製作図面完成後〇カ月という表現をします。

これは製作図面の遅れが全体工期に影響を出すからです。

ユーザー側のチェックが遅い例は多いですが、実はメーカーの製作図面が遅いという例も増えています。

納期に対してメーカーはシビアになってきていて、査定から発注までの手続きや図面の承認のタイミングを厳密に考えるようになっています。

メーカーの設計が遅かったのにもかかわらず、ユーザーの図面チェック時間をほとんど設けずに制作に走る異常なメーカーも出始めています。

一般には、社内で検討に時間を掛けるユーザーの方が割合が多いですが・・・。

ユーザーはユーザーで会議が多くて忙しいのですよ。。。

仕様

仕様チェックは見積上とても大事。

エンジニアならぜひともチェックしたいところ。

でも、仕様チェックってできることが限られています。

というのも見積書に仕様らしい仕様を書かないメーカーが多いから。

タンク〇m3 一式 〇k\

こんな表現の見積が結構多いです。

書いてあったとしても、径・高さ・板厚などの最低限の情報くらい。

比較できる項目がほとんどないのが実態です。

その割に製作段階で図面のやり取りをしたら、こんなはずじゃなかった・・・って悲惨な目に会うこともあります。

発注が決まって製作図面で指摘したときには、

「見積段階で想定していなかったから追加。嫌なら作らない。納期を遅らせる」

っていわれて揉める元になります。

だからこそ、ユーザーの見積仕様書でデータシートスケルトンを正確に記載することが必要です。

デビエーションリスト

デビエーションリストはユーザーの見積条件から乖離している部分を示した書類です。

これも製缶機器ではほとんど見かけません。

慣例通り、という表現が多いでしょう。

こういう対応ばかりしていると、新規ベンダーの採用などでは困りますよ。

相見積を取ること

タンク・熱交換器などの購入をする場合、必ず相見積をしてください。

相見積をする目的は主に以下の背景があるからです。

  • 最も安い・早いメーカーを簡単に調べられる
  • 安い・早いメーカーは日々変化する
  • 互いの見積のチェックが可能

タンク熱交換器などの見積はそのメーカーの工場の稼働率に大きく影響します。

稼働率が100%近くで忙しい場合は、案件を受けたくないので高額の見積を出します。

ここ数年は稼働率が高い工場が多いですね。

逆に稼働率が低い場合は、仕事を受注するために価格の低い見積を出します。

工場の稼働率は各メーカーによって日々変わります。

これを調達部が常にフォローするのは困難。

だからこそ、見積を取るたびに安いメーカーを探そうとすると、複数のメーカーから見積もりを貰うとリスクを下げることができます。

複数のメーカーから見積を取ると、各メーカーの見積の正誤性も実は把握できます。相互チェックですね。

参考

最後に

タンク・熱交換器のメーカー見積を比較するときに大事なことを解説しました。

金額・納期・仕様の3つはチェックしましょう、デビエーションリストがあれば最高です。

1社ではデータ不足なので2~3社の相見積を必ず取りましょう。

リスク回避にもなります。

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