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電気設計

蓄電池を化学プラントの機械系エンジニアの範囲内で解説

蓄電池 電気設計
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蓄電池(battery)について解説します。

蓄電池とは電気エネルギーを化学エネルギーに変えて蓄えておき、必要に応じて電気エネルギーに変換して利用できる装置です。

特に直流電源用として鉛蓄電池アルカリ蓄電池に分類されます。

機械系エンジニアとしてはあまり知る必要のない分野とも言えますが、参考としてこの辺りを知っておく方が良いという部分に限定して解説します。

中小企業の方などで、何でもやるというエンジニアの方は是非とも知っておきましょう。

充電器のイラスト

鉛蓄電池(battery)

鉛蓄電池は二酸化鉛PbO2と鉛Pbの2つを電極版として、電解液に希硫酸を使います。

放電時は下記の反応が行われます。

  • 陽極:PbO2→PbSO4
  • 陰極:Pb→PbSO4

充電はこの逆の反応が起きます。

放電に伴い、希硫酸の濃度は薄くなっていき、比重が軽くなっていきます

ところで、こういう議論をするときに化学反応式を使うことが多いですが、ここでは使いません。

機電系エンジニアにとって、化学反応式を使えば反応前後の内容物に目が向かずに、反応式中の係数などに目が行ってしまいがちですから(笑)

反応前後の物質が何であるかということに目を向ける方が化学的にははるかに重要です。

これは電池反応に限らず、バッチ系のあらゆる反応工程でも言えることです。

医薬・農薬の反応になると、亀の甲がいっぱいで複雑に見えてしまい、理解を放棄してしまいがちですが、それも反応前後の構造を見ればある程度は対応できます。

アルカリ蓄電池(battery)

アルカリ蓄電池はニッケル高級酸化物NiOOHとカドミウムCdの2つを電極版として、電解液にKOHを使います。

  • 陽極:NiOOH→Ni(OH)
  • 陰極:Cd→Cd(OH)2

鉛蓄電池に比べて、反応式がやや複雑です。

KOH自身は反応に寄与しませんので、放電や充電で比重はほぼ変わりません。

鉛蓄電池とアルカリ蓄電池の特性

鉛蓄電池とアルカリ蓄電池の特性を個々に見ていきましょう。

1セル当たり電圧

鉛蓄電池は1セル当たり2V、アルカリ蓄電池は1.2Vくらいです。

寿命

鉛蓄電池の方がアルカリ蓄電池よりも寿命が長い方向です。

自己放電率が鉛蓄電池は0.1%/dayくらいに対して、アルカリ蓄電池は1%/dayくらいです。

鉛蓄電池の方が10倍くらい寿命が長そうに見えます。

効率放電特性

鉛蓄電池よりもアルカリ蓄電池の方が優れています。

腐食

鉛蓄電池は希硫酸を使用するため腐食性があり、危険な方向です。

電極強度

鉛蓄電池は二酸化鉛が結合力が弱いために強度が低いです。

充放電と電圧の関係

蓄電池の充電と放電時の時間と電圧の関係は、一般的な特性があります。

放電は最後に電圧が下がる

充電池の能力は電圧で決めます。

これは電気化学に関する話で、電池の金属の種類によって決まります。

電池の電圧は使い続けていくうちに下がっていきます。

上の図から見て分かるように、寿命がなくなる後半・特に最後に急激に電圧が下がります。

電圧で寿命を把握している人はいませんが、物理的な電圧という点では最後に電圧が下がるという仕組みになります。

充電は最後に電圧が上がる

充電は放電の逆で、電圧が回復する方向です。

放電と全く同じ形で逆向きになっているだけ

と思うかもしれませんが、それは微妙に違います。

約80%の充填状態で電圧の上昇速度が変わります。

これをガッシングといいます。

充電中は金属と溶液中のイオンの間で電池反応(電気化学反応)が行われます。

80%程度まで充電された状態で、さらに充電を続けると水の電気分解が始まります。

水の電気分解が起こると、ガスが発生します。

水素と酸素です。

このまま充電を続けていくと水がどんどんなくなり、寿命が低下していきます。

均等充電

充電池の寿命を最大化するためには均等充電が大事です。

充電・放電のサイクルを各セル間で均等にする方法です。

充電池は普通1セルでなく複数のセルで構成されるため、特定のセルの充電池のみを繰り返し使うと寿命が裂開しやすいということになります。

これは、

充電池を特定の状態でのみ使い続けるのは良くない

とも言えます。

特定のセルのみを使い続けていると、他のセルは使うことなく事故放電を行い続ける。

これが均等充電とは真逆の格好となります。

参考

関連記事

最後に

機械系エンジニアの範囲内で蓄電池について解説しました。

鉛蓄電池・アルカリ蓄電池

蓄電池の仕様や充放電についても簡単に解説しています。

機械系エンジニアとしては参考情報程度の位置づけですね。

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