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サーキュラーエコノミーと化学プラント

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化学プラントでは大量のエネルギーを消費します。

エネルギーコストが高くなっている現在、競争力を持たせるためにはコスト削減の努力は欠かせません。

サーキュラーエコノミーが昨今話題ですが、化学プラントでは避けて通れない問題です。

プラント建設段階からしっかり考えておきたいですね。

サーキュラーエコノミーとは

サーキュラーエコノミーとは循環型経済と日本語で訳されます。

大量生産や大量廃棄の問題は、日本でも昔から問題ですね。

原料を必要な量だけ使うということは、例えばコンビニ弁当などに関連する部分。

化学プラントでは原料を買っても保存する場所の問題があるので、最低限の量に留めることの方が多いと思います。

物流が困難だから、敷地内に大量に保管しておこうとする考え方もありますが、レアケースでしょう。

一方で、廃棄は化学プラントではあまり真剣に考えられていません。

サーキュラーエコノミーを化学プラントに対して考えるとき、廃棄に関して着目しましょう。

廃油排水は回収できないか

化学プラントでは大量の排水・廃油が発生します。

廃油を処分しようとしたら、燃焼処分が一般的です。

これはコストが掛かったり、処理できる会社が限定されていたり、必要な設備投資が大きくなるなど、いくつかの問題があります。

処理量を少しでも少なくするために、蒸留により綺麗な成分だけを取り出して、残分だけを処理しようとします。

単純な有機溶媒だけでなく、原料や製品などが含まれた油です。

残分には危険な物が濃縮された状態で残っていて、人体や設備に有害である可能性があります。

自然状態で置いておくだけで燃えてしまうものもあります。

蒸留を選択する場合にも、安全性は真剣に考えましょう。

同じことが排水にも該当します。

排水中には水以外にも、原料や製品などが含まれています。

日本では水を大量に使えるので、プロセス開発も回収を前提としてない場合が多いです。

これらを化学的に処分できたとしても、例えば色とか臭いの問題で外部に放流できなかったりします。

プロセス開発では、処理系も含めて全体的に問題ないか考えましょう。

回収ができないがゆえに、廃棄せざるを得ないと環境に良くありません。

設備は再利用

設備は使い終わった後に廃棄処分をします。

廃棄処分と言いながら燃やしたり埋めたりするわけでなく、金属や樹脂は何かしらに再利用されます。

特に鉄は分かりやすいですよね。

ステンレスの容器や、銅線なども再利用されます。

化学プラントではこの辺りが、話題になることは少ないでしょう。

腐食性や設備の寿命があるので、定期的に交換することを前提として物事を進めています。

耐食性を上げるためだけに高級金属を選んでも、それがサーキュラーエコノミーとして適切かというと微妙な話ですね。

SS400で定期的に設備を交換し、鉄は再利用ということは選択肢になります。

包材は処分?

原料には包材が伴います。

ドラム缶での運搬ならドラム缶そのものが包材です。

これは、一般的に処分するしか手がありません。

包材中に原料が付着しているからです。

洗って再利用しても、その洗った水を何かしら処分しないといけません。

そのコストは単なる人件費だけの問題ではありません。

であれば、燃やした方が安いという可能性があります。

容積が小さいポリ袋やフレキシブルコンテナよりも、ドラム缶のように大きいものは問題になりやすいですね。

サーキュラーエコノミーという時、包材は大きな問題になっていくでしょう。

蒸留施設はしっかり準備

プラント建設では蒸留施設をしっかり持っておきましょう。

バッチ式で1式準備しておくだけで、汎用性が上がります。

連続式でも全く問題ありません。

建設段階で蒸留を全くしないプロセスであっても、将来蒸留ができるように空地を設けておくと良いでしょう。

別のプロセスでは蒸留が必要だったり、生産を全くしないときにも別プラントの廃油を回収する設備として利用できます。

複数の化学プラントを持つ中規模以上の工場なら、ぜひとも考えておきましょう。

参考

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関連情報

蒸留の概要

バッチ蒸留システム

廃油排水

最後に

サーキュラーエコノミーを化学プラントに対してさっと考えました。

大量生産廃棄を抑えるために、原料よりも廃棄物の扱いが重要になります。

廃油排水は蒸留による回収、設備は処分会社で再利用、包材は処理が難しく最低限の仕様やもっと踏み込んだ取り組みが必要となるでしょう。

今後の化学プラントを左右する問題になるかも知れません。

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