化学工場の土木建築設計に必要な”機器荷重”データの計算方法 外部委託・図面・空重量・密度

荷重データ土建設計

この記事では、土建設計に必要な”機器荷重”データの取得方法を説明します。

化学工場の建築プロジェクトコンカレントに進めるためには、土建の設計土建の工事を最短にする努力をすべきです。

土建はいろいろな意味で曲者。

最低限、機器の荷重データがあれば土建の設計を進めることができ、機械設計者が最初に取り組むべき設計事項が機器の荷重データです。

このデータを取得するためには、機器の設計が完了してメーカーの図面が無いとダメって思いこんで日常的に業務をしている人は多いです。

そんなことはありませんよ。というのが今回のテーマです。

ちょっとした勇気と考え方の転換で、切り抜けることができますよ。

テコの原理のイラスト1

王道パターン

機器の荷重データを取得する王道パターンは、メーカーに計算してもらうことです。

新規設備の場合は、早い段階で概算重量を聞きましょう。

外形情報も持っておいた方が良いです。

ユーザーがちゃんと見積仕様で提示していたら、メーカーは対応します。

発注から設計まで時間が掛かるときでも、遠慮なく聞いたらOK。

土建設計上の荷重データを先にください、そうしないとプロジェクトが過剰に遅延します。

こんな感じでいえば良いでしょう。

メーカーは自社製品の概算重量の情報はちゃんと持っていますからね。

製缶機器なら材料重量を積み上げて計算してくれます。

変則パターン

王道パターンから機転を利かせた変則パターンとして、類似設備の活用があります。

完全に新規の設備を導入する機会がほぼ無くなった現在では、新たなプロジェクトと言えども既存の設備の情報が活用できます。

他に検討設計することが多いから「後回し」なんてやらないで、ちゃんと目を向けてあげましょう。

結果的に全体がスムーズに進みますよ。

既存設備の図面を調べて、全体重量欄の数値を引用して来るだけ。

同一サイズや形状のものが無くても、近い形状から類推はできます。

0.1tonのオーダーで設備重量が振れたとしても、土建設計上は全く問題ありません。

特にバッチプラントのエンジニアの中には、設備の重量が0.1ton単位で分かっていないと土建設計資料が作れない、なんて悩む人がいます。

どのオーダーで情報が必要かなんて土建エンジニアに一言聞けば解決するのですけどね。

そんな情報共有すらしていないエンジニアが多いということです。

自力パターン

類似設備がなかったりして困っている場合には、自分の手を動かす自力パターンがあります。

これは一部の製缶機器に限定されるでしょう。

重量データの計算の基本ですが、オーナーエンジニアとしては超例外の位置づけになります。

裸重量を計算する

まずは裸重量を計算しましょう。

タンクの裸重量
  • 鏡のサイズ・板厚
  • 胴板のサイズ・板厚
  • その他(ノズル・脚)

最低限の計算として、鏡と胴の計算をしましょう。

機器の寸法と圧力容器の簡易強度計算をすればOKです。

ノズルや脚は最悪適当に上乗せすればOKです。

頑張ればある程度の計算は可能です。ここは時間との問題ですね。

多管式熱交換器の裸重量
  • 鏡のサイズ・板厚
  • 胴板のサイズ・板厚
  • チューブのサイズ・長さ・本数

多管式熱交換器の場合も基本的な考えは同じですが、チューブが必要になります。

脚やブラケットについては適当でも大きな問題にはならないでしょう。

というのもサイズが小さくて、重量が小さいことが分かりきっているからです。

プロセスエンジニアに液密度を確認する

機器の裸重量が分かれば、液密度を確認します。

化学工場の場合、よほどのことがない限りは液密度は1000kg/m3(比重1.0)で考えればいいです。

1.0ではない液と言えば、硫酸・硝酸・塩酸などの主要な酸系液体や、苛性ソーダ・亜硫酸ソーダなどの主要なアルカリ液体くらいです。

判断できそうになければプロセスエンジニアに確認しましょう。

基本的な情報なのですぐに提示してくれますよ。

それ以外の液体であれば、プロセスエンジニアも気を使って適切な情報を事前に提供してくれるでしょう。

四則計算をする

機器重量と液密度があれば後は単純な四則計算をするだけです。

裸重量+機器容量×液密度

これだけ。

超簡単ですよね。

基本設計が始まるかどうか機器の詳細設計を始めれるか微妙な段階でも、略フローはある程度は固まっているはずです。

機器のサイズが分かっているので、機器重量機器容量も分かります。

液密度も略フローが決まっているとほぼ決まります。

この段階で、土建設計に必要な荷重情報は確定できますね。

機器の詳細設計をして、メーカーに見積を取って、発注先を決めて、図面を作ってもらって・・・ようやく決定。

っていうプロセスをしていたら、土建設計は数か月以上のオーダーで遅れていきますね。注意。

最後に

土建設計に必要な機器荷重データの取得方法を解説しました。

類似設備の図面を調べる・メーカーに概算重量を確認する・プロセスエンジニアに液密度を確認する・簡単な計算をする。

簡単なことばかりですが実践している人は少ないです。

その結果、設計工期が長くなりプロジェクト工期が長くなって、上市が遅れると。

切ないですね。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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