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運転

三角図から見る爆発危険性|化学工場の基礎

三角図と爆発範囲 運転
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爆発危険性に関する三角図(ternary diagram)について考えます。

機電系エンジニアとしてはほとんど目にする出番がない三角図。

何となく理屈は分かって、窒素置換の重要性が分かればOKです。

プロセスエンジニアがしっかり判断してくれるでしょうが、化学プラントの技術者としては知っておきたい内容です。

三角図(ternary diagram)の読み方

まずは三角図の読み方を解説します。

水素-窒素-空気の3つの気体が混じり合う系を考えます。

これらの3つの気体が任意の割合で混じり、合計が必ず100%であるような場合です。

三角図で表現すると以下のような感じになります。

三角図(ternary diagram)

三角形の頂点に水素-窒素-空気をそれぞれ取ります。

確実に分かる状態

三角図の読み方は実際には多少の混乱を招きます。

読み方に慣れていない私も良く迷います。

こういう時は、確実に分かる状態から整理していきましょう。

頂点を抑える

爆発範囲

分かりやすい位置は三角形の頂点です。

Airが頂点にある位置はAir100%、N2が頂点にある位置は窒素100%です。

当たり前ですね。

同じように水素もH2の頂点が100%になります。

辺をチェック

水素の辺である左側斜辺を見てみましょう。

三角形の辺

ここでは水素の濃度が左下から上に向かって増えることになります。

水素の爆発限界である4%と75%もこの辺に乗ります。

窒素は0%です。

水素の割合が変わる分だけ、空気の量が変わることになります。

窒素とAirを結ぶ三角形の底辺を見てみましょう。

ここではN2100%からAir100%に状態が移っていきます。

ここに、水素は入っていません。

等高線

次に等高線です。

ここが最も勘違いしやすい部分。

等高線

分かりやすく空気の等高線を見てみましょう。

左下が100%であるとして、等高線は上記のように表現できます。

対象としている物質が頂点となるような、合同の三角形で等高線が描かれます。

落ち着いてみると分かるのですが、3つの物質をまとめて見ようとしたときにツイツイ誤解してしまいがち。

とにかくゆっくり考えることが大事ですね。

希釈

三角図では爆発範囲が描かれます。

これは3つの組み合わせ物質によって変わります。

水素-窒素-空気の場合は上記の述べたような形状をしています。

限界酸素濃度

三角図から限界酸素濃度が分かります。

三角図上の爆発範囲には、酸素濃度が少ない領域で爆発範囲に関わらない部分ができます。

限界酸素濃度

爆発範囲の形は物質によってさまざまですが、ある程度の傾向はあります。

化学プラントでは5wt%が1つの指標に使うケースがとても多いです。

この5wt%という数字はいろいろな三角図を見て判断しているものと、解釈すればOKです。

窒素置換の時間や合否判定に使いますね。

希釈

窒素で希釈するという例を見てみましょう。

これは目的としている物質のスタート地点と窒素である右下の頂点を結ぶように、状態が変わっていきます。

希釈の味方

ここで青のような高い水素濃度から窒素で希釈する場合には、爆発範囲に入りません。

一方で、赤のようにもともと爆発範囲に入っている物質を窒素で希釈する場合には、爆発範囲を抜け出すような感じで状態が変わっていきます。

とはいえ、爆発範囲に入る状態で運転すること自体が問題です。

水素を使う反応であれば、以下の条件を守ることが大事になります。

  • 運転開始前に窒素でとにかく置換する
  • 水素は徐々に投入して水素量が多くならないようにする。
  • 空気を入れない

限界酸素濃度を意識して、空気が混入しないように注意すれば、三角図上の右の斜辺での操作になりとても安心です。

かつ、水素の量をコントロールできればもっと安心ですね。

運転の前に取り扱い条件をしっかり認識することはとても大事ですが、それ以上に共通的な原則を守ることが大事です。

とにかく空気を入れないように注意しましょう。

参考

関連記事

三角図はプロセス安全の世界で使います。

さらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

最後に

三角図による爆発範囲の見方を解説しました。

機電系エンジニアにとっては参考程度の知識になります。

窒素置換や空気を入れないようにするのが、三角図上でとても安全な状況を考えていることが分かれば十分でしょう。

安全に対する考え方を知ることは、設計や保全にも役に立つこと間違いなしですね。

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