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計装設計

デジタル時代でも輝く!アナログ計器の現場での役割と活用術

アナログ計器使う 計装設計
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化学プラントの現場では、最新のデジタル計器やセンサーが次々と導入されています。しかし、その一方で、昔ながらのアナログ計器も依然として重要な役割を果たしています。圧力計や液面計、温度計、流量計などのアナログ計器は、シンプルながら信頼性が高く、トラブル時の早期発見や現場判断に欠かせません。

本記事では、デジタル化が進む時代だからこそ見直したい、アナログ計器の現場での役割と活用法をわかりやすく解説します。

化学プラントなどのプロセス系の工場では、測定計器がいっぱい付いています。DX化によってデジタル計器のニーズが高まり、活用方法も着目されています。ところが、現場レベルではアナログ計器がやっぱり主役です。

オペレータの人数が少なくなって、現場で見る機会が多くなかったとしても、アナログ計器の役割がゼロになることは無いでしょう。どういう場合に活用するか、基本計器である圧力計・液面計・温度計・流量計についてまとめてみました。

バッチプラントでの使い方をイメージしているので、結構特殊な思想かも知れません。

圧力計

アナログな圧力計は、例えばポンプの出口や圧力容器に設置します。

  • ポンプの出口であれば、ポンプがちゃんと動いている(止まっているわけではない)ことをチェック
  • 圧力容器であれば、タンク内圧が異常な値になっていないことをチェック
  • フィルターなどの差圧チェック

パトロールなど定期的・瞬間的なチェックをするために付けていて、常時監視することは期待していません。

これらの計器をチェックしていないときは、問題がないと信じて運転をしています。

定常的な運転であれば急激に変化することはないので、あまり気にしないでも良いかもしれません。

ポンプであれば閉塞気味であれば値が高くなり異常を早期に発見できる可能性がありますが、通常の運転状態の値を細かくチェックする体制はそろそろ崩壊しているでしょう。

赤と緑の2色で最大値・通常値をマークする会社もあるでしょうが、それをするだけでも意外と大変です。

圧力容器や真空のガスラインなどにもアナログな圧力計を付けますが、どちらかというと法的な対応やできる対策を最大限実施しているアピールになります。

デジタルの圧力計を付けていて常時監視しているけども、デジタル計器は壊れる可能性があるのでバックアップとしてアナログ計器をセットで置いておくという考え方です。

この場合に、アナログ計器をしっかり見るという可能性はあまり高くないでしょう。それでも付けないよりは絶対に良いので、とりあえず付けておくという感じです。

フィルターの差圧チェックなど、一定の頻度で定期的に現場作業が発生する場所に監視目的で付けることもあります。

運転状態が一定であれば、差圧を最優先の判断条件にせず、時間を最優先にして一定時間で必ず交換洗浄する方が安定します。

それでも何かしらの理由で異常が出る場合があるので、アナログ計器で補足できるかもしれない、という期待を込めて設置します。

液面計

液面計でアナログというとガラス式液面計が代表例でしょう。

ニーズは一定量あります。

例えば、ボイラーや消防法など法的に必要な場所

消防法の場合にはデジタル計器を使えることが多いのですが、微妙なサイズの20号タンクで液面を監視する目的がないのに付けざるを得ないというマニアックな要望があります。

こういう時にはアナログなガラス式液面計を付けて、何かあったら外部から確認できるという体制を整えておきます。

それが高所に付いているタンクで、絶対に人が身に行かない場所にあったとしても、です。

温度計

温度計はアナログ計器を使う可能性はあまりありません

というのも温度計を見たい場所というのは、それなりに危険性がある場所だからです。

優先度を決めてデジタルとアナログの使い分けをする、というプラントであればコストを相当絞り込んでいると言えるでしょう。

蒸留などで温度が上がって蒸気が発生したことを確認するために、ライン中の温度計を確認しますが、デジタルで確認する方がタイムリーで確実です。

デジタルが疑わしいという場合には、現場に行って配管を直接手で触れば結構わかります。

そのため現場のアナログ計器を付けるというニーズよりは、何もつけないというニーズの方がわずかなながら高いと思います。圧倒的にデジタルのニーズが高いですね。

流量計

流量計もアナログ計器を使うのは、過剰な量を送らないようにしたいという省エネ目的です。

ローターメーターで流量が過剰にならないように抑えたい、というニーズに使う程度でしょう。

本当に流量制御をしたい場合はデジタルを使います。

手動弁でもある程度の絞りはできますが、目標値が決まっている場合にはアナログ計器を付けて調整します。

アナログ計器であるので、壊れた場合には必要量より流量が高くなったり低くなったりします。

それでも危険性が少ない場所に使うとはいえ、エネルギーロスが高くなるかも知れません。

気が付くのは現場のパトロール。

優先度が低くて、修理が後回しになって、結局は省エネ目的が達成できないかも知れません。

それでも運転できないわけではないので、アナログな流量計にあまり期待しても良くないでしょう。

参考

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最後に

デジタル化が進んでも、アナログ計器の役割は変わりません。むしろ、その信頼性と直感的な視認性は現場での安全確保に不可欠です。アナログ計器とデジタル計器を適材適所で使い分け、両者の強みを活かすことで、化学プラントの運転管理はより安全で効率的になります。ぜひ、アナログ計器の重要性を再認識し、現場での活用術を見直してみてください。

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