【PWHT・板厚】溶接の熱影響部と緩和方法

溶接工事

NEONEEETです。

溶接をすると熱影響は必ず出ますよね

そうですね。溶接をする以上は避けれませんね

熱影響を避けるためにどんな方法があるのですか?

この記事は、化学工場の機電系設計者・プラントエンジニアを対象にしています。

この記事を読むと、溶接の熱影響部を緩和する方法を知ることができます。

溶接の熱影響

溶接に熱影響は欠かせない問題です。

まずはこれを整理しましょう。

下の図を見てください。

溶接線が赤色です。

溶接をする以上、金属を溶かすという膨大な熱が加わります。

この赤色の溶接部だけが高熱になるわけではありません。

その周囲にも熱は伝わります。

それが溶接の熱影響部。黄色で着色しています。

熱影響部は板厚の数倍

溶接の熱影響部はおおよそ範囲が決まっています。

板厚の数倍~5倍程度です。

溶接線の太さではありません。板厚です。ちょっと注意。

とはいえ、一定の関係性はあります。

突合せ溶接をするとして、溶接線の太さはルート間隔と開先に依存します。

開先角度を一定に取れば、板厚が大きい分だけ、溶接線は太くなります。

L = t ×2sinΘ

という三角関数の世界になるからですね。

開先角度30°だと、sin30° = 1/2なので、

溶接線の太さ ≒ 板厚

という目安を立てることもできます。

熱が加わると弱くなる

金属は目的の形になるまでに多くの熱履歴を受けます。

熱履歴とは温めたり冷やしたりという歴史のことです。

  • 鉄鉱石から板にする過程
  • 板からパイプにする過程
  • パイプを溶接する過程

これらの熱を加えられる過程で、金属は劣化します。

急な冷却は危険

熱が加わることも問題ですが、冷却することはもっと問題です。

冷やし方として、以下の4パターンがあります。

  1. 炉の中で冷やす
  2. 油に付けて冷やす
  3. 空気に触れさせて冷やす
  4. 水につけて冷やす

一般の金属加工は3番が多いでしょう。

溶接をして空気中で冷やす。というパターンです。

ガラスライニングのように焼成する場合は、1番があります。

バッチ系化学工場ではこれくらいの認識でOKです。

距離を確保する

溶接の熱影響を回避するには、現実的に1つしか方法がありません。

複数の溶接線の距離も板厚の数倍以上確保する

これだけです。

タンクの設計において最も大事にしないといけない部分でしょう。

タンク設計者が少なくなった現在では、最も見落としが起きやすい部分です。

PWHT 溶接後熱処理

ゆっくり冷やす

溶接の熱影響部の問題は、「熱の加わった金属が空気中で急冷されること」です。

上の冷却方法の3番ですね。

これを解決するためにはどうすればいいでしょうか?

1番にスライドさせれば良いわけです。

具体的な方法は限られます。

  • 溶接をした後、ガスバーナー等で浴びせながら徐々に弱めていく
  • 溶接をした後、炉の中に入れる
  • 溶接をした後、油の中に入れる
  • 溶接をした後、断熱材を撒く

炉を保有している工場の方がレアなので、ガスバーナーを使うなどの方法しか思いつきません。

ステンレスは特に注意

金属の溶接の中でも、特にステンレスは問題です。

ステンレスは耐食性が高いことで有名な金属です。

ところが溶接の影響を受けた場所は、耐食性が落ちます

耐食性を担保するためにはニッケルとクロムが重要ですが、溶接をする事でクロムが溶出します。

クロムが少なくなった金属は耐食性が低くなります。

今ではPMI検査で測定できますので、溶接線周りを調べると面白いですよ。

最後に

溶接の熱影響部は板厚の数倍程度あります。

最も簡単に防げる方法が、距離を稼ぐです。

溶接設計において注意しないといけないポイントです。

この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。

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