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ドラム缶・フレコン充填に必要なコンベア設計の基本原則と注意点とは?

ドラム缶フレコン 運転
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 化学プラントでのドラム缶やフレキシブルコンテナ(フレコン)への充填作業は、単に流体や粉体を容器に入れるだけの工程ではありません。実は、「コンベアとの位置関係」が、作業効率や安全性、設備コストに大きく影響します。
 にもかかわらず、建設設計の終盤で後回しにされ、結果的に設計上の制約に悩まされる現場も少なくありません。

 この記事では、ドラム缶やフレコンへの充填において「最低限押さえるべきコンベア設計の基本原則と注意点」をわかりやすく解説します。

ドラム缶に充填する場合を考えましょう。

液体

液体系の場合を最初に考えます。

ドラム缶コンベア

充填量を測定するためには必須です。

秤の上のコンベアも必須です。

コンベアは秤専用にしましょう。周囲のコンベアと結合してしまうと、秤が真値を測定しません。

ドラム缶充填の場合は、充填1回あたりの時間は短く本数が多いという特徴があります。

秤で測定して1回で綺麗な数値に合わせることができないので、微調整が発生します。

ここで、秤をもう1つ直列に繋いでいると楽になります。

  • 1缶目を1つ目の秤で一定量充填する
  • 1缶目を2つ目の秤に移す
  • 2缶目を1つ目の秤で充填し始める
  • 1缶目を2つ目の秤で精密に測る
  • 1缶目を秤の外に送る
  • 2缶目を1つ目の秤で一定量充填し終わる
  • ②に戻る

こういうパターンを繰り返すことができます。

並行処理ができて、単純に時間削減できますね。

秤が1つ追加で必要となりますが、価値がある場合には、積極的に導入しましょう。

液体の場合は、量を調整するのが危険な場合もあるので、注意して作業しましょう。

粉体

粉体の充填は、装置の充填口と秤が同じ垂直位置の関係になるように徹底しましょう。

傾けてしまうと詰まります。

位置関係が合わない場合は、スクリューフィーダーなどで調整することになりますが、異物の問題があります。

金属探知機など追加で必要となるので、建設当初から充填の位置関係を合わせるようにしましょう。

フレコンに充填

フレコンに充填する場合は、ドラム缶よりもさらにシンプルです。

フレコンコンベア

フレコンの場合、2つ目の秤は不要でしょう。

というのも、フレコンの場合はその数が少ないから。

10袋にも満たないレベルなら、充填量の調整をしたとしてもロス時間はほぼ誤差範囲です。

秤や集塵口など追加設備が必要であることを考えると、時間を掛ける価値があります。

地面上と埋設

コンベア運搬の場合、コンベアを地面上に置くパターンと埋設するパターンとあります。

安全上は埋設です。

コンベアの頂点を床面より少し高い位置にすると、スムーズに運搬してパレッターなどへの引き渡しが可能です。

地面上に置くと、やや高い段差ができます。

この段差は安全を邪魔する厄介なものです。

その代わり、水や粉の溜まりを極小化できるでしょう。

安全と異物混入のどちらを重視するかという思想で決まってきます。

直線で最短距離

充填口のコンベアラインは、最短距離で作成しましょう。

コンベアは意外と高いです。

コスト削減は大事ですね。

最短距離なので、曲げたり方向転換したりする機能も最低限にしましょう。

直線ラインのコンベアは作りやすくても、曲げるためにはそれなりに寸法の制約が出ます。

曲げた場合には、搬送物が脱落する可能性もありますね。

そのために干渉板を付けたりしていたら、コストが跳ね上がっていくばかり。

コスト面でも作業性面でも、直線で最短距離で組み上げるように設計しましょう。

参考

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最後に

  • ドラム缶充填には秤+専用コンベアが必須。2台の秤で並行処理も有効
  • 粉体充填では高さと垂直方向の整合が重要。詰まり・異物混入に注意
  • フレコン充填は回数が少ないため、簡素な構成でも十分
  • コンベアは安全性と異物対策で埋設・地面上を選定
  • コスト重視なら直線・最短距離でのライン設計が基本

これらの基本原則を押さえることで、安全で効率的な充填ラインの設計が可能になります。

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