機械の断面図を描くとき、「色」をどう使っていますか?白黒のままだと、部品構成や材質の違いが分かりづらく、説明の手間も増えがちです。こんな風に思う方もいらっしゃると思います。
「断面図を見てもピンとこない」
「構造が頭に入らない」
「先輩は一瞬で理解するのに自分は時間がかかる」
この記事では、断面図に色を加えることで見やすく伝わる図面にする工夫と、そのメリットについて解説します。図面の解読の基本である色塗りがおススメです。簡単な例で紹介しましょう。
この記事は、断面図シリーズの一部です。
断面図の読み方|色塗りで機械構造を理解するシンプルな方法
ノズルの実物と図面(完成系)
まずは今回考えるノズルの実物から見ましょう。以下のサイトなど数多くの写真がwebじょうにあります。
このノズル部分を図で示すと、例えば下の図のようになります。

実物を先に見て、図面でも色で区分けされていると、よく理解できると思います。慣れない頃には、図面と実物が本当に一致しているのか不安になるもので、図面を見て実物を見た時にイメージ通りであったら安心した覚えがあります。自分の図面解読スキルは間違ってなかったと。
図面を正しく見れると、設計者としてスキルが上がった実感が持てるので、少しずつでも図面を見れるようになっていきましょう。
実際の図面(初期状態)
さて、図面上はノズルは例えば以下のような表現をしているはずです。

これはノズルの拡大図と呼ばれるもので、全体図ではもっとシンプルに表現されています。ノズルをどういう形で作っているかを示すには、こういう拡大図が必要になります。
ところで、この図面を見て先ほどの実物をすぐにイメージできたでしょうか?おそらく、戸惑いながらイメージするはずです。慣れるためには色塗りが大事、というのがこの記事のテーマですね。
分かりやすい部分から着色
断面図の理解の基本は色塗りです。最初は分かりやすい部分から着色する、ですね。具体的に見ていきましょう。
この図面で私が最も分かりやすい部分は溶接部です。単なる記号として四角形と三角形が並んでいて、四角形部分は一見何を指しているかわかりにくいです。小さな三角形は溶接部を示しているという知識さえあれば、以下のように着色が可能です。

これで3枚の板が溶接でつながっていることがイメージしやすくなるでしょう。
境界の理解
分かりやすい部分の着色には、物体の境界を把握するのが良いでしょう。この3枚の四角形はそれぞれタンク本体・ノズル・当て板を示すものですが、拡大図の表現の問題でタンク本体とノズルを示していることを、自信が持てないかもしれませんよね。
思い切って着色してみましょう。

着色してみると、その部分だけが強調して見えるようになります。拡大図であることを考えると、もともと大きな部材が大きく表現されるのは当たり前なので、当て板部が小さい四角形で残りが大きな四角形であることは類推できます。この2枚の四角形が溶接で繋がっていることを確認することで大きな形をイメージすることができます。
この例ではタンク本体とノズルを着色しましたが、当て板が小さいから分かりやすい部分として先に着色する考え方もあります。この場合、プラグ部を理解していないとちょっと不安になると思います。
当て板にはプラグをつける場所があって、プラグ以外の部分を青色で着色してみましょう。

こうすると当て板であることが見えてきますね。蛇足ですが、当て板と溶接の位置が分かれば、プラグの意味も見えやすくなるでしょう。
参考
最後に
断面図を読む力は、一朝一夕では身につきません。しかし、色を使って「物体の境界」を意識するだけで、構造の理解は驚くほど進みます。
今回のノズルの例でも、
- 溶接部を手がかりにする
- 大きな部材から着色する
- 境界を意識して部材を分ける
という順序を踏むことで、図面が一気に立体的に見えてきました。図面と実物が頭の中で一致したときの安心感は、設計者・保全担当者にとって大きな自信になります。
最初は時間がかかっても構いません。分かりやすい部分から、思い切って色を塗ってみましょう。断面図は「慣れ」ではなく、「考え方」で読めるようになります。
化学プラントの設計・保全・運転などの悩みや疑問・質問などご自由にコメント欄に投稿してください。(コメント欄はこの記事の最下部です。)X(旧Twitter)のDMでも可能です。
- 設備設計で悩んでいる
- トラブル原因の考え方が分からない
- 若手の教育方法に困っている
など、幅広くお受けしています。
*いただいたコメント全て拝見し、数日中に真剣に回答させていただきます。
この記事の内容を、あなたの職場・キャリアに合わせて整理したい方に技術・キャリア相談を行っています。海外プラント、製造管理、組織の病理、キャリア停滞など、あなたの状況に合わせて具体的にアドバイスします
→ 技術・キャリア相談はこちら
【著者:ねおにーーと】
化学プラントで20年以上、設計→製造→保全→企画まで一気通貫で経験したユーザー側エンジニア。 バッチプラントの設備・運転・トラブル対応を中心に、現場で本当に役立つ知識を発信しています。 → 詳しいプロフィールはこちら
コメント