アンカーボルトについて考えます。
基礎埋め込み型のスタンダードなアンカーボルトは、化学プラントではポンプなどによく使います。
世間的にはケミカルアンカーを使いますが、圧力容器など重要な個所には古典的なアンカーボルトが一番信頼が置けます。
アンカーボルトはいくつか種類がありますが、設計において重要になる場合もあります。
普段は意識しなくても、選択肢を持っておくことが大事ですね。
アンカーボルトの形
アンカーボルトの形は、主に以下の4種類があります。
ボルトの末端部の形そのものを表すように、L型・LA型・J型・LA型と呼びます。
LA型は少し強引な呼び方の気もしますが、あまり違和感のない呼び方ですね。
この4つは基本的には同じ性能として設計すれば良いですが、使い分けは可能です。
形が複雑だと引き抜きに強い
L型は最もシンプルな形をしています。
J型他のアンカーボルトは、形を複雑にしていますが、これは引き抜きの抵抗力を持たせるためです。
アンカーボルトは、機械などの大型装置を基礎面に設置して、機械が転倒しようとするときの抵抗としての役割があります。
物が引っ張られるようにしているときに、ボルトが基礎とくっついていて離れないようなイメージです。
ボルトが単純な棒(I型)の場合は、基礎との抵抗力は低いです。
L形に曲げることで、ボルトが基礎と引っかかりやすくして、抵抗力を増やす効果があります。
LA型はL型よりも少し形状を複雑にしている分、抵抗力が多そうですね。
J型はL型よりも基礎と食い込みやすくて、抵抗力が多そうですね。
こうやって、形を複雑にすることで、アンカーボルトの性能をあげようとしています。
もちろん、複雑にする分だけコストは上がりますが、一般には誤差範囲でしょう。
LA型・JA型は基礎を小さくできる
L型とJ型の特徴は分かりやすいですが、LA型とJA型はもう少し別の特徴があります。
それが基礎を小さくできるというメリット。
アンカーボルトの形が違っても、ボルトピッチは変わりません。
L型とLA型では、ボルト中心が同じでも、L型の方が出代が大きいです。
特に箱抜き型のアンカーボルトだとこの差が顕著に出ます。
ボルトを入れる箱部分を作って、後でモルタルを詰める関係で、箱部分は外側に出っ張る形になります。
基礎の大きさは、箱の大きさ分だけ増えてしまいます。
10cmも無い違いですが、狭いプラントでは10cmでも違うと大きな差になったりします。
基礎費用にも関係するので、できるだけ小さいLA型やJA型を選ぶと良いでしょう。
機械関係で基礎に関わる設計をしている人でも、意外と知らなかったりします。
規格化されたものなので、恐れずに使いましょう。
参考
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最後に
アンカーボルトのL型・J型・LA型・JA型について解説しました。
アンカーボルトの引き抜き力は形の複雑さによって変わります。
J型はL型より明らかに強いです。
LA型やJA型は基礎を小さくできるメリットがあります。
機械関係で基礎に関わる設計をする人は、知っておいて損はないでしょう。
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