ボイラー技士(boiler)の資格を取得して良かったことをまとめました。
化学プラントでは当たり前のようにスチームを使っていて、ボイラーを保有しているケースも多いでしょう。
設備関係の仕事をしていたら、少なくともボイラー2級は取得しておく方が良さそうです。
でも、緊急度的にはかなり緩く余裕があれば受験するという感度で良いと思います。
弊部だけに限定された話かもしれませんけど・・・。
法的な制約のため必須
ボイラー技士を取得して良かったことの1つに、法的に必要だからということが挙げられます。
一定規模以上のボイラーを運転するために必要です。
でも、法的な制約をシビアに感じることは少ないでしょう。
多くの人がボイラー技士の資格を取得するからです。
資格としては決して難しくないのがボイラー技士。
キャリアアップや人事評価のために、とりあえず取っておこうという人も多いです。
生産技術の設備管理者としてはあまり必要がないかもしれませんが、急に設備技術に異動すると取得しないといけない場合もあります。
それでも慌てて受験するというほどではないでしょう。
ユーティリティ設備の勉強
化学プラントのエンジニア的には、自工場のユーティリティ設備の勉強という意味で役経ちます。
ボイラー技士の資格をしながら、会社の設備を詳しくなるという意味でお得。
化学系の設備管理者の場合、プロセスプラントの担当をずっと行ってボイラーは担当しないという場合がありえます。
私も10年以上の化学会社勤務でボイラーの担当をしたことは、一度もありません。
ボイラーを知らなくても、スチームを使ううえで供給元の条件や生成方法を理解しておくことは大きな意味があります。
新プラント建設クラスになると、スチーム配管からユーティリティの枝取りが必要となって、ボイラー担当者と協議する場面もありあす。
スチームは気体と液体の相変化がある身近な物質です。
蒸留や凝縮という操作で有機溶媒なども相変化をしますが、登場する頻度としてはスチームが圧倒的。
設備は配管を考える上でも、相変化を考慮しないといけない点は特殊です。
スチームの特性を知る上でも、ボイラー技士の勉強は基礎から学べる点が有用です。
他に相変化がある物質として有名なのが冷凍機の冷媒です。
冷凍機にだけ限定されているので目立ちませんし、オーナーエンジニアが設備的に何かをできるわけではないので、相変化という意味で気にする人はあまり居ないでしょう。
設備メーカーに足元を見られない
ボイラー技士の資格を取得しておくと、設備メーカーに足元を見られにくくなります。
ボイラー設備の更新や補修の時に、役に立つかもしれませんね。
頻度的にはとても少ないですが、あっても損はしません。
でも、設備メーカーと議論して、資格があった方が良いというような緊急的な問題はそうは起きません。
例えばトラブルが起きたときでも、すぐに工場の稼働を止めないで済むような強固な設計をします。
具体的には台数制御。
ボイラーは大きな能力を1台で保有しておくよりも、台数制御が利くように複数台を持っておく方が安定的な運転ができます。
台数制御がちゃんと機能していると、1台が壊れたかといって慌てることなく補修が可能。
設備メーカーと緊急的な議論をするということが起こらなくなります。
設備の運転の一般論を学習できる
ボイラー技士の資格は、設備の運転の一般論を学習する意味で役に立ちます。
高圧ガスや消防設備士でも同じように設備の運転に関する勉強ができます。
- ポンプ、熱交換器などの基本設備の構造
- 計器による運転監視の基礎
- 安全弁・減圧弁の考え方
- 起動停止の考え方
各資格でそれぞれ固有の知識もありますが共通している項目もあります。
取得する資格を増やすほど、このことに気が付きます。
運転をしたことのない設備管理者でも、運転で大事な基礎の部分に触れることは一定の意味があります。
でも、入社してすぐに学ぶという必要性はありませんね。
高圧ガスなど他の資格の方が優先されます。
余裕が出たときに取得しようとして勉強して、「前に習ったことがある!」という感覚を得られれば十分でしょう。
設備管理者的には安全弁や減圧弁は、ここでマスターしておくと良いでしょう。
プロセス設備でもたびたび登場します。
参考
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最後に
化学プラントの機電系エンジニア向けにボイラー技士の資格を取得して良かったことを4つ解説しました。
法的な制約、ユーティリティとしてのスチームの勉強、設備メーカーに足元を見られない、設備の運転の一般論を知れる。
化学工場的には取得している人が多く、緊急性は少ないでしょう。
機電系エンジニアとしては他の資格を先に取得して、余裕が出れば受験すれば良いと思います。
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