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配管長さを超ざっくり数えるときのコツ|設備投資・設計・比較に役立つ思考法

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ざっくり 配管
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 配管長さを数えることは、機電系エンジニアなど配管工事に関わる人なら誰もが行う業務です。実際に施工するために必要な配管長さを数えることが、配管長さを数えるときには一見大事に見えます。
 もちろんその通りですが、現場の工事のために以外にも配管長さを数える場合があります。それが、設備投資やプラントの能力を知るためにざっくり配管を数えるときです。

 本記事では、配管長さを超ざっくり数えるときのコツを紹介します。この考え方ができるようになると、エンジニアとしての幅は確実に広がります。

配管を超ざっくり数えるとは

 配管を超ざっくり数えるということを、少し定義しておきましょう。

・40m×20m程度のプラントを普通に歩く速度で移動
・途中で数回は止まって周囲を見回しても良いが、1回あたり10秒程度
・プラントにある配管の本数や距離をおおまかに数える

イメージは、外部の人が工場見学に来てプラントを案内する時です。1プラントあたり15~30分程度でざっと見て回るその間に、配管長さを数えてしまいます。

ざっくり数えることが有効な場面

 配管をざっくり数えることが有効場面はいくつかあります。

設備投資の見積を一瞬で終わらせる

 配管長さをざっくり数えることができれば、設備投資を一瞬で終わらせられるかもしれません。化学工場の設備投資では、設備の設置や更新と付帯である配管の取付をセットで考えます。

 設備の仕様が決まっている・いないに関わらず、配管の見積は必要になります。設備の仕様を決めてから配管の見積もしようと思っても、設備がなかなか決まらずに配管を数えるのが後回しになると、見積全体の時間が掛かってしまいます。
 しっかり配管を数えることをしなければ、設備の仕様が多少変わっても柔軟に対応できるかもしれません。例えば、1FLに設置するタンクが実は1FLと2FLに跨るタンクに仕様が変わったとして、1FLと2FLの周囲配管長さをある程度把握さえしておけば、何度も現場に行く必要が無くなります。設備投資に掛かる時間を短くすることができるでしょう。

プラントの能力をある程度把握する

 配管長さを超ざっくり数えることができれば、プラント能力をある程度把握することができるでしょう。これは、同業他社や他事業所など、仮想的なライバルの工場との比較に役立ちます。

 自身が担当しているプラントは、どれくらいの位置にいるだろうか。工場にずっと務めていて外を見れないと気が付かないです。だからこそ、外を見に行くべきなのですが、良く分からずに他プラントを眺めても「何となく似ている・違う」という部分にしか目が行かないでしょう。

 自プラントは20kmの配管があり、同じような製造をしている他プラントは10kmの配管であった、となるとプラントの能力比較に使えます。投資額が違う、配管長さを下げる工夫を設備面でしている・・・などです。

ポンプなどの設計で使える

 配管長さをざっくり数えることは、設備の設計でも実は役に立ちます。典型例がポンプの圧力損失計算。配管長さを入力する必要がありますが、ここで細かな値を入れても結果はあまり変わらないはずです。

 例えば50mの配管長さを流すポンプであったとして、長さをしっかり数えて51mになっても、誤差は2%です。この誤差が問題になるようなポンプの設計はしないはず。圧力損失計算では相当長はある程度は数や損失の仮定をおくので、厳密な計算は現場レベルでは難しいです。であれば、50mか51mかで悩むくらいなら55mにするなど、図面上でざっくり数えることでも問題ないはずです。

考え方

 配管長さをざっくり数えるには、考え方がいくつかあります。

数え間違いを恐れない

 配管長さをざっくり数えようとしたら、数え間違いを恐れます。これは現場に近い仕事をしている人ほど陥るでしょう。1本1本の配管を緻密に数えることに慣れ過ぎていると、1本の見落としが大変な問題になるからです。

 例えば配管スタンドに並んでいる配管をざっとみて、10本なのか15本なのかというオーダーで「適当に」見ることを恐れないようにしましょう。同じように口径も平均で丸めてしまいましょう。

誰も気が付かない

 配管長さをざっくり数えるとして、これの妥当性を正確に評価できる人はほとんどいません。数え間違いを指摘されることが少ないという意味です。

 数え間違えるとどうしよう・・・と自分で追い込んでしまうかもしれませんが、どうせ気が付かれないから良いや、と割り切れるかどうかが大事です。平均口径が40Aなのか50Aなのか、大きな差ではありません。

保温も材質も何となく

 多くの配管をざっと数えるなら、プラントサイズとそこに並んでいる配管を何となく見て判断することになります。数量が大事なので、保温の有り無しや配管の材質は大きな問題ではありません。

 保温が全体の何割あるか、鉄とステンレスの配管の比率がどれくらいであるか、というのを%ではなく割合の範囲で見れれば十分です。これも数量や口径と同じでよほどのことが無い限り、間違いにはなりません。

 最終的には投資金額に差が出るかどうかが問題なので、不安がありそうなら「保温+鉄はユーティリティだけ残りは全てステンレス」でも良いように思います。

参考

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最後に

配管長さを「ざっくり数える」ことは、精度の低い作業に見えるかもしれません。
しかし、設備投資の見積やプラント能力の比較などでは、このアプローチが大きな効果を発揮します。

  • 数え間違いを恐れない
  • 保温や材質は大枠で捉える
  • 他人が気づかない程度の誤差は割り切る

こうした思考法を取り入れることで、エンジニアとしての仕事の幅が確実に広がります。

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