化学プラントに技術系として配属される部署と、その後のローテーションのパターンを解説します。
ざっくり化学系と機電系という仕分けで、新入社員の配属から昇進のパターンを見ていきましょう。
どちらも工場勤務の可能性が非常に高いですが、化学系の方が選択肢が多くいろいろな仕事や職場で活躍できる機会があります。
機電系エンジニアは、職場が非常に限定的です。昇進もある程度は保証されますが、限界は速いです。
それでも大企業の課長以上になれば相当のものです。
機電系エンジニアで学歴に不利を感じる人は、化学プラントは1つの選択肢になるでしょう。
化学系入社時の配属
化学系出身者で技術系として工場に配属される場合、以下のパターンが多いです。
- プロセス開発
- 実験
- 製造技術
- 設備管理
プロセス開発と実験が多いです。
製造技術に入社時に配属されるケースはかなり少ないでしょう。
プロセス開発なのか実験なのかはバックグランドを多少は考慮されていそうです。
設備管理(設備設計)に配属されるパターンは、相当少ないはずです。
会社によっては一定数あるらしいですが。
入社段階で設備管理や生産管理という、管理部門に配属されることは普通はありません。
化学系転換期
配属先の職場で一定年数を経験したら、異動をします。
平均して3~5年くらいです。
担当プラントを変えるといった異動もありますが、部署を変える異動も起こりえます。
生産技術内での異動が典型例ですが、ここで製造技術側に異動するケースが出てきます。
これは端的に言うと見込みがあると思われているパターンです。
打たれ強く・性格的に明るく・思考力や判断力もある
こういう人が選ばれやすいです。
製造業の工場に配属されている製造にできるだけ近い部署で経験することは、キャリア上とても有利です。
候補者が複数いる場合は、優秀な人から製造技術に割り当てようとするでしょう。
性格的に向かないけど実力はあるという人は、生産技術側でエキスパートになる道をたどるでしょう。
それでもどこかのタイミングで製造技術への異動が待っています。
30も中ほどになって経験を積んでから、製造技術に異動すると辛いですよ。
別ルートとして本社や研究所というルートもありますが、この時期ならあまりいいコースでは無いでしょう。
製造管理というハードル
製造技術に配属された人のうち、一定の人は製造管理の道に進みます。
いわゆる製造ラインの管理です。
製造課長や製造主任という肩書きが付きます。
超大変です。
だからこそ、製造技術の部署にいるときに、その人が製造管理が務まるかどうかの審査がこっそり行われています。
2~3年経験して問題なさそうであれば、製造管理側への道が開けます。
製造管理者になった後の判定は意外と難しいです。
- 製造管理をトラブルなく担当して卒業できた場合、以降の選択肢は相当広がります。
- 製造管理者として問題があって留年という判断をされた場合、生産技術などの職場に戻ることが多いでしょう。
製造管理者として合格だったか不合格だったか、外目には分かりにくいです。
異動先がどこでもあってもおかしくないからです。
工場だけでなく本社や研究所という場合もあります。
50歳を越えたあたりで子会社に出向することで、やっと気が付くことも多々あります。
工場幹部
製造管理を経験してその他の部署を経験した後は、生産管理の道が待っています。
生産管理に関わると、工場全体を広い目で見ることになります。
ここの経験を積めば、工場幹部等のさらなる高見に昇ります。
競争相手はほぼ居なくなるので、年を取れば自動的に上がるエスカレーターのような感じです。
機電系
さてここまで、化学系のコースを数パターン見てきましたが、機電系はどうでしょうか?
実は、非常にルートが狭いです。
- 機械なら機械をずっと
- 電気なら電気をずっと
- 計装なら計装をずっと
課長や担当者として同じ部署で定年まで勤めることが非常に多いです。
少数精鋭ですからね。
部署を異動するほどの戦力の余裕はありません。
化学系の部署とメンバーを交代する余裕もありません。専門分野的にも厳しいでしょう。
機械から電気や計装(またはその逆)という配置転換ですら難しいです。ただしゼロではありません。
いわゆる専門家となります。だからこそ視野は狭くなりがちです。
化学プラントの機電系を目指すということは、専門家の道を進むということ。
化学系との比較をすると顕著です。
それが良いかどうかは人に依ります。
入社する前に自身の適性を見極められる人はほぼ居ないでしょうから、慎重に検討してください。
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最後に
化学プラントの技術系として配属された人がどういうコースをたどるのか数パターン紹介しました。
化学系なら、生産技術系の職場に入り、製造技術→製造管理→生産管理→工場幹部と進むコースが王道です。
機電系なら、生産技術で一生を終える人も少なくありません。
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