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ベテラン社員の活躍の場?化学工場の調整部門が担う多様な役割と価値

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技術調整部署 キャリア
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 化学工場には、目立たないけれど工場全体の動きをスムーズに保つ「技術系調整部門」という存在があります。
 技術の専門性を背景に、調整や管理に特化したこの部署では、ベテラン社員の経験が大きな力となり、製造現場や研究・販売部門との橋渡し役を果たしています。

 本記事では、化学工場における調整部門の業務内容とその価値、そしてどのような人材が活躍しているのかを具体的に紹介します。

工場内外の調整

化学工場の技術系調整部門が行うメインの業務は、工場内外の調整業務です。工場と外とをつなぐ窓口と言っても良いかもしれません。

工場外部から来る仕事としては例えば以下のようなものがあります。

  • 販売や研究から来る依頼を受け入れるかどうか判断する
  • 工場見学を受け入れるかどうか判断する
  • 新規の原料や生産品目の導入検討の窓口となる

工場の外に販売や研究の部門があって、そこから依頼が来たときに正式な窓口となって依頼の管理をします。技術的な知識がある方が有利なのは間違いないですが、あまりなくても何とかなってしまいます。

工場見学のような外部からの依頼も、工場内の機密情報に関わる話を判断するために、技術系の調整部門が関わります。こちらは技術的なバックグラウンドが何かしら無いと厳しいです。工場の製造部門での経験がある人が好ましいでしょう。

この辺までは何となくイメージがあったとして、原料や生産品目の導入検討となると、一般の人にはイメージがしにくいかもしれません。

製造では決まった品目を決まった方法で作り続けるわけではありません。効率を少しでも良くするために新しい原料を購入したり、古くなった生産品目を終了して新しい生産品目を受け入れたりします。化学工場の場合なら、化学的な知識をフル活用する場面です。検討内容が簡単だったり頻度が少ない場合なら、調整部門など設置せずに化学系の知識を持った部門が対応するでしょう。それなりの規模になると調整部門を1つ置くことになり、調整部門から化学系の知識を持った部署に依頼することになります。簡単に言うと「丸投げ」。化学の知識は必ずしも求められません。必要なのは業務の管理能力。機電系エンジニアでも磨くことは可能です。

新規の原料の場合は、調達部門などからの依頼を受けて、品質保証部や先行小実験部や製造部門と調整します。その結果の管理までを担当する係です。

新規の生産品目の場合は、研究部門などからの品目のレシピが来て、プロセス部門での化工的な解世紀を使ったライン設計、機電系エンジニアによるプラント設計、工事会社による工事を行って、商業生産に繋げます。その結果を管理して生産できるようになるところまでを管理する係です。

生産に関わる全体像を管理することになり、スパンが数年以上の長いものになるので、調整部門として独立して管理することは意味があることです。何かの部署に任せてしまうと、コントロールが効かなくなるかもしれませんね。

現場部署で機能・役割が変化したときの調整

工場現場部署では、それぞれしっかりした役割を与えられて、遂行しているはずです。そう思っていても、内部的には色々な変化を常にしています。

  • 製造部内で製造技術がすべきことを、技術スタッフが居ないために技術調整部が担当する
  • 製造部内で長期の投資計画を考案すべきところを、忙しくてできないために技術調整部が担当する
  • 各種スポット的な企画検討があった場合に、技術的な助言をする

工場では決まった仕事だけをしているわけではなく、むしろ良く分からない仕事ばかりが発生したりします。この場合に、臨機応変に対応するには調整部門があった方が良いことは確かです。

求められるスキルが決まったものではないので、何か特定のスキルにだけ特化した人だと対応しにくいです。専門スキルは持っておきながら、周囲のスキルもある程度兼ね備えている人が好ましいです。ここから言えることとして、技術調整を行うにはそれなりのベテラン層でないと難しいということ。

異動の待機時間調整

技術調整を行う部門は、異動の待機場所ともなりやすいです。

先に述べた通りベテラン層が多くなりやすい部署で、異動先のポストがそろそろ怪しくなってくる人たちが集まります。本当は移したいけど、相手を考えるとすぐには動かせない。そういう人たちの待機場所です。

スキルはちゃんとあっても活躍する場所が限られているので、待ってもらうという意味で調整をしていることになり、工場全体としては一応の役割を持っていることになります。この辺は組織の難しい所ですね。

参考

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最後に

化学工場における技術系調整部門は、製造・研究・販売など多くの部門をつなぐハブ的な存在です。
原料・生産品目の導入支援や現場の変化への対応、さらには人材の異動調整まで、非常に幅広い業務を担当しています。

専門知識だけでなく、柔軟な判断と対人調整能力が必要とされるため、ベテラン社員の経験が大きく活きる職場でもあります。
技術職としてのキャリアの“次のステージ”としても注目されるべき存在でしょう。

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