PR
化学機械

断面図の読み方4|色塗りで理解するメカニカルシール

スポンサーリンク
断面図メカ 化学機械
記事内に広告が含まれています。This article contains advertisements.

 断面図の読み方にも皆さん慣れてきたでしょうか?

 今回はメカニカルシールの図面の基本的な読み方を見ていきましょう。化学プラントの設備の図面としてはここまでくれば合格ラインです。特殊な機器で断面図の詳細があるものもありますが、基本ができてれば、時間はかかるものの読み取れるようになっているはずです。

意外と見にくいメカニカルシール図面

 メカニカルシールは渦巻ポンプなどで一般的に使われる部品です。化学プラントの機械屋では設計しているときやトラブルの対応をしているときに、この図面を見ることは多いでしょう。慣れてしまえば簡単ですが、最初は意外と構造も読みにくいものです。

 メカニカルシールの断面図は例えば以下のような形をしています。

この段階で以下のように、部品とその機能がイメージできていれば、本記事の内容はクリアしています。

 なお、Grokでメカニカルシールの絵を作ってみると、以下のような面白い絵ができました。スプリングを表現しようと頑張っているところが、個人的に評価高いです。

分かりやすい箇所から色塗り

 まずはいつも通り分かりやすい箇所から色塗りをしましょう。四角と丸で構成された絵なので、分かりやすい丸から塗っていきましょう。

 丸の部分は2か所ありますね。これはOリングを示していると考えられます。四角である部品の2つの間に挟まっているので、シールの機能を持った何かであって、丸の形をしていたらOリングであることが推定できます。

 メカニカルシールは摺動面のシール部が大事ですが、その他のシール部も同じように大事で、Oリングはその代表的な場所です。Oリングの前後は漏らしてはいけない部品であるから色を塗ってみるとイメージしやすくなるでしょう。1か所とりあえず塗ってみましょう。

 回転環を赤色、スリーブを灰色で塗っています。これだけでも摺動面部が浮き彫りになってきています。もう1組の部品も塗っていきます。

 これで回転環と固定環がきれいに分かり、メカニカルシールの主要部分が見やすくなるでしょう。

派生する部分を色塗り

 摺動面を塗ったら、そこから派生する部分を色塗りしましょう。灰色で塗った部品のうちシャフト側は結構判断がしやすいです。

メカニカルシール周りの部品の中で、最も大きな部材はシャフトです。シャフトの色塗りをとりあえず終わらせたところで、1つの疑問が出てくるでしょう。

 「左右のどちらがポンプ側だろうか・・・」

何となく分かりそうにも見えますが、図面の書き方次第では悩みます。

全体イメージ

 メカニカルシールはポンプと大気の境目にある部品です。メカニカルシールを挟んでポンプ側と待機側に分かれるので、図面上の左右のどちらかがポンプ側になります。

 今回は左側がポンプ側になります。ポンプ内部は液体があるので、液体を表現するように水色で塗ってみましょう。

こうやって見ると、メカニカルシールでポンプと大気を分けていることが分かります。
回転環を固定する金属部やフラッシング液も、これでイメージしやすくなるはずです。

 さて、いきなり「左側がポンプ側」と決めつけましたが、それは何故でしょうか?これは、
「スリーブが図面上で途中で切れていない」からです。
 スリーブはシャフトの保護を目的の部品で、ポンプ液と接触するために耐食性が求められます。スリーブの右は途中で切れているので、仮に右側がポンプ側であったとしたら、スリーブの機能は半減してしまうことを意味します(メカニカルシールの運転による摩耗保護がメイン)。

ポンプ側と大気側は迷う

 今回の絵のようにスリーブが途中で切れていることが明白であれば分かりやすいですが、表現してない場合もあります。その場合にも、「ポンプ側」・「大気側」と言葉で表現されることが一般的です。

 これらの目印がないと、どちらがポンプ側か悩んでしまいます。
・左側がポンプ側 : インサイド・フラッシング
・右側がポンプ側 : アウトサイド・クエンチング
という可能性が出てくるからです。インサイドやアウトサイドはデータシートに記載されるものですが、フラッシングとクエンチングはケースバイケース。データシートに書いてあっても、データシートと図面の整合性が取れてないかもしれないと、チェックが必要になります。
 そういう意味でも、色塗りはミスを防ぐ重要な手段だと思います。

参考

最後に

メカニカルシールの断面図は、慣れていないと構造が複雑に見え、どの部品がどの役割を持っているのか理解しづらい図面の一つです。しかし、Oリングや摺動面といった分かりやすい部品から色を塗り、そこからシャフトやスリーブなど関連する部品へと理解を広げていくと、図面全体の構造が自然と見えてきます。

さらに、ポンプ側と大気側の位置関係を意識しながら図面を見ることで、メカニカルシールがどのようにして液体を封じ込めているのかも理解しやすくなります。こうした色塗りによる整理は、構造理解だけでなく図面読み取り時のミス防止にも役立つシンプルで有効な方法です。

化学プラントの設計・保全・運転などの悩みや疑問・質問などご自由にコメント欄に投稿してください。(コメント欄はこの記事の最下部です。)X(旧Twitter)のDMでも可能です。

  • 設備設計で悩んでいる
  • トラブル原因の考え方が分からない
  • 若手の教育方法に困っている

など、幅広くお受けしています。
*いただいたコメント全て拝見し、数日中に真剣に回答させていただきます。

ブロトピ:今日のブログ更新

English
中文
한국

 この記事の内容を、あなたの職場・キャリアに合わせて整理したい方に技術・キャリア相談を行っています。海外プラント、製造管理、組織の病理、キャリア停滞など、あなたの状況に合わせて具体的にアドバイスします
 → 技術・キャリア相談はこちら

【著者:ねおにーーと】

化学プラントで20年以上、設計→製造→保全→企画まで一気通貫で経験したユーザー側エンジニア。 バッチプラントの設備・運転・トラブル対応を中心に、現場で本当に役立つ知識を発信しています。 → 詳しいプロフィールはこちら

スポンサーリンク

コメント

クリックしてね!