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フッ素樹脂ライニング製マグネットポンプのメーカー比較:設計と保全で選ぶ最適解とは?

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 腐食性のある液体を扱う化学プラントでは、フッ素樹脂ライニング製のマグネットポンプが定番です。金属性の耐食ポンプよりも安価かつ高耐食性を誇り、特にバッチプラントではその有用性が高く評価されています。
 しかし一口に「フッ素樹脂ライニング製ポンプ」といっても、メーカーによって特性や使い勝手には大きな差があります。

 本記事では、現場で実際に使用されている主要4社の製品について、設計目線と保全目線の両方から比較し、どのような場面でどのメーカーを選ぶべきかを解説します。

イワキ

フッ素樹脂ライニング製と言えば、個人的に一番はイワキです。

ケミカルポンプと流体制御機器のイワキ [製品サイト]
株式会社イワキはケミカルポンプと流体制御機器を開発・販売しています。永年の経験と実績に基づいたきめ細かな品揃えで、あらゆる産業分野のニーズにお応えします。

製品を開発しようとする姿勢がある。

ここが最も気に入っている部分です。

  • 耐食性材料の種類
  • 空運転対策が豊富

色々新しいことにチャレンジしているイワキは、とても印象が良いです。

その代わり保全からの印象はあまりよくありません。

型式がすぐに変わって、交換コストが掛かる。

大量購入をしてメンテナンスを長期間実施していこうとしたときには、新しいものに交換してくださいと連絡。

プロジェクトなど新規に設置する時には全く気にしないことですが、とても重要な問題です。

とはいえ、近年は技術も落ち着いてきた感があります。

セイコー化工機

セイコー化工機は耐食性設備を多く扱っています。

ポンプもその中の1つ。

ケミカルポンプと流体制御機器のイワキ [製品サイト]
株式会社イワキはケミカルポンプと流体制御機器を開発・販売しています。永年の経験と実績に基づいたきめ細かな品揃えで、あらゆる産業分野のニーズにお応えします。

この会社の製品だけで、プラントを構成するなんて楽しそうですね。

セイコー化工機は私の中では二番手という位置づけです。

というのも、イワキの方が若干性能が良いから。

空運転はイワキの方が性能が良いと思っています。

特定の用途向けの新設プラントのポンプなら、この問題に直面することでしょう。

スラリー系の取り扱いが多そうなプラントであればイワキ、そうでなければセイコー化工機も候補。

これくらいの認識で考えています。

もちろん、スラリー系があるプラントでもセイコー化工機が多いという場合には、無理してイワキに揃えることはなくセイコー化工機にした方が良いと思います。

逆に1つのプラントの構成だけを考えずに、複数のプラント間でのバランスを考えないといけない工場もあるでしょう。

ケースバイケースとなりやすいです。

ワールドケミカル

ワールドケミカルもフッ素樹脂ライニング性ポンプとして有名です。

薬液移送のワールドケミカル | ケミカルポンプ&オイルスキマー(浮上油/浮遊物回収装置)
ケミカルポンプとオイルスキマー(浮上油回収分離装置)ならお任せください

私はあまり使ったことがありません。

性能は悪くないと思います。

プロセス系として扱うにはやや弱い面がありますが、それでも使えると思います。

既存プラントで他社製を多く扱っているから、という理由が最も大きいかもしれません。

逆に既存プラントでワールドケミカル製が揃っているなら、あえて別のメーカーに切り替える必要もないと思います。

日本工装

残念ながら2013年には製造中止、2020年には部品供給停止となっています。

日本工装株式会社 | オートメーションシステムの総合メーカー。コントロールバルブ、駆動部、ポジショナーから、圧力スイッチ、ケミカルポンプ、コントロールシステムまで
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このポンプ、実は非常に良いポンプでした。

特に保全に大好評。

簡単に言うと分かりやすいのがメリット。

  • 部品点数が少ない
  • 型式が少ない

若い時には新技術をいろいろ調べるのですが、それなりに年を重ねると最適解を見つけようとします。

プラント運転のように、30年40年を扱う設備では、この考え方が特に大事。

私も若い時にはこの会社の製品を良く考えなかったのですが、今となってはもったいないことをしたと思っています。

長く使うことを考える

フッ素樹脂ライニング製ポンプで大事なことは、保全だと思っています。

プロセス系で多く扱う場合には、機種の統一をしてメンテナンスコストを下げましょう。

ポンプでトラブルが起きるときに、フッ素樹脂ライニングが問題となるケースは確かにあります。

問題となる数が少ない場合は、そのプロセスに合っていなかったというだけ。

他のメーカーとは違う特殊なポンプという位置づけにすると良いでしょう。

逆に問題となる数が多い場合には、メーカーそのものを切り替えることを考えましょう。

参考

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最後に

 フッ素樹脂ライニング製のマグネットポンプは、コスト・耐食性・保全性のバランスが求められる製品です。イワキ・セイコー化工機・ワールドケミカル、それぞれに特長があり、使用条件やプラントの構成によって最適な選択肢は変わってきます。

 特に長期運用を見据えるなら、設計段階での選定がその後の保全コストを大きく左右するため、慎重な判断が必要です。現場での使用実績や保全のしやすさも加味しつつ、「最適解」は常にケースバイケースであることを忘れないようにしましょう。

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