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見積査定の実際|化学プラントの機械工事

機械配管工事査定 プロジェクト
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工事の見積を査定(assessment)するときに、最低限やっておきたいことを解説します。

化学プラントの機械工事をイメージしています。

タンクなどの設備購入の見積とは勝手が違います。

何となく見積をすると、人によって解釈が違ったり手間をかけすぎていたり、いろいろな問題が考えられます。

工事担当者の業務でも、査定に大半の時間を掛けてしまっている人もいます。

本来の業務に時間が割けないで残業の要因になったりもします。

そんな査定ですが、最低限やっておきたいことを順番に整理しました。

1番目:合計金額の比較

まずは合計金額の比較をします。

見積を取る前に自分で積算した結果があれば、そことの比較も行います。

当たり前のように見えますけど・・・

意外と細かいところから見てしまう人が居ます。

そんな事はないだろう・・・。

そう思いたいですけど、現実には合計金額を軽視する人が私の身近にとても多いです。

合計金額の大小は、最終的な発注先を決めるとても重要なファクターのはずなのに。。。

見積書に大きく書いている額ですので、しっかり見ましょう。

大事なことは、どれくらいの差があるか。%とか割合の世界です。

自社A社B社
10,000,00013,000,00015,000,000

こんな感じの比較をしましょう。

この段階で、A社にターゲットをほぼ絞ります。

2番目:内訳の比較

2番目は内訳の比較です。

工事の見積はある程度の費目で分するように提出してもらいましょう。

  • 工事費
  • 資材費
  • 重機費
  • 足場費
  • 断熱費
  • 経費

これくらいには分けたいところです。

この内訳を比較していきます。

費目自社A社B社
総額10,000,00013,000,00015,000,000
工事費4,000,0004,500,0005,500,000
資材費2,000,0003,000,0003,500,000
重機費500,0001,000,0001,000,000
足場費1,500,0002,000,0002,000,000
断熱費1,000,0001,000,0001,000,000
経費1,000,0001,500,0002,000,000

3番目:大物からチェック

次に行うことは、どの品目が大きなウェイトを占めているか確認することです。

A社との比較という点では今回は以下のチェックをします。

費目自社A社A社-自社
総額10,000,00013,000,0003,000,000
工事費4,000,0004,500,000500,000
資材費2,000,0003,000,0001,000,000
重機費500,0001,000,000500,000
足場費1,500,0002,000,000500,000
断熱費1,000,0001,000,0000
経費1,000,0001,500,000500,000

最初は金額で見る方が良いです。

このケースでは費目ごとの金額差がなく、特定の費目に絞り込むのが難しいです。

次は割合で比較しましょう。

費目自社A社A社-自社/A社
総額10,000,00013,000,00030.0%
工事費4,000,0004,500,00012.5%
資材費2,000,0003,000,00050.0%
重機費500,0001,000,000100.0%
足場費1,500,0002,000,00033.3%
断熱費1,000,0001,000,0000.0%
経費1,000,0001,500,00050.0%

重機費に大きなずれがありそうです。

4番目:詳細チェック

ここまで来てようやく詳細のチェックです。

重機のチェックをします。

重機は据付する設備の重量大きさや重機の設置位置で、必要なサイズが変わります。

ここは最低限合わせていきたいところです。

重機をリースする費用も実績等からデータベース化しておきましょう。

それでも金額のずれが起きる場合があります。

これは重機を何日・何回使うかというカウントの問題。

例えば、設備を工場内に納入して仮置きするための重機費が入っていないなど、ありがちな問題です。

5日分の重機の費用しか見てなかったけど、実際には10日分必要だった。2倍違うので、金額も2倍違う。

というような差の比較をします。

他の費目はチェックするかどうか、会社によって分かれるところでしょう。

今回の場合なら、もう1費目くらいは見ておきたいです。

見るなら資材費でしょう。

重機費と資材費で1,500,000円で差額3,000,000円の50%になります。

これだけ解析していれば十分でしょう。

資材費については、数量・単価の世界です。

数量は工事費とほぼリンクする形でずれてくるはず。

工事費が12.5%ズレているので、資材費50%のうちの12.5%分が数量、残り37.5%分が単価と考えられます。

元の社内見積の単価がズレている・相見積を依頼している間に単価が高騰した、という可能性を考えましょう。

鉄やステンレスなどの汎用的な金属単価の上昇を見て、例えば30%くらい上昇しているから、37.5%程度の資材費の高騰は妥当。

というような比較をします。

工事の費用は細かくチェックしようとしてもキリがありません。いくらでも積み上げようと思ったら可能です。どこかで諦める覚悟が必要でしょう。少しのズレでも細かくチェックするという方法は、時間が掛かる割に、発注まで時間が掛かって工事ができなくなるなどのリスクを抱えます。

数量不明の場合

配管図などを基にBOMが決まっている場合は、見積で数量が変わることはほとんどありません。

逆に数量が決まっていない場合には、どうしましょうか。

現場で必要な数量をエイヤっと数えて、その何割かの数量をとりあえず提示して工事を進め、工事後に精算する。

こんな方法を取ります。

現場で配管をサラッと眺めて、だいたい200mくらいありそうだ・・・。となると8割くらいの160mを見積金額とします。

口径もだいたい平均して40Aとか決めてしまいましょう。

その額で契約した後、工事を終わらせた後で精算します。

材質・口径・数量で細かな数値が提示されるはずです。

この方法では、工事費や資材費など数量に関する部分の大小関係が大きくなるはずです。

精算の数量が劇的に違う場合には、協議しましょう。そうならないようにするためにも、現場に通って工事の実態を把握しておきましょう。

それでも劇的な数量差が提示されるような会社であれば、他社に切替を検討しても良いと思います。

こういうプロセスを長年積んで、工事の価格を予想してプロジェクトの金額設定や修繕費への適正化をしていきます。

工事に関するデータベースを作り込めば作り込むほど、細かなファクターの金額を入れ込む作業が増えていきます。これをユーザーが行おうとしても、工事の実態を把握できない以上は限界があります。見積の根拠としての社内積算に時間を掛けても、得られる成果は高くはないので、どこまで精度を出すかということは社内でよく協議すべきことだと思います。

参考

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最後に

化学プラントの機械・配管工事見積の査定をするときに最低限やっておきたいことをまとめました。

全体金額の比較・費目ごとの金額差の把握・重点的に精査する費目の絞り込み・割合ベースでの比較

そのプラントでの工事の金額を予想してプロジェクトや修繕費に展開するための、データベース化が最大の目的です。

時間を過剰に掛けずに、最大の効果が得られるような仕組み作りをしていきましょう。

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