フレキシブルコンテナをプラント現場まで運ぶ方法を考えます。
化学プラントでもフレキシブルコンテナは、非常に多く使います。
ペレットや粉体などさまざま。
フレキシブルコンテナは100kgを越える大重量で、人手ではとても運ぶことはできません。
実際の設備までフレキシブルコンテナを運搬する方法も、大きく3パターンあります。
プラント建設時にしっかり考えておきましょう。
直接吊り上げ
1つ目の方法は直接吊り上げる方法です。
フレキシブルコンテナを装置に投入するためには、装置よりも高い位置に吊り上げないといけません。
吊り上げるためには、ホイストクレーンを使うのが一般的です。
上下の運搬と直線一方向の運搬ができるため、重宝します。
プラント内にある装置に、外からフレキシブルコンテナを運搬するためには、どうしても上図のような構造になります。
- 費用は安い
- 安全対策が必要
- 場所を選ぶ
安い
最小限の設備で構成できるので、安いです。
この理由で、直接吊り上げは最も採用されているでしょう。
安全対策
フレキシブルコンテナを建屋の中に入れるために、外部と開放される部分ができます。
これは、転落墜落の可能性が出てきます。
手すりを付けているとはいえ、作業時には上階から地面を覗き込むような姿勢を取ったりして、結構危ない作業です。
設置高さが低い場合には、手すりも低くせざるを得ず、開閉扉で対応するなどより危険な方向になります。
安全帯を設置できる環境が必要になるでしょう。
これもアナログな対応になるので、もう少しインターロックを利かせられる仕組みが欲しい所です。
大抵は場所が狭くて、そういう対応ができないと言われてしまいます。
場所を選ぶ
粉体を使用する設備が1か所で決まっていればプラント建設時に設計できますが、後で改造するとなると途端に難しくなります。
この方法では、プラント周囲に吊り上げをする場所を設定しないといけません。
粉体を取り扱う設備が多い場合、その周囲に吊り上げ場所が必要となると、他の設備を置くことができなくなります。
これはイニシャルコストを上げる方向となり、投資の面で嫌われます。
エレベータで間接運搬
直接運搬があれば、間接運搬もあります。
エレベータなどで外部から上階まで上げて、装置の近くまで運搬してから、ホイストクレーンで吊ります。
この方法は、直接運搬とメリット・デメリットが逆転します。
転落墜落の危険性はグッと下がります。
エレベータが必要な分だけコストは上がります。
また、建屋内を横引き運搬するために、パレッターなどが必要です。
人力で運搬するため、危険性が残ります。
化学プラントの場合、電力を使おうとしても防爆が必要となるので、どうしても手動のパレッターを使わざるを得ません。
床面への液溜まりを防ぐために床が傾いているので、運びにくいです。
人力で運ばないといけないので危ない
この方法は、フレキシブルコンテナを使用する装置が複数あったり、改造などで増設する可能性がある場合に重宝します。
気流輸送は要注意
フレキシブルコンテナを装置まで運ぶ方法として、気流輸送という方法があります。
フレキシブルコンテナ自体を直接運ぶのではなく、その中身だけを装置に運ぶという方法です。
空気や窒素などの力を使って運びます。
気体の力で押し出す加圧側と、吸引する減圧側の2パターンがあります。
いずれの場合も、送り速度が低かったり、送る間に詰まってしまう問題があります。
空気を使うと静電気着火のリスクもありますし、窒素を使うと窒息のリスクもあります。
この装置でもホイスト自体は必要になるので、直接運搬より追加装置が必要になる分だけコストが上がります。
新しい技術で、過去の技術の欠点をすべて解決するということは難しいですね。
参考
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最後に
化学プラントでフレキシブルコンテナを運搬する方法を3パターン紹介しました。
直接吊り上げ・エレベータで間接運搬・気流輸送
一度決めてしまうと後で改造するのが難しい代表例です。
特に後で改造が多いプラントだと大問題になりえます。
プラント建設時にしっかり考えましょう。
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