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配管

囲われた空間に通す配管の設計上の注意点

空間内の配管 配管
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プラントの配管設計は、思想の固まりと呼ばれるくらい様々な設計ポイントがあります。

この中でも壁や屋根で囲われた空間内に配管を通す場合には、特別な注意点があります。

単に部屋の内にあるか外にあるかだけの違いに見えて、考える内容やその深さが異なります。

ここに書いてある内容を網羅すると、安全性を高めることができるでしょう。

配管の位置の注意点

漏れにくい配管構造にする

囲われた空間内に配管を通すときは、漏れにくい構造にすることが大原則です。

これは、安全上の配慮。

燃えやすい危険物や人体に有害な毒性の物質を通す配管から漏れがあった時は、人間に悪影響を与えます。

囲われた空間内で漏れがあったら、基本的には危ない方向です。

そのために、配管は漏れにくい構造が求められます。

  • ねじ込み継手は使わない
  • フランジ継手すら使わず溶接継手を使う
  • 腐食しにくい材質にする
  • 溜まりにくい構造にする

プラント内部のどこでも同じ思想に統一することが好ましいですが、囲われた空間内ではその質をさらに上げるようにしましょう。

設計者も現場をチェックする時は、囲われた空間内を優先しましょう。

後でやり直そうにも、多くの手間がかかってしまいます。

配管内容物が水だから安心、というわけでもないので気を付けましょう。

漏れても発見しやすい仕組みを作る

漏れにくい構造にしようとしても限界があります。

ここで漏れても発見しやすい仕組みにしましょう。

部屋の天井裏に配管を通してしまったら、漏れに気が付きにくくなります。発見が遅れます。

そもそも天井裏を設けない方が無難ですが、設ける場合でも配管は通さなかったり、配管を点検できるようなスペースを作りましょう。

配管を設備の上に通してしまったら、発見が遅れる可能性があります。

通路など人の目につきやすい位置の上部に配管を通すことで、早期に漏れの発見ができるかも知れません。是非とも検討しましょう。

配管が点検や交換をしやすい位置に付けることも心掛けましょう。

床から2.5m程度の高さに抑えることが好ましく、これ以上高いと点検に不利です。

漏れても被液しない位置に取り付ける

配管から液が漏れて、人に影響が出たら元も子もありません。

人ができるだけ接触しないような、配管ルートを決めましょう。

通路上に配管を置くと、人との接触の意味で相反するように見えますが、ここでは扱いが違います。

例えば仕込やサンプリングなどの、現場で行う作業の上に配管を通さないようにしましょう。

こういう作業をしている時に、上部の配管から漏れがあっても気が付きにくく、逃げにくいです。

マンホールの上に配管を通さないようにするのは、単にマンホール内に入るためだけでなくて、安全上の問題もありますね。

部屋の注意点

囲われた空間内に配管を通す場合は、漏れたときの対応を定義しておきましょう。

2パターン考えられます。

漏れても溜まらない構造にする

配管から液が漏れても、空間内に溜まらない構造にします。

室内にいる人や室内に入ろうとする人を守る思想です。

  • 床に傾斜を付ける
  • 全周に排水溝を付ける
  • 換気扇を付ける
  • 自動検知器を付ける
  • 散水設備を設ける

どこまで設置するかは、配管内容物の危険性に寄ります。

床の傾斜・排水溝・換気扇は、囲われている空間に貯めないことを優先するなら基本的に必須と考えましょう。

漏れても外部に拡散しない構造にする

外部に漏れないような構造にする思想もあります。

これは、室外に居る人を守るため。

特に危険性の高い液体やガスは、この思想になります。

  • 気密性の高い部屋にする
  • 避難槽を設ける
  • 発生したガスや液は一か所に集め、処理できるようにする

危険性の高い薬液を扱う場合、漏れが起きたら回避するためのタンクを設けたり、漏れた液体の処理設備が追加で必要になります。

室内で作業をしている人は、漏れたときに助からないことになるので、エアーラインスーツなどの強力な保護具を付けます。

この場合は、自動検知器や外部への通報装置など、もっと大掛かりな設備が必要です。

保護具の装着や緊急時の訓練など、ソフト面での対策も求められるでしょう。

異物にならない材質

配管は異物にならない材質にしましょう。

鉄は錆びるので、できるだけ避けましょう。

囲われた空間というのは、大抵の場合は異物を嫌います。

雨風を凌いで作業をしたいから、囲うというのが基本だからです。

SGPなど鉄の配管は、使っているうちに錆びます。錆が異物になります。塗装をしても塗装が剥がれて異物になります。

水の配管であっても、ステンレス配管にするなど手厚い対策が好ましいです。

グラスライニング配管などはガスケットやボルトナットが多くなるので、異物となりやすいです。できるだけ避けましょう。このためだけに、ハステロイ配管を選ぶことも考えられます。

参考

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最後に

壁や屋根で囲われた空間に配管を通す場合は、設計上特別に考えることがあります。

漏れにくい構造にして、漏れても発見しやすくし、被液しないようにもする。

漏れたときに拡散させるか封じ込めるかという部屋の思想も大事です。

異物にならない材質を選びましょう。

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