設備の部品を”固定”する方法と化学工場での基本的な考え方 ボルトナット・ねじ込み・しまりはめ・溶接

ボルトナット化学機械

設備の部品を”固定”する方法を説明します。

化学工場で使う設備は複数の機械部品からなっています。

ごく当たり前のようにボルトナットで固定しますが、実はそれ以外にも方法があります。

補修や設計で固定方法の選択肢として頭に入れておきたいものを、ピックアップしました。

基本的すぎて割と見落としがちですよ。

ボルトナット

ボルトナットは部品固定の基本です。

化学工場でもごく当たり前にボルトナットを使います。

ボルトナットの特徴
  • 取付・取外しが簡単
  • 高圧にも耐える
  • 種類や方法が豊富
  • 振動で緩む

いろいろなメリットがありますよね。

取付・取り外しが可能という意味で対抗馬としてヘルールがあります。

取付・取り外しの作業性を重視する代わりに、漏れのリスクがあります。

化学工場では漏れを嫌うのであまり使いませんね。

ボルトナットシステムは大きな欠点があります。

それは「緩み」です。

特に装置内面のボルトナットは慎重に扱わないといけません。

配管フランジなどの外面のボルトナットは、緩んでも取り買えれば済むだけ。

装置内面のボルトナットは、緩んでしまうといろいろな問題があります。

  • 装置内を傷つけて、再利用に時間がかかる
  • 異物混入の原因になる
  • 装置そのものを破壊する

このゆるみに対する対策としていくつかの方法が考えられます。

  • ピン止め
  • ダブルナット
  • 点溶接
ピン

例えばピン止めは古典的な方法です。

最も確実な方法。

特別な理由が無ければピン止めで十分です。

ピンが壊れたら緩みますが、ピンがそこそこ大きく強いので、信頼感はかなり高いです。

ダブルナット

ダブルナットは言葉通り、ナットを二重にして使います。

これでゆるみはある程度止まります。

ですが、化学工場の装置内にはめったに使いません

「緩むかもしれない」からです。

確実な方法ではありません。

点溶接

点溶接とはナットをボルトと物理的に溶接する方法です。

これはかなり信頼感が高いですが、ピン止めよりは信頼感が劣ります。

溶接でくっつけてしまうから強固そうですが…

溶接面積が狭いので、ピン止めよりは弱い可能性があります。

それでも、ピン止めと同じかやや低い程度の信頼感なので、化学工場の装置には点溶接を使うケースもあります

ねじ込み

ボルトナットシステムの一つですが、ねじ込み方式は要注意!

これは長年使っているうちに気が付かずに漏れる可能性があります。

フランジ接続ねじ込み接続かと世間一般には2択のように紹介されますが、化学工場ではフランジ接続が一般的です。

  • 接続点数が多い
  • 漏れると大事故に繋がる薬液を扱う
  • ねじ込みは地震で外れる実績がある
  • 大口径にねじ込みは適さない

配管に対しては、一定サイズ以上の口径なら大きなトルクが必要となり適しません。

だからこそ、分かりやすくボルトナットとフランジで配管を固定することが多いでしょう。

問題は装置

装置周りにはねじ込み接続で設計されるケースがたまに見られます。

特に化学工場向けを意識していないメーカー品で見られます。

下の図のようにタップを立てた部材に、ボルトをねじ込む方法があります。

ねじ込み

タンク底のパッドフランジなどが良い例です。

ねじ込みにするとメリットがある場合も多いのですが、漏れるというリスクと隣り合わせです。

万が一使う場合には、この特徴をちゃんと理解したうえで使いましょう!

しまりはめ

「しまりはめ」は「はめあい」の1つです。

「はめあい」は化学工場向けにはベアリング周りで一般的に登場します。

熱による金属の膨張収縮を利用しただけの原始的な方法ですが、固定効果は抜群です。

大きな力が常に掛かり、取り外しを極力なくしたい部品に対して使いましょう。

溶接

溶接は完全に固定する方法です。

安心感はかなりあります。

というのも、溶接をしたら外れないとも言い切れないからです。

腐食や振動によって割れが起きる可能性はあります。

ボルトナットでゆるみ止め対策をしたときとどちらが安心かと言うと・・・結構悩みます。

溶接は現地補修や改造ができるタイミングが限られているという意味で、ボルトナットの方が有利だと思います。

類似の方法に圧接ろう接もあります。

これは樹脂配管や基盤などに使います。

固定方法の1つと言えば1つですね。

最後に

化学工場の設備部品の固定方法について紹介しました。

ボルトナットが基本中の基本ですが、ねじこみ・しまりはめ・溶接などいくつかの方法があります。

補修や設計での応用的な発想をするときには使う可能性があるでしょう。

基本的な内容ですが見落としやすいですよ。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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