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サイトグラスの種類と使い分け|ランタン型・クロス型・液面計型の設計と運転の考え方

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ランタンクロス 配管
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 サイトグラスは設備や配管の中の液面を、人間の目で直接見ることができる重要な機器です。高圧・高温などの条件を除いて、使える範囲は特にバッチ系では広く、内部の状態が分からない危険物の状態を少しでも知るために、量の情報を知れるサイトグラスは適切に使うことが期待されます。
 本記事では、サイトグラスの種類に対して使う場面を紹介しています。

ランタン型

 サイトグラスで化学工場の運転をするうえで重要なのは、ランタンだと思います。安全より品質面で重要という位置づけですが、毎日使うので大事だと思います。

 ランタン型は、円筒状の形です。最大の特徴は目視範囲が広いということ。後で述べるクロス型に比べると圧倒的です。

ランタン

 目視範囲が広くて良い事は、分液の界面を見分けやすくなること。これは品質を安定化させることに直結します。分液では下層・上層とその間に中間層があります。中間層の量や処理方法はプロセスにより変わりますが、中間層が多くて上層や下層と見分けがつきにくい場合も多く、失敗しないためにも目視で確認することは、とても重要です。
 導電率計や密度計や赤外線などの計器を使った判定もある程度はできますが、人間が行う部分が残っているのが分液です(もっとも機械で分液を終わらせる程度の品質の製品である方が好ましいと思いますが・・・)。

 ランタン型の円筒部が長い方が良いのが使う側のニーズですが、円筒部が長くなると強度が落ちるので製作側は困ります。ランタンのサイトグラスに掛かる強度はできるだけ低くなるように、設備設計やライン設計をしましょう。サイトグラスが割れてしまうと、危険物が全量漏れてしまうという怖いことが起こりえるので、重要度は高いです。

 ランタンの長さを長くすればするほど、タンク下の分液のための配管設計が難しくなります。これはプラント建設の設計思想にまで影響を及ぼす重要事項です。

クロス型

 クロス型は、クロス形状の配管の末端部にガラスをはめ込んだ形です。

クロス

 ガラス部分が非常に小さく円板上で、強度が高いです。運転面で頻繁に使う重要箇所にはあまり使わないです。

 ・液があるorないを定期的に確認したい
 ・高圧の場所で目視確認したい

私はクロスは限られた条件下でしか使わないと思っています。分液が無いプロセスならランタンは使わず、クロスだけで構成している場合もありえますが、どちらかというと品質の要求が高くないプラントならクロスを使っていると考えています。

液面計型

 液面計型は厳密には液面計というカテゴリと、私は解釈しています。タンクの液面を管理するための反射式液面計などです。

覗き窓

 小型のタンクなら1個の液面計で足りますが、大きなタンクや塔などになると複数の液面を付けないといけない場合があります。消防法などで規定されています。

 ところで、バッチ運転の場合、20号タンクの液面計としてこのタイプの手動液面計ではなく計器としての液面計を使うことが多く、私はサイトグラス式の液面計を使うことはあまりありません。タンクを使った連続自動分液で、液面が維持されていることを確認するためにタンク胴部に使う程度で、その頻度は多くありません。連続プラントだとこういうケースは多いと思います。

 サイトグラスで液面計というと、タンクの覗き窓も同じカテゴリで考える人もいます。クロス型と同じ考えで円板型を使って目視確認をするという意味では、タンク胴部の液面監視用と同じです。

参考

最後に

サイトグラスは、種類によって役割が大きく異なります。

  • ランタン型:分液など品質に直結する操作で重要
  • クロス型:高圧条件や有無確認など限定用途
  • 液面計型:連続運転での補助的な液面確認

「見えるから付ける」のではなく、
何を確認したいのか、どこまで人の判断が必要かを考えたうえで選定することが、
安全性と品質の両立につながります。

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