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化学機械

ボールタップでかんたん液面制御― 化学プラントにおける構造と使いどころ ―

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ボールタップ 化学機械
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ボールタップと聞くと、多くの人がトイレの給水装置を思い浮かべるでしょう。
しかしボールタップは、電源も制御盤も使わずに液面を一定に保つことができる立派な液面制御装置です。

化学プラントでは、必ずしも高精度な液面制御が必要なわけではありません。
危険性が低く、「溢れなければよい」「最低限の自動補給ができればよい」という用途も多く存在します。

本記事では、

  • ボールタップの基本構造
  • 装置として成立させるための配管・槽構成
  • 化学プラントでの代表的な使用例

を通して、ボールタップを設備として正しく使うための考え方を整理します。

ボールタップの構造

ボールタップの構造を簡単に紹介しましょう。普通の弁と同じで弁座と弁体が本体部と考えましょう。弁座と弁体が接触してシールすることで弁が閉じます。

ボールタップ開(ball tap)

普通の弁ならハンドルなどを使って開閉します。ボールタップはハンドルの代わりにボールリンク機構を使います。ボールタップのボールは自重で下に落ちようとします。その動きに合わせてリンク機構なるもので、弁体が下に移動して弁座から離れます。

ボールタップのボールを上に押し上げると、弁体は逆に上に移動して、弁座に密着することでシールされます。

ボールタップ閉(ball tap)

ボールは一般には軽い樹脂を使い、水に浮くようにします。水の液面に対してボールをon-offさせて弁の開閉をしようというのが、ボールタップを使った制御となります。電気などの動力源を使わず、水の力だけを使った自力式の液面制御です。

ボールタップの動きはいくつか種類がありますが、ボールの上下と弁の開閉が連動しているという意味でどれも同じです。

ボールタップ周りの装置構成

ボールタップを使った装置の構成例を紹介しましょう。トイレと同じ発想です。

槽の構造(ball tap)

ボールタップをタンク内にセットします。タンク内のできるだけ上部にボールタップはセットしましょう。ボールタップより上部はガス(空気)が溜まるだけなので、大きくしても良いことはありません。

液出口はタンクのできるだけ底面に付けます。側面に付けるか底面に付けるかは思想によって違うでしょう。トイレの場合は底面ですね。側面に液出口を付ける場合は、底面も液が抜けるようにドレン抜きを付けたり工夫しましょう。

ボールタップが正常に機能しないときのために、オーバーフロー口を付けましょう。ボールタップの手前には液が常時張られている状態です。

万が一、ボールタップが故障したら気が付かないうちに液がどんどんタンク内に入っていって、タンク上部からあふれていきます。それを防ぐために、オーバーフロー口を付けましょう。ここに、配管設計上のポイントがあります。

配管口径は

オーバーフロー口≧液出口>液入口

という関係で設計しましょう。

使用先

ボールタップを化学プラントでどうやって使うか、例を2つ紹介しましょう。

冷水塔

冷水塔はボールタップを使う装置として典型的です。冷水塔の下部には水をためるピット部分があります。運転に伴って、水の蒸発やブローが必要となるので、定期的に水の補給が必要となります。

冷水塔は工場の冷却装置としてとても重要です。その割にお金はあまり掛けたくないでしょう。アナログな方法で自動補給ができるボールタップは強力なツールとなりますね。

ユーティリティタンク

ユーティリティタンクもボールタップを使う典型例です。冷水塔もユーティリティと位置付けても良いかもしれません。

ここでは、冷水や温水などのタンクを考えています。冷水や温水は特にバッチ系化学プラントでは、廃棄する場合が多いです。通常の工場なら常時循環をさせているだけでしょう。

バッチ系化学プラントの反応器で、ジャケットに冷水や温水を使う場合には、その水を再利用せずに廃棄するという場合があります。

循環廃棄(ball tap)

この時に冷水や温水のタンクは液面が大きく変わるので、自動補給する装置が必要となります。精度を上げようとしたら液面計と調整弁を使いますが、そこまで重要でないという場合にボールタップを使います。マニアックな使い方ですね。

タンクが大きい場合には、ボールタップは独立してボックス化する方が良いです。

独立ボックス(ball tap)

タンク内の液面変動が大きくてボールアップが誤作動する恐れがあります。独立ボックス化して液面変動を緩衝させる板を付けることで、誤作動を抑えようという発想です。温水の場合は、ボールタップの耐熱温度に注意しましょう。

標準的な樹脂では60℃くらいを耐熱温度とすることがあるので、90℃くらいの温水用なら耐熱温度が高いタイプを選ばないといけません。注意したいですね。

参考

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関連情報

最後に

ボールタップは、

  • 電源不要
  • 安価
  • 構造が単純

という特徴を持つ、古典的だが実務で非常に強い液面制御装置です。

冷水塔やユーティリティタンクなど、
「危険性は低いが自動化したい」設備では今でも有力な選択肢となります。

単純な装置だからこそ、

  • 構造
  • 配管設計
  • フェールセーフ(オーバーフロー)

を正しく理解したうえで使うことが重要です。
制御装置として、決して軽く扱わずに向き合いましょう。

化学プラントの設計・保全・運転などの悩みや疑問・質問などご自由にコメント欄に投稿してください。(コメント欄はこの記事の最下部です。)
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