海外出向は多くの化学プラントのエンジニアにとってキャリアの大きな節目ですが、誰もが選ばれるわけではありません。実際に海外出向を経験した私の視点から、出向者に共通する特徴や選ばれやすい理由を整理しました。
この記事では、化学プラントでの海外出向に選ばれる人とそうでない人の違いについて詳しく解説します。特定の会社の特定の出向先のケースなので、独断と偏見しかありませんが、特徴を7つまとめて見ました。
極めてシンプルに言うと「運」の一言で終わってしまいますが、一応それなりに傾向があります。
出向先の事情
そこに仕事がある
出向するからには、そこに仕事が無いといけません。
化学プラントの機電系エンジニアなら、建設プロジェクトがあるかどうかだけで、ほぼ決まります。
化工系エンジニアなら出向先の会社の運営を任されるため、定期的に異動があり出向の候補となりえますが、機電系エンジニアは仕事の有無で決まってしまいます。
機電系エンジニアでも製造などの経験があり、社内でのスキルとして汎用性が高い場合は、管理者として出向の候補になるでしょう。
この道を目指すためには、機電系エンジニアだけのキャリアだと非常に不利です。
出向先上司に顔を知られている
出向先に上司が居て、その人に顔を知られているということは非常に大きいです。
よほどのことがない限り、必須条件になります。
単に同じ事業所に居たとか、何かの発表会で一緒だったとか、理由は様々。
何も知らない人を出向候補として提案されたときに、受入側はとても困ってしまいます。
どんな人か分からず、仕事の進め方を知ったり、その人の癖を知ったり、メンタル面の問題がないか調べたり。。。
余計な手間が増えます。
その上司と昔一緒に仕事をした
出向受け入れ先の人が、昔一緒に仕事をしたことがあるということは、強力な理由となります。
俗にいう「引っ張られる」というものですね。
その人の人となりを知っていると、良いところ悪いところ含めて余計な心配をしなくていいからです。
顔を知られているというよりも遥かにプラス要素となります。
出向者の条件
仕事ができる
仕事ができるという噂は出向者として選ばれやすくなります。
たとえ一緒に仕事をした関係でなくて、知らない人であっても、「仕事ができる」という評判は強力な理由です。
もちろん、一緒に仕事をした関係であれば、さらに大きな理由になるでしょう。
私もこの条件に当てはまっていたと思います。
健康に問題がない
健康に問題がないというのは、出向の大きな理由になります。
必須条件ではないのですが、かなり考慮されます。
というのも例えば、太っている人や飲酒喫煙をする人は、出向中に何かしらの健康問題に直面する可能性が捨てきれないからです。
仕事をしに出向しているはずなのに、健康問題で仕事ができない。
かといって代わりをすぐに手配できるわけでもない。
もともと出向というからには、人数が限られていて、1人で多くの分野の仕事をしないといけません。
そこで純粋-1というのはとても大きなダメージです。
休んでしまった場合に、他の人が病院に連れて行ったりプライベートのフォローもしないといけません。
健康第一ですね。
同じ場所に滞留している
同じ場所に滞留している人は、出向先の要件を満たしやすくなります。
逆に言うと、異動した後すぐは出向に選ばれにくいです。
異動先が決まっていないけど滞留時間が長く、それなら出向でも・・・という思考が働きます。
上の条件を満たしたうえで、追い出す側も希望していたという形になるでしょう。
win-winの関係ですね。
その他の条件
他に候補がいなかった
出向者として選ばれる理由に、他に候補者がいなかったという理由がありえます。
これは候補者がもともと少ない機電系エンジニアには、非常に当てはまりやすいです。
化工系でもありえます。これは運と言われるかもしれませんね。
最終的には運であっても、努力でつかみ取れる要素もあるので、諦めないようにしたいですね。
参考
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最後に
化学プラントでの海外出向は、単なる実力や希望だけで決まるものではありません。出向先の仕事の有無、上司との関係性、健康状態、勤務地の滞留期間など複数の条件が絡み合っています。これらを理解し、日頃の仕事と健康管理に努めることが、出向のチャンスをつかむポイントです。選ばれるかどうかは最後には「運」も左右しますが、準備を怠らないことが何より大切です。
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