機械ノズル(管台)と配管を接続する時の基本的な考え方を解説します。
配管設計を優先して行うため、ノズルのことは意外と後回しになります。
結果的に、メーカーなどの他人任せになることも。
ノズルは簡単に決めれるわけでもなく、関連する要素もさまざまあります。
材質を3パターンに分けて、ノズルを考えました。
金属タンクノズル
金属タンクのノズルは、設計した配管と同じ口径で設計することが可能です。
というのも、金属ノズルは自由度が高く、ユーザーの仕様に合わせることができるから。
配管設計を失敗したり、周りの設計をしっかりしていない中で、タンクノズルだけが小さく設定されてしまうと悲惨なことになります。
例えば、配管口径100Aが必要なのに、最初は80Aで設計してしまって、ノズルも80Aにしてしまうという場合です。
この場合、100A相当の流量を流したいのに、80A相当しか流すことができない場合があります。
圧力に依存するので、底ノズルなど圧力が低い場所では特に注意が必要ですね。
金属タンクノズルは特に天板はできるだけ多く設置したいものですが、設置する個数と口径に限界があることも注意しましょう。
金属タンク設計上はノズルオリエンテーションと合わせて、数と口径は重要な要素です。
ノズル高さもかなりの融通が利きます。
金属タンクノズルは設計が自由。天板のノズルオリエンテーションや数・個数の設定が問題になる。
ポンプノズル
ポンプノズルは、配管ノズルよりも小さく設計されます。
メーカーに仕様書を出すときにも、流量・揚程のほかに口径も指定したとしましょう。
この場合でも、口径を絞って選定されてしまいます。
これはポンプ効率を最大限高めたいと、メーカーが考えているからです。
効率を度外視して、口径を合わせたいという場合には、面倒でも見積後に再調整というパターンになるでしょう。仕様書にどれだけ書いても、見てくれない確率が高いです。
例えば、スラリーラインなど口径の大小部があると詰まりが起きる場合があります。
こういう場合には、多少の効率は捨てて口径指定をしつつ、流量・揚程はそれなりにしたいものです。
優先順位の設定付けが、仕様書では設定しにくいのが問題ですね。
ポンプノズルは小さく設計されるため、細かなチェックが必要。
グラスライニングノズル
グラスライニング設備などのノズルは、あまり自由度がありません。
最小口径を決めていて、それ以上の口径なら製作可能、というパターンが多いでしょう。
反応器や熱交換器など、設備の種類に寄らず制限がでます。
これはライニングの施工上の問題と考えられます。
頑張って小さいノズルを作ることは、考えない方が良いでしょう。
配管口径よりもノズル口径が小さいと、液やガスが流れない問題が起きるので、大きめに設計されます。
配管口径の方が大きい場合には、レデューサーやレデューシングフランジで口径調整をします。
グラスライニングなので、挿入管などで天板への液付着を防止しましょう。
アクセサリとしての挿入管が追加されるので、ノズル口径よりも1サイズ以上は実際に流せる断面積が小さくなることには特に注意が必要です。
口径調整部の高さを含めると、タンクや反応器の設置位置と配管ヘッダーの関係に多少の制限ができます。
タンクサイズとタンク底周りの配管と合わせて、意外とスペースがないことに気が付いて、ノズルの高さなどを調整できないか考えがちです。
グラスライニングではノズル高さの調整が効きにくいので、設計上は注意が必要です。
高さがシビアな設計をする場合には、メーカーに相談したり、過去実績を良く調べたりしましょう。
ノズル数はタンクノズルと同じく、竪型タンクや反応器の天板部で制限が出やすいです。
グラスライニングのノズルは最小口径に制限がある。ノズルオリエンテーションはタンクと同じ。ノズル高さの調整もほぼできない。
参考
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関連情報
最後に
機器ノズルと配管を接続する基本的な考え方をまとめました。
金属タンクは自由度が高いです。ポンプノズルは小さく設計されます。
グラスライニングのノズルは自由度が低く、メーカーの設計に合わせないといけません。空間設計に影響が出やすいので、メーカーとよくコミュニケーションを取りましょう。
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