電気ケーブル(electricity cable)に関する超基本的な事項をまとめました。
機械エンジニアが知っておくべき範囲で電気工事の現場を解説します。
電気工事は電気エンジニアに任せてしまいがちですよね。
化学プラントといえども電気工事は世間一般の工事と近い部分があります。
機械の知識習得で忙しいから電気のことは知らなくてもいいというわけではありませんね。
特にプロジェクトでは電気に対する知識も持っているエンジニアが重宝されます。
電気ケーブル(electricity cable)の流れ
まずはケーブルを主役にして、流れを見ていきましょう。
ケーブルは電気信号を繋ぐための物。
電気室の電気盤からプラントのモーターに直結するケーブルを引きます。
ケーブルは樹脂で被覆をしてガードをしていますが、ケーブルの通り道をちゃんと決めるためにダクトやラックを使います。
ダクト
ダクトとは下図のような直方体の箱です。
箱の中にケーブルを収めるため、多くのケーブルがずれたり落ちたりする心配がありません。
家庭用のケーブルでも基本的に同じ考えですね。
数mおきにビニールテープでまとめてもいいのが家庭。
化学プラントで垂れたケーブルが思わぬトラブルになりかねません。
純粋に場所を圧迫し、ケーブルが破損したり液体に濡れるリスクも増えます。
- 配管と同じように配線のルートをちゃんと決めてしまい、散らばらないようにすること
- ダクトの大きさが配管と同じようにフィッティングで制約を受ける
- ケーブルが直接外気に触れず寿命が延びる
- ノイズを緩和することが可能
ダクトは室外・特に電気室から外部に引き出す部分に使います。
プラント内でも床貫通部にはダクトを使うことが多いでしょう。
ラック
ラックはダクトを簡単にしたものです。
電車の駅のホーム上で見かけます。
ラックの上に数本のケーブルが敷設されます。
ラックの方が当然安価です。
室内の水平部にはラックを使うことがあります。
室内の床貫通部はダクトの方が良いでしょう。ラックだと開口部ができてしまって物が落下する恐れがあります。
電線管
電線管は1本のケーブルの周囲をカバーする形で付ける配管です。
電線管を付けておけばケーブルとしてはほぼ最高級の守備力を得たようなものです。
継手であるねじ込み継手からの漏れこみさえなければ・・・。
ラックやダクトから1本1本の配線を引き出すときには、電線管を付けます。
引き込み
引き込みはモーターへの接続を意味します。
モーターと端子箱は連結した状態で、電線管付きのケーブルを接続しないといけません。
ここで防爆が問題になります。
隙間があったら防爆性能は無くなりますよね。
ちゃんとシールが必要です。
専用のシールとしてケーブルグランドというものがあります。
機械屋的にはグランドパッキンと同じだと思えば十分です。
過剰に考える必要はありません。
ケーブルグランドは以下のシール部品からなります。
- 電線管とケーブルグランドのOリング
- ケーブルグランドと端子箱のOリング
- ケーブルグランド内のパッキン
細かい寸法は電気担当者に確認を依頼しましょう。
概要だけを知っていれば十分です。
参考
最後に
機械エンジニアが知っておきたい範囲で電気ケーブルの流れを紹介します。
電気盤とモーターの間をつなぐケーブルは、ダクト・ラック・電線管などで保護されます。
モーターは防爆性を確保するためにケーブルグランドを付けることが多いでしょう。
細かいことはさておき、概要は理解しておきたいですね。
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