ボールバルブは化学プラントで広く使われる開閉装置ですが、専用ハンドルを使う現場では意外な問題が発生します。付けっぱなしだと誤操作のリスクがあり、外すと置き場所に困る――さらにメーカーごとにサイズが異なるため管理も複雑です。
本記事では、ボールバルブハンドルの使いにくさの原因と、現場での実用的な対策をわかりやすく解説します。
この記事は、ライン設計(バルブ)シリーズの一部です。
【設計者向け】バルブの面間寸法がメンテナンス性に与える影響
タンク底バルブ設計の盲点:液溜まりと漏れリスクをどう防ぐか?
バルブの漏れ対策|グランドパッキンの基本と選び方・メンテナンスポイント
バルブ=安全ではない!現場で学んだ恐怖体験と教訓
二重バルブ+パージバルブが便利な理由
バルブが内通しても安全に運転するための工夫5選
差圧式液面計の手前にバルブをつけますか?
付けっぱなしだと誤操作が怖い
バルブハンドルは、ボールバルブのステムと呼ばれる操作棒に取り付けて開閉をします。ハンドルはステムに固定化する場合と、いつでも取外しができるようにする場合の、2パターンがあります。ステムに固定化してしまうと、ハンドルの開閉作業はしやくすくなります。
一方で、人が通るときなどにハンドルと当たってしまったらハンドルが動いて、バルブが開閉される恐れがあります。ハンドルを固定化すれば良いというわけではありません。メーカーの思想とユーザーの思想がズレやすい要素です。
建設時など、大量のボールバルブを購入して、ハンドルがいらないのに実物に固定化されていると、後で取外そうとしても非常に困ります。
購入時にしっかりと要求しましょう。
置き場所に困る
バルブハンドルをボールバルブから取り外して、必要なタイミングだけ使うという場合は、ハンドルの置き場所に困ります。
- ハンドル置き場所はプラントに数個~10個選ぶとしてもその選別が面倒
- ハンドルのフックを作るのが面倒
ハンドル置き場所は意外と困ります。いろいろな場所に置き場所を作るわけにもいかないので、代表的な場所に限定しておきます。どこに置けばいいのか、使う人によって意見が分かれるでしょう。
数10人の意見をまとめるだけでも、大変です。ハンドルのフックは、番線などでも簡易的に代用可能です。こういうフックは変形しやすく見た目も良くありません。平板FBとフックを溶接などで繋げて作っても良いですが、コストが掛かります。
メーカーによってサイズが違う
バルブのハンドルはボールバルブのステムに合わせて、開口サイズが決まっています。ところが、ボールバルブのメーカーによってこのサイズが違います。
ステム自体のサイズが微妙に違います。1社のバルブだけを買い続けないと、ハンドルが違うだけで操作性が大きく変わって困ります。
かといって1社だけから買い続けようとすると、調達のリスクがあります。バルブハンドルを使わずに、モンキーレンチで代用する方が応用が利きます。
モンキーレンチは危ない
バルブハンドルの代用としてモンキーレンチを使う場合、使用方法は注意しましょう。モンキーレンチは複数のボルトサイズに対して使用できる便利な工具です。
便利である反面、デメリットとして壊れたりケガをしたりする確率が上がります。使用方法を適切に理解し、限定的に使うようにしましょう。
自動化すればほとんど使わない
バルブハンドルもモンキーレンチも付かずに運転しようとすると、ボールバルブ周りを自動化するということが考えられます。
今後もこの傾向は強くなっていくでしょう。バルブハンドルやモンキーレンチを使うのは、生産前後の洗浄など限定的な使い方となります。
- バルブ開閉をする場所が少ない場合はモンキーレンチ
- バルブ開閉が多くて、自動化が進んでいない場合はバルブハンドル
- バルブ開閉が多くて、自動化が進んでいる場合は何も使わない
こういう感覚になるでしょう。
参考
関連記事
最後に
ボールバルブのハンドルは、現場での誤操作、置き場所の確保、メーカー差による管理の難しさなど、意外と使いにくいポイントがあります。モンキーレンチでの代用や自動化を活用することで、操作性と安全性のバランスを取ることが可能です。
現場の状況に応じた最適な管理方法を検討しましょう。
化学プラントの設計・保全・運転などの悩みや疑問・質問などご自由にコメント欄に投稿してください。(コメント欄はこの記事の最下部です。)
*いただいたコメント全て拝見し、真剣に回答させていただきます。
コメント