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配管

P&IDのラインスペックから見えてくるさまざまな情報

P&IDラインスペック 配管
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P&IDのラインスペックについて解説します。

ラインスペックとは、以下のようにP&IDの配管ラインに記載しているスペックのことです。

ラインスペック

明確な共通ルールが存在するわけではありませんが、記載すべき内容はほぼ決まっています。

ラインスペックには配管の情報が非常に多く入っていて、製造方法がかなり分かる表現になっています。

もちろんバッチプラントのように複雑なシステムだと、これだけで作り方を判定するのはお不可能な場合が多いですが、連続プラントだと割と読み取りやすいです。

ラインスペックは略フローから派生する形で作成して、プロセスエンジニアの仕事のように錯覚しますが、機電系エンジニアも理解しておきましょう。

ラインスペックに記載すべきこと

ラインスペックに記載すべきことを整理します。

以下の項目が一般的でしょう。

口径-内容物-材質-保温-ライン番号の順番に書くことが多いと思います。

ライン番号を一番初めに書く主義もあるでしょうけど・・・。

口径

口径はバッチ系化学プラントではA単位で記載します。

A単位はmmとほぼ同じ感覚で使えて直感的です。

A単位は配管の直径そのものをほぼ示しています。

25A→25mm 40A→40mm 50A→50mm

実際の配管直径はA単位の数字より若干大きい値ですが、誤差の範囲。

連続プラントならB単位であることが多いです。これは口径が大きいからですね。

100A→4B 200A→8B 400A→16B

数字の桁が大きくなるのを防ぐための工夫です。

圧力の単位をkPaにするかMPaにするかと同じですね。

配管トレースや二重管の場合もここに書くことが多いでしょう。

Φ12の銅管トレースを50A配管に付けるなら50A/Φ12というような表現をします。

内容物

内容物は会社によって本当に違います。

というのもここには機密情報を含むからです。

内容物が容易に分かった場合、P&IDだけで製品を作ることすら可能です。

情報露営を防ぐためにも略記号で書くことが多いでしょう。

Pプロセス液
W
CW冷却水
BWブライン
HW温水
FW消火水
N窒素
A空気
Gガス
内容物の表記

この辺りが一般的です。

Pのプロセス液は、会社によってはもう少し細かく書くでしょう。書きすぎると製造方法を読み取れるようになってしまいます。

材質

材質も会社によって書き方がまちまち。

一般的な配管材質ならそのまま記載するでしょう。

  • SGP
  • STPG
  • SUS304
  • SUS316L

この辺りはごく普通。

配管のスペックが複数ある場合は特に独自記号を使います。

SGPならSGP1、SGP2などと書くでしょう。

同じ配管材質なのに何を分ける必要があるのでしょうか。

多いのはガスケットが違うという例です。

配管材質が同じでもガスケットを使い分ける場合、ラインスペックで明確に使い分けないとミスが起こります。

使い分ける物の種類が多いと、材質記号も多くなり管理が大変になります。

できるだけ極小化したいところ。

保温

保温もしくは保冷の記載ルールです。

厚み

保温や保冷で大事なスペックは厚み。

厚みだけでは指定ができない場合には、温度も記載します。

t30(80)なら30mmの保温厚みで、内容物の温度が80℃であることを意味します。

個人的には厚みだけで十分だと思っていますが・・・。

種類

断熱には保温と保冷のようにいくつかの種類があります。

厚みだけでは指定できないので、種類を示す記号を付けると良いでしょう。

保温ならH、保冷ならCなどの表記を付けます。

30mmの保温ならH30、30mmの保冷ならC30のような書き方ですね。

ライン番号

ライン番号はP&IDよりも配管図の管理のために記載します。

番号の付け方は割と適当。

少なくともバッチ系化学プラントではP&IDに記載する意味は全くありません。

というのも配管の切り替えや改造が異常に多いから。

ライン番号を順番にとって管理しようとしても、削除追加が多くなって訳が分からないくなります。

  • 配管図がしっかりしていてP&IDとも照合ができる
  • 増改築で配管図を適切にアップデートして保管できる
  • P&IDの変更のたびにライン番号を適切に管理できる

こういう条件が成立する環境であれば、ライン番号をP&IDに書く意味はあります。

プラント建設時はP&IDと配管図の照合のために、ライン番号をP&IDに書く傾向。

でも、その後の運用にはほぼ適しません。

連続プラントなら切替配管もないので採用できるかもしれませんね。

ラインスペックとして表記する内容は多いのに、ライン番号まで取ってしまうと、とても見にくくなるデメリットもあります。

参考

関連記事

P&IDについてさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

最後に

P&IDのラインスペックに記載することをまとめました。

配管に関する仕様のかなりの部分が記載されています。

外部に漏れてしまうと製造方法が分かってしまうくらいの貴重な情報。

書き方をしっかりと理解して図面作成や管理をしたいですね。

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