化学プラントには結構な人が工場見学に来ます。
そこをアテンドする人が居ます。
私も何度か行いましたが、機電系エンジニアはあまり本格的なものを実施することが少ないでしょう。
同じ機電系エンジニアで他部署から来た人を案内するとか、人事などが開催する全体研修の一環で説明者として参加するとか、自分で企画する側というのは多くはないと思います。
実際に工場見学を企画する人がどういう手順で進めているか、説明します。
見学者のニーズを知る
まずは見学者が何を知りたいかニーズを知ることから始まります。
工場見学は1時間程度、長くても2時間とかの範囲内。
大きな工場であれば、全部を見ることはできないので、絞らざるを得ません。
そこで、見学者自身が何を見たいかをヒアリングします。
- 一番新しいプラントを見たい
- 研究や販売などと直接関係ある製造のプラントを見たい
- 最も売れている製品のプラントを見たい
プラント以外にも間接支援系の部門の説明を知りたい、という場合もあるでしょう。
この辺のニーズが意外と出てこなくて、企画者は困ります。
「ご飯何食べたい?」に対する「何でもいい」と言われた時と同じ状態です。
関係者へ説明依頼
ニーズを知ったら、現場に対してはプラントの責任者(課長)へ依頼をします。
一般的な見学コースのようなものを各課で考えるので、その通りなのか特に見たいもの・知りたいものがあるかを調整します(ニーズを聞く段階で行っていた方が良いです)。
その内容(技術)が規制貨物に該当するかどうかもチェックしましょう。
説明のためにパワーポイントなどで資料を作れば、それらもチェックです。大抵は使いまわしをしているはずです。
同じように間接支援系の説明でもチェックします。
説明内容はとにかく無難なものが良いです。
逆に社内で今話題になっている詳細を説明することはありえないでしょう。細かい数字が議題になることもないはず。
それなりに全体像を説明すればとりあえずOKです。
スケジュール表を作って、何時に誰にどこで7何を説明してもらうかということをまとめます。相当地道な調整です。
保護具や移動手段の手配
プラント現場に行く場合は、保護具や移動手段も考えないといけません。
一般的に総務などで準備してもらえる良い会社もあれば、自分たちで使っている保護具から探し出してくるとかプラント現場にお願いに行くとかいうケースもあるでしょう。
参加人数とサイズを聞くという調整が入ります。
広いプラントであれば、車での移動も考慮しないといけません。
社用車があっても、誰かが使っているということもあるので予約システムなどでしっかり確保しましょう。
細かい話になると、車の移動ルートとか待機場所なども考えます。安全のためですね。
状況の都度報告
企画者は当日はアテンドのために、見学者と常に行動します。
次の見学場所の対応社への連絡をするために、電話やメールで状況報告をします。
説明者が内容説明に困った場合には、フォローが必要です。
意外と気を抜けないので、内職として別のメールを見る機会はあまり取れないでしょう。
食事・懇親会の準備
工場見学がある場合、大抵は懇親会がセットです。
前日なのか当日なのか、参加者は場所は・・・と調整が入ります。
部内などの調整とは違って、知らない人との会の場合もあるので、無難な選択肢を選ぶというスキルが求められます。
そこまでの移動手段でタクシーが必要なら、その手配も。
何というか総務の仕事っぽいですが、総務が工場見学の手配をしてくれない場合は結構あると思います。(言えば協力してくれると期待していますが)
昼の食事が必要になる場合もあるでしょう。
弁当で済む場合は良いですが、食堂で食べたいというニーズが意外とあります。
英語の場合は大変
日本語での説明ができる場合は気にしなくても良いですが、英語での説明が求められる場合は、大変です。
全員が全員、英語で話せるわけではないですからね。
通訳をお願いすることになれば、社内の誰かにお願いするとかいう調整がさらに入ります。
英語が得意ではないけど、強引に英語で資料を作って説明してもらう、という方針を出す場合もあるでしょう。
一応、英語の練習にはなりますからね。
参考
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最後に
化学プラント内の工場見学は調整だらけです。
見学者のニーズを知り、どこのプラントを案内するか考えます。
課長にお願いしたり間接支援系の職場にも依頼します。
保護具や移動手段の確保も必要。
懇親会も必要になるかも知れませんね。
英語が必須の場合は、さらにハードルが上がります。
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