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最小口径で配管設計を簡単に|化学プラント現場で役立つ標準化のコツ

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最小配管 配管
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化学プラントの配管設計では、流量や圧力に応じて適切な口径を選定することが重要です。しかし、必要流量が少ない箇所や使用頻度が低いラインでは、つい口径選定を雑にしてしまい、後でトラブルになることも少なくありません。

本記事では、最小口径を標準化するメリットや液抜き・サンプリング・滴下ラインへの適用方法を現場経験をもとに解説します。

最小口径を標準化

配管口径はいくらでも小さく設定可能、というわけではありません。

現実的には15A20Aくらいが最小口径となります。

単純に製作可能範囲ということであれば、フランジ接続でも10Aは可能です。

ねじ込み接続だともう少し小さくすることも可能ですね。

それても、15Aや20Aくらいを最小口径として設定するのは理由があります。

  • 水などの錆によって閉塞する可能性がある
  • ノズルなど繋ぎ部が折れる可能性が高くなる
  • バルブやガスケットなどの予備部品の点数が多くなる
  • サポート間隔を小さくする必要があり、スペースが少なくなる

口径の選択肢が多くても、実際に使うものは数種類に留めておく方が楽ですし、例外扱いする範囲の対応もしやすくなるでしょう。

私も、25A・40A・50Aが基本で、残りは全て例外として取り扱っています。20A・80A・100Aがたまに使って、150Aや200Aとなるとかなり例外的な扱い、その他の口径は使ったことが無いという感じです。

液抜きラインは最小に

最小配管口径で最初に話題になるのが、液抜きラインでしょう。

液抜きラインは配管には必要ですが、使う頻度は多くありません。

どれくらいの流量が求められるかを、個々に設計するのは面倒ですので、標準化してしまうと良いでしょう。

ここで15Aや20Aという最小口径を使う出番です。

液抜きラインは配管の末端部なので、固形分が詰まったりしやすい場所です。

内容物にもよりますが15Aよりも小さくなると、かなり詰まりやすくなります。

スラリーラインは配管と同じ口径に

液抜きラインでもスラリーラインは、口径を小さくすると失敗しやすいです。

詰まりが起こりやすいです。

できるなら、液抜きである枝管は主管と同じ口径にしましょう。

液抜きを下向きではなく、横向きにするというのも1つの工夫です。

サンプリングラインは最小口径より小さく

サンプリングラインは、最小口径より小さくする方が良い場合は多いです。

一般的なサンプリングとして、タンクの液を循環させて、循環ラインから採取するという方法があります。

これは空気の混入を防ぎつつ、内容液を均一な状態にできるメリットがあります。

循環ラインからサンプリングする場合、ポンプの圧力を受けたラインからサンプリングするので、口径が大きいと過剰量を採取することになります。

15Aよりも小さい口径が必要となることもありえます。

とはいえ、サンプリング液は配管を詰まらせる可能性があります。

最小口径は詰まりを重視する考えなので、サンプリング直前までは15Aで配管を引いてバルブで遮断できるようにして、採取する部分だけ口径を絞るという考え方は現実的です。

最小口径を15Aに設定したから、何が何でも10Aで施工してはいけない、というわけではない点に注意しましょう。

柔軟な思考が大事ですね。

滴下ラインは口径の調整をしやすくする

反応など危険な状態に移行するための、液の投入(滴下)ラインは口径の調整がしやすいようにしましょう。

サンプリングと同じく、最小口径よりも小さい口径が求められることもあります。

この場合に、サンプリングのような考え方で配管自体を小さくすると、配管が折損するなどのリスクがあります。

詰まりがあるわけでなく、流量を小さくしたいという要求だけなので、配管口径は25Aなど大きめにしておいて制限オリフィスで絞るという方法が有効な場合があります。

最小配管を設定してしまったら、他に取るべき方法がない、というわけでない点はくれぐれも注意しましょう。

とにかく柔軟に。

計器接続ラインは例外

計器への接続ラインは、配管設計とは独立した考え方になりやすいです。

例えば、圧力計や液面計の均圧ラインへの接続です。

ここは計装エンジニアの設計範囲として分けてしまい、バルブで担当区分を分ける方が良いでしょう。

安全性や詰まりや平均流速という考え方ではなく、単に計器への要求事項だけを考えて施工されます。

フランジ継手でなくてねじ込み継手も使ったり。

メンテナンスをするのも計装エンジニアだからお任せ、という感じですね。

この辺は、組織内での仕事の分担の問題や保全の問題になります。

参考

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最後に

最小口径の設定は、配管設計を簡素化し、詰まりや破損リスクを低減するために重要です。液抜き・サンプリング・滴下ラインなど、用途に応じて柔軟に口径を選定することで、設計効率と運用の安全性を両立できます。
標準化された最小口径を使いながら、例外的なラインには柔軟な対応を取ることが、現場での失敗を防ぐコツです。

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