P&IDを書くときに一枚に収まらない!
よくあることです。
複数の紙面に分けざるをえないでしょう。
どうやって情報を分割するかには、流儀があります。
会社によってルールは違いますし、バッチや連続の方式だけでも違ったりします。
個人的には一枚に集約しない方が見やすいと思っていますので、できるだけ分割するのを好みます。
今回もThe Engineering ToolboxのP&ID Templateを使いました。
全体を分割
分割するときの原則は、全体を分割することです。
一枚のP&IDを分かりやすい部分で分割する方法です。
例えば以下のようなP&IDで、紙面いっぱいであったと仮定しましょう。
これを2つの紙面に分割します。
例えば、以下のような感じになるでしょう。
図面番号がS-0001とS-0002という2つに区別します。
それぞれに繋がる配管は、図面番号を明記しましょう。
2つの紙面で複数のラインが接続される場合は、接続番号を付けて図面上の接続認識を間違えないようにしましょう。
ラインスペックを書くのでダブルチェックも可能ですが、人間がやることには間違いがあると思いましょう。
接続番号をどうやって表記するかは、いくつかの方法があります。
- 個々のページに対して1から連番を取る(今回の例)
- ライン番号で指定する
- 紙面の番地を定めて、個々のページの番地で指定する
要は異なる複数の紙面の接続が分かれば良いので、分かれば良いでしょう。
連番は分かりやすいように見えますが、重複しやすいというデメリットもあります。
ユーティリティを分割
プロセスとユーティリティを分割するという考えです。
ほとんどの場合、ある程度は分割ができているでしょう。
上の例も、分割を意識した表現です。
しかし、例えば以下のような書き方をしている場合があります。
CW(冷水)とHW(温水)の配管やバルブまで書いている例です。
これくらいなら大したことないだろう・・・って思っていても、塵も積もれば結構邪魔になります。
この線一本消せれば、簡単に線が書けるのに。
こういう悔しい思いをすることは、ままあります。
そういう場合には、最初に取り上げた例のようにユーティリティをバッサリ切ってしまっても良いでしょう。
その代わりにラインスペックはちゃんと書きましょう。
熱交換器であればCWなのかHWなのかは、間違えないように表記しておきます。
ユーティリティはそれぞれの用役をまとめてP&IDを作ると良いでしょう。
UFD(Utility Flow Diagram)と呼んだりします。
このようにCWであれば、メインの循環ラインがあって、それぞれの設備への枝分かれ配管と合流配管を書きます。
接続先のページ番号と設備番号を書けば分かるでしょう。
トレース配管も同じような感じで書くことになりますが、接続番号などで区別することになります。
切替ステーション化
これはあまり効果のないことですが、切替ステーション化をすることで表記が楽になる可能性があります。
この例のように、3枚のページでそれぞれ接続がされているとしましょう。
これを最初の例のようにページ上で接続先を表記することが可能なのは、切替の数が少ないという前提が付きます。
これが50程度もあれば相当複雑になります。
切替間違いを防ぐためにも、切替ステーションを作るでしょう。
P&IDでもまずは切替ステーションに接続します。
切替ステーション上で記号などで区別をして、テーブルを作ります。
A製品ではAの組み合わせ、B製品ではBの組み合わせ・・・という感じです。
切替ステーションの考え方は各社で相当違うでしょう。
個人的にはバッチの場合は、グラスライニング配管で一律統一するという思い切りが無いと不可能だと思っています。
中途半端にステンレスの配管をステーションに組み込んでしまうと、使いたいときに使えないケースが出てもどかしくなります。
参考
関連記事
P&IDについてさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
最後に
P&IDが一枚に書けなくなった時のコツを紹介しました。
全体を分割・プロセスとユーティリティを分割・配管のステーション化
会社によるルールやバッチ・連続のマナーなどによって考え方が違うでしょうが、個人的には一枚に集約させすぎないことをP&IDでは重視します。
逆に略フローは一枚に集約すべきと思っています。
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