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配管塗装で瞬時に危険性を判断!化学プラントの色分けの基本

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塗装色分け 工事
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 化学プラントでは、多くの配管が複雑に設置され、危険な薬液や高圧蒸気などが流れています。これらの配管が一目で安全か危険かを判別できるようにするため、塗装による色分けが重要です。
 本記事では、バッチ系プラントを例に、配管塗装の基本パターンと色分けの考え方を解説します。

塗装パターン

塗装の世界も他の工事と同じくいろいろな仕様があります。私も専門家ではないので良く分かりません。分かるのは外見が違うということくらい。その外見ですが、いくつかのパターンがあります。

何も塗らない

ステンレスの配管や断熱カバー付きの配管は、表面に何も塗らないでしょう。その結果、下のような灰色っぽい色をした外見になります。

塗装なし(piping paint)

これは化学プラントでは非常に多いです。工場が何となく暗い印象を持つ人もいると思いますが、この理由は灰色ではないかと思っています。

塗装なしの配管もそうですが、設備も灰色が多く、床も灰色にしているとかなりの「灰色感」がでます。実際に床面だけでも緑にすると結構印象が変わります。

全面塗装

配管前面に色を付ける例です。

全面塗装(piping paint)

鉄系の配管に対して行うことが普通です。というのも鉄は錆びるから。錆止め塗装後に色を塗ります。鉄系だからユーティリティ用途に使って、安全だろうという意味も込めて「青系」の色を付けることが考えられます。

バッチ系化学プラントでは、グラスライニングやフッ素樹脂ライニングも外面は鉄であることをお忘れなく。鉄系だから全部が青と決めてしまうと、腐食性の高い薬液も青で誤認してしまう可能性があります。

部分塗装

全面塗装があれば当然ですが部分塗装もあります。

部分塗装(piping paint)

化学プラントの場合、多数の危険物を扱うので危険物だけは目立つように色分けをすることがあります。官庁の指導で何らかの表示をすることが決まっている地域もあるでしょう。

多くのステンレス系の配管で危険物に対して個々に全面塗装をするのはナンセンス。ということで、部分的な塗装をします。

通路上など水平方向に走っている配管は、10cm程度の幅の塗装を数m間隔で塗装します。ヘッダーなど人の目につきやすい場所にも塗装します。

ヘッダー塗装(piping paint)

これは危険物と水が同じヘッダーに繋がる例で、タンク上部などをイメージしています。通路上もヘッダーも色分けは最低限で、現実的には表示板を付けて間違い防止を取っているでしょう。

色分けの例

色分けの具体的な例を見てみましょう。

危険物

先に紹介しましたが、危険物が通っている配管は表示をすることが多いです。赤の部分塗装は典型例でしょう。なるべく目立つ色が良いです。

消火水

消火水配管は化学プラントでとても重要な配管です。できればちゃんと色を塗っておきたいです。消火用ポンプが赤の全面塗装をしていることが多いので、配管は赤の全面塗装などが考えられます。

ただし注意点が。赤は結構すぐに塗装が薄くなります。塗った当初は綺麗で満足感があるのですが、1~2年も経てば薄くなって目立たなくなります。化学プラントのようにストリップ工場で赤の塗装をする場合は、注意しましょう。

水は青系が分かりやすいでしょう。色は直観に訴えるものなので、わかりやすさ重視が良いと思います。鉄系だから塗装をするなら、わかりやすさを取ると良いでしょう。

ブライン・冷水・温水など断熱が付いている場合の塗装は悩みどころです。妥協点は青の部分塗装でしょうか。。。

酸・アルカリ

酸やアルカリを特殊な色にするというケースが化学プラントでは考えられます。厳密にいえばキリがない世界です。

プロセス液でも酸やアルカリに傾く液なら、「危険物」かつ「酸」みたいな組み合わせがあります。この辺はどこまで塗るか分かれるでしょう。せめて分かりやすい原料系だけでも塗るということが考えれます。

例えば苛性ソーダや硫酸などですね。

窒素

窒素は工場内では身近で、自然界でも身近ですが、危険な要素を持ち合わせています。窒息というくらいですからね。窒素の配管を特別にケアするために塗装をするという会社もあるでしょう。

塗るなら黄色とか分かりやすい色が良いと思います。特に部屋内に窒素配管を通す場合は、注意しましょう。酸素濃度計とセットで考えます。

参考

関連記事

プラント現場では多くの配管があり色々な液を扱うため、瞬時に危険性が分かる仕組みとしての塗装はアナログながら絶大な効果があります。

内容物に対する知識があれば、設計の幅は広がるでしょう。

最後に

化学プラントの配管塗装は、「塗装なし」「全面塗装」「部分塗装」の3パターンが基本です。
特に鉄系配管や危険物の配管では、色分けを適切に行うことで、運転・パトロール・緊急対応時に危険性を瞬時に判断できます。
赤や青など直感的に分かる色を使い、現場での安全性と効率性を両立させることが重要です。

化学プラントの設計・保全・運転などの悩みや疑問・質問などご自由にコメント欄に投稿してください。(コメント欄はこの記事の最下部です。)
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