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プラントなどの建設投資で予算を抑えるために考えること

建設投資の削減 プロジェクト
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プラントなどの建設投資で金額を抑えようとすることは、当然のことです。

オーナーズエンジニアは建設初期の検討段階から関わるので、知っておいた方が良いでしょう。

何もない状態から検討を始めようとして、選択肢が多くてどこから手を付けていいか分からずに、何も検討できなかった。

こういうパターンは結構あります。

建設に掛かる要素を冷静に解析していけばヒントは見えてきますが、その例を紹介します。

パターンを一度掴んでしまえば、いろいろな検討に使える便利な考え方だと思っています。

建築

建設に関する話なので、建築物そのものは真っ先に考えるべき対象です。

プラント建設の場合、機械設備や配管設計に関わる人が取りまとめをしますが、建築関係には弱いので言われるがままになりがちです。

その建築担当者も原案を忠実に再現するだけで、投資削減を考える人は驚くほど少ないです。

平面と高さ

建築では、平面と高さのどちらを取るかを最初に整理しましょう。

建屋構造

場所の狭い地域では、設備を上に延ばすために建物の強度も求められ、費用は上がっていきます。

平面にする方が建築的には安くなる可能性が高いです。

とはいえ、地面の掘削・杭打ちなど思わぬ費用が載ってきます。

平面と高さのどちらが勝つかは分からず検討の対象となる、ということを知っているだけで投資削減の検討をできるでしょう。

プラント以外の事務所・実験室・機械室の類では制約が緩いので、平面と高さの問題を考えやすいです。

ヘッドでの滴下・粉体の投入・真空操作・ベントなど高さが必要になる装置が、プラントとしては必要なので、あまり話題にならないでしょう。

屋根と壁

屋根や壁は検討対象になります。

特に壁は分かりやすいです。

コンクリート・ALC・角波サイディング・スレートなど選択肢はいっぱい。

プラント建設でも機械室などの汎用的な建設でも、この選択肢は持っておきましょう。

昔のようにコンクリートが安かった時代はともかく、今ではコンクリートは避けて、ALCも場所を限定するなど考えていきたいですね。

屋根はプラント建設のように屋上を利用する機会があるかどうかで変わってきます。

プラントなら陸屋根や鉄板+根太で人がアクセスできるようにしますが、一般的には折板などやすい物にします。

プラント建設だけを見ていたら、壁はALC・屋根は鉄板+根太という豪華な組み合わせばかり見てしまって、安価な建設が求められる仕事に直面したときに選択肢が出てこなくなります。

屋根や壁は検討対象になる、ということを知っているだけでも投資削減の検討をできるでしょう。

ユニット化(柱数削減)

建築ではユニット化の考えは1つの要素です。

建屋増設
レイアウト

柱の数が建設コストを左右します。

レイアウトを複雑にして柱の数を増やせば増やすほど、コストはあがるでしょう。

できるだけシンプルな造り同じような形状にすることが、コストを抑えるコツになります。

自動的に平面的には長方形の形になります。

拡張余地がある場合は階もそろえて直方体スタイルにします。

連続プラントなど拡張可能性があまりない場合は、階数も最低限に削ってユニット化とは異なる方向で検討することになるでしょう。

それでも柱数を削減することは効果がある、ということを知っているだけでも投資削減の検討をできるでしょう。

設備

建設において、設備関係は削減の余地があまり多くはありません。

できることは限られていますが、何が効いてくるかはしっかり理解しておきましょう。

仕様の統一化

設備の仕様の統一化は投資を抑える効果があります。

設計コストが下がります。

特に、大きな反応槽などサイズを整え、ノズルオリエンテーションも揃えることは、重要な意味を持ちます。

建物のユニット化や設備回りの配管レイアウトのパターン化も含めると、ユニット化の道が広がっていくでしょう。

投資削減の効果は高くはないですが、検討期間を短くできたり、設備更新やメンテナンスで効果が出てきます。

見えにくい費用の削減ですね。

接続距離の最小化

接続距離の最小化は、とても大事な発想です。

例えば配管や配線などの費用は、距離に依存します。

建設場所を決めるとき、水や電気などのユーティリティは周囲から接続しないといけません。

配管距離

接続距離が長いほど費用が掛かるのは当然です。

物理的な配管施工費以外に、配管スタンドなど付帯費も効いてきます。

建設場所の自由度が広い場合には、投資額を抑えるために、接続距離を短くすることが優先されることもあります。

もちろん、作業・避難・輸送の動線など使い方が先に優先されますが、機械室などでは自由度が広いがゆえに逆に悩みとなります。

レイアウト案が決まってあって、配管や配線の積み上げ見積という作業をしていると、こういう全体像が見えにくくなります。

細かな検討をする前に、分かりやすいレイアウトの検討は是非とも行いましょう。

外部委託・レンタル・リース

場合によっては外部委託やレンタルやリースの可能性も考えましょう。

配管で液体を長距離輸送するくらいならローリーで輸送した方が安い、という例は結構あります。

内部で処理するにはコストがかかるので、外部委託するという場合もあります。

レンタルという選択肢も意外とあります。

固定設備として作ってしまうのか、仮設した方が安いのか。

これらの項目はコスト削減目的で、検討対象になるでしょう。

参考

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最後に

プラント建設などの投資で予算を削減するために考えることをまとめました。

選択肢が広いので検討の道筋を最初に作ることは、時間の短縮や精度アップに関係します。

機械・建設・電気・計装などそれぞれの立場で考えることはありますが、全体を俯瞰することはもっと大事です。

検討初期から参画できるオーナーズエンジニアなら、ぜひとも知っておきましょう。

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