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働き方

業績好調でも危ない会社のサイン:黒字リストラの裏側にある構造的課題

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黒字リストラ 働き方
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 黒字リストラの話題で、なぜこのタイミングであの企業が・・・と外部からは素朴な意見がたくさん出ます。私が働く会社でもいつ問題が起きてもおかしくないと思っています。それは会社が書か変える構造的な問題があるからです。
 本記事では、黒字リストラの背景で起こっている会社の課題について、私が見えている範囲で考えます。

事業構造の変化

 黒字リストラに踏み切る背景には、事業構造の変化があるのが一般的です。どういうことか少し踏み込んで考えます。

不採算部門の縮小

 長年事業を続けていると不採算部門が出てきます。化学会社の場合は、分かりやすいとしてコモディティ化した事業が該当します。

 日本のような質の高い製造ができて他は圧倒的に質の低い製品しかない、という環境であれば問題なかったものの、最近は中国を初め「質はそれなりでコストは圧倒的に安い」という製品がそれなりに出てきています。化学産業は世間一般には見えにくく、電機産業に比べて問題になるのがかなり後になったのは事実。いつ問題になるだろうと対岸の火事のようにのんびり眺めていたら、気が付いたら足元に迫っていたという感覚です。

 こうなってから、慌てて事業再編をしていては遅いので、余裕のあるタイミングで先を見据えて黒字リストラという流れは分かりやすいと思っています。

本社部門への偏り

 黒字リストラを行う前には、不採算事業で働いている人の異動が起こっています。事業部に配属できなくなると本社部門に異動をします。

 この本社部門ですが、頭でっかちの存在として会社からは見られます。本社部門でも特に攻めの部門は、新規事業の開拓という会社の将来を左右する重要な仕事をします。
 多くの人がこの部門に行くことは無理があり、大抵は本社部門の守りの部門に異動します。コンプライアンスや全社の技術管理調整などの仕事。仕事のための仕事となりがちで、意義を見出すために過剰に質を求めようとします。例えば複数の事業で開発スピードや判断速度が全く異なるのに、同じ水準レベルの管理を求めようとしたりします。事業を担当している部門や工場からはこういう本社部門はとても嫌がられます。
 結果、本社固定費が膨らんでいくことになり、競争力を削いでいきます。

 この構造を解決するには、リストラというのが1つの選択肢になってしまいます。

開発能力の限界

 新規事業の開拓をしようにも、どんどん難しくなっていきます。目新しい美味しい事業は誰かがとっくに見つけてしまっていて、新しい事業を探そうにも成果に繋がりません

 質の高い技術者などを多数確保して新たな事業を継続的に探していくことがあるべき姿かもしれませんが、現実には事業を探せません。そのために人を新たに雇おうと例えばDXに特化した社員を募集しても、既存社員との給料差を付けれず採用できなかったり、既存事業に合ったDXをしようとしても事業の理解が追い付かなかったりします。
 技術者の育成をして開発能力を上げるためのコストパフォーマンスが悪いと判断して、既存事業を切り離した方がまだ健全だと判断してもおかしくありません。

人員配置の最適化

 黒字リストラを行う背景には、人員配置の問題が必ずあります。

採用方針が無計画

 リストラでターゲットになる中年以降のベテラン世代。この背景には採用方針の無計画さがあります。

 バブルやリーマンショックなど時代に応じて採用人数を大きく上下させてしまった結果、40歳~50歳などの管理職が多くなってしまいます。プレイヤーとして仕事を継続していたとしても、マネージャーとして仕事をしたとしても、世代の中で人数が多いと「次の行き先」が埋まってしまいます。
 この吸収代として子会社への出向などで対応するとしても限界があり、痛みを伴う黒字リストラの方が健全であると考えてもおかしくありません。

 私の時代は採用人数が少なくて大きな問題にならないだろうと勝手に思っていましたが、定年が延長されていって昇進は遅延し、ポストは増えないので、滞留が続いています。下の世代は見限って退職をしていくので、結局は私の世代も行き先を探す滞留状態へと、気が付いたときには変化していました。

昇進が無計画

 採用が無計画なら昇進も無計画になりがちです。

 例えば課長や部長に昇進するには、異動経験をしたり全体を見れる部署を経験したりと何かしらの条件を内部的に設定している会社は多いでしょう。あくまで内部設定なので個々の従業員が「あと数年で異動で、これまでの経験からきっとあの部署に異動するだろう」と妄想をしていても、現実には違う異動となり、期待を裏切られます。
 何歳になったら昇進だろうという目算も、いつの間にかゴールポストが動かされます。昇進もできず同じ職階で同じ仕事を続けていると、事業構造の変化で対応できる人ではなくなってしまい、リストラ対象。

ローテーションによる専門性の欠如

 採用と昇進が無計画なら、ローテーションも無計画に行われます。

 ローテーションは本来長期目線で行うものですが、短期目線で変な異動を行っている例をよく見かけます。その時々には理由があって仕方ないと言い聞かせて渋々従う人が多いですが、結果的に専門性の無い人を量産してしまいます。

 気が付いたときには不採算部門の縮小を考えることになり、その時には専門性の無い人が優先的にターゲットになりやすいでしょう。会社の中でしか通用しないゼネラリストは、昇進の条件となりやすいものの、昇進できなかったゼネラリストが今度はリストラ対象になりえます。自分ではコントロールできないとはいえ、現実は厳しいです。

1つの会社に長く務めるかどうかは別としても、人員配置やローテーションの考え方は、入社前に確認しておいた方が良いでしょう。しっかり考えて対応してくれる会社もありますが、良く分からない異動に対して場当たり的に対応しているという会社もあります。先の見えない状況で置かれた場所で何とか対応するのが、社会人の実力だという困った人もいるくらいです。

参考

最後に

黒字リストラは「儲かっているのに人を切る」という単純な判断ではありません。
その背景には長年蓄積した構造的な課題があります。

  • 事業縮小
  • 人員過多
  • 本社部門の肥大化
  • 現場とのバランス崩壊

こうした要因が組織の限界を生み、結果として黒字でもリストラを迫られます。企業を見る際は、決算の数字だけではなく、組織構造そのものを注視することが大切です。

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