コンベックススケール(convex scale)について解説します。
コンベックススケールとはいわゆる普通のスケールの事です。
メジャーとも言いますね。
コンベックススケールは図面屋さんの必携アイテムですが、設備設計エンジニアも必携です。
現場に行くときには必ず持っていきましょう。
そんなコンベックススケールの使い方を紹介します。
配管寸法の測定
化学プラントの設計ンエンジニアがコンベックススケールを使う最大の理由は、配管寸法の測定です。
- 配管のフランジ~フランジ間の距離の測定
- 配管口径の測定
- 配管高さの測定
配管に関する寸法をザックリ測定するために使います。
コンベックススケールは1mm~10mm単位で現地採寸をするために使います。
図面屋さんや施工会社の作業者なら1mm単位の細かい数字が必要になりますが、設備設計エンジニアはそんな細かな数字は求めません。
それでも10mm単位で距離を調べて、大きな問題がないか検討するために、コンベックススケールは大活躍です。
設備寸法の測定
コンベックススケールは設備寸法を測定するためにも使います。
設備設計エンジニアとしては使う機会が多いのは、新たな設備を設置するために、物理的な空間スペースがあるかどうかを判断するときでしょう。
見積という段階ですね。
これも10mm単位くらいのざっくりした数字でOKです。
作業空間の測定
設備設計エンジニアがコンベックススケールを最も使うべき場面は、作業空間の測定です。
配管の新設や設備の新設に加えて、作業性を改善するための架台を設置検討するときにも使います。
これも見積段階で大活躍します。
- 60cm~80cm程度の作業通路を確保できるか
- 1m程度の高さの手すりを付けることができるか
- 昇降設備など無理のない場所に設置ができるか
こんな検討をするときにはコンベックススケールで大体の距離感を現地で測定します。
10cm程度のオーダーになるでしょう。
プラントの柱間距離や階高さが5m程度なので、スケールの最大長さ5m程度がちょうどいい感じで当てはまります。
規制距離
規制距離とは消防法などの法的規制のことで、その寸法を測定するためにコンベックススケールを使います。
これらの距離を測定するためには、ざっくりとした数字で良いのでコンベックススケールが大活躍です。
5mで収まらない場合でも、スケールを2個つなぎ合わせれば大体はなんとかなります。
距離があまりにも長い時は巻き尺を使う時もあります。
巻き尺は機械設計よりも土建設計の方が使う機会が多いでしょう。
私も数える程度しか使ったことがありません。
強度が高い方が良い
化学プラントではコンベックススケールは強度が強いタイプをお勧めします。
例えば私はTajimaの剛厚シリーズを重宝しています。
というのも、化学プラントでは高さ方向に距離を測りたいときが結構あるからです。
スケールを2m程度天に向かって伸ばしていくと、弱いスケールだったら撓みます。
既設の配管高さを測りたいときに床面からスケールを伸ばして、配管に引っ掛けようとしても、先にスケールがたわんでしまって、引っかけることができない。
という残念なことが起こりえます。
やってみると分かりますが、非常に虚しい気持ちになります。
そんな中で天高く伸ばせるスケールを使ってみると、晴れ晴れしい気持ちになるでしょう。
多くの人が集まって、ちょっと距離が測りたいという時にも他のスケールが撓んで測れないときに、子の剛厚でピシっと測定できると、周りから尊敬の目で見られます。
距離を測定するために、レーザー変位計や3Dスキャナが候補になりますが、化学プラントの場合はまだまだスケールは現役で使います。反射率が高いステンレス系、入り組んでレーザーが届かないような場所、時間を掛けずにちょっと知りたいだけの用途、非防爆の設備が使えない、など安心して使えます。そんなに高くないモノなので、しっかりした物を買っておきたいものです。
最後に
化学プラントの設計者がコンベックススケールを使う場面についてまとめました。
配管寸法・設備寸法・作業空間・規制距離
詳細設計の一歩手前の概算設計や概算見積の段階でコンベックススケールを使います。
設備設計エンジニアが現場に行くときには必ず持ち歩きたいアイテムです。
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