オンライン会議(web)とオフライン会議(対面)の使い分けについて解説します。
テレワークが進み、web会議以外ありえないという業界も増えたでしょう。
しかし、化学プラントのエンジニアリングに限っていっても完全な移行は非現実的です。
オンライン・オフラインの機能を正しく理解して適切に使い分けましょう。

オンライン会議を使う場面
多くの詰まらない会議はオンライン会議で代用可能です。
化学プラントの機電系エンジニアがオンライン会議を使う場面をいくつか紹介しましょう。
社内の連絡会・定期報告会
社内の連絡会や定期報告会は基本的にオンラインで可能です。
PPTやWORDなどの説明資料を読み上げるのが基本の会議です。
口頭での伝達で意思疎通が可能。
オフラインの会議でも口頭の説明で終わるような会議だから、オンラインでも当然可能ですよね。
工程調整
プロジェクト初期の設計工程や、現地工事開始前の工事工程を調整するための会議はオンラインが向いています。
工程調整で必要なツールはこの2つくらいです。
- ガントチャート
- 配置(必要に応じて)
ガントチャートと口頭での伝達で意思疎通がほぼ可能です。
オンラインに適した会議ですね。
立会検査
立会検査もオンラインが可能となってきています。
しかし検査という意味では最低限の要求しか満足しません。
オフラインでしか見られない溶接や外観・会社の事情などがあるので、オンラインにだけ頼りきらないようにしましょう。
こんな簡単なことを見落としていたの?っていうようなポカをしてしまいますよ。
オンラインは自分の思う通りの場所を適切に見れる状態ではありません。
検査官に見てほしい場所を口頭で伝えないといけません。
そのためには適切な言語化が必要です。
「○○が見たいから、ちょっと近づいて・遠ざかって見てください」
こんな感じの説明で自分がみたいところを速やかに写してもらう必要があります。
オフラインなら自分が動けばOKですが、オンラインならではの手間です。
検査の基本はオフライン・言語化が適切にできるベテランならオンライン、と使い分けをしましょう。
オフライン会議を使う場面
オフライン会議を使うシーンを紹介します。
P&ID確認会
P&IDを作りあげるためにオフライン会議を使うことは有効です。
理想的には検図だけで確認できるコミュニケーション能力があればいいですが、そんなスキルを持ったい人は見たことがありません。
これはP&IDが以下の特徴を持つからです。
- 大量の紙をラインが行き来する
- その場で朱記訂正したい
大量のページがP&IDには必要で、1つの工程が1ページで収まるケースはほぼありません。
複数のページを同時にチェックしようとしたら紙の方が圧倒的にメリットがあります。
P&IDだけでなく製法や配置図なんかも合わせてチェックする必要がありますからね。
PCモニター2台程度では全然足りません。
P&IDや配管図を適切に理解できているエンジニアなら、議論の後で適切に修正すれば良いです。
でも最近のエンジニアは言語化能力が落ちてきているので、口頭で議論した内容を正しく把握できないことがあります。
会議後にP&IDを修正したら、思っていたのと違う…という無意味な結果になりえます。
それなら議論中に朱記訂正したいですよね。
これも紙の方がメリットがあります。
オンラインでもその場で確認することはできますが、画像の加工や共有が適切にできつつセキュリティもちゃんとしている仕組みなんて、そうはないとも思います。
システム導入の費用対効果の面でも疑問ですね。
フローチャート調整会
フローチャートの確認会もP&IDと同じ性質を持ちます。
- 議論は口頭
- 大量のページを行き来する
議論中の情報量の多さがオフラインかオンラインかを分けそうですね!
工事連絡会
日々の工事の連絡会もオフラインの方が現実的でしょう。
これはオンライン化をしても良さそうですが、急激な変化は望まない方が良さそうです。
というのも工事会社の監督が対応できない可能性が高いから。
手続きに慣れるまでに時間がかかる人は絶対に出てきます。
基本的にはパソコンに疎い人が多いですから・・・。
電話を好んでいる人が多いですよね。
情報量と言語化
会議をオンラインにするかオフラインにするかを分ける要素は、情報量と言語化だと思っています。
エンジニアリングでは多数の紙の図面を使いますが、これは情報量が多いから。
化学プラントの建設をするためには、細かいレベルで非常に多くの情報が必要です。
紙だと並べ替え・同時表示・必要な場所への移動が楽というメリットがあります。
できるだけ間違いを防ぐためにも、紙のメリットは正しく理解しておきましょう。
情報量とは別に言語化は大事です。
言語化だけでなく図面の書き方も必要という意味で、エンジニアリングはちょっと特殊な技能が求められますね。
言語だけでも図面だけでもコミュニケーションはしにくいです。
最後に
化学プラントの機械系エンジニアでオンライン会議とオフライン会議の使い分けを解説しました。
情報量と言語化によって使い分けましょう。
通常レベルの会議や報告会・簡単な立会検査ならオンラインでも可能です。
P&IDなど多量の紙が必要な会議はオフラインの方がメリットがあるでしょう。
この記事が皆さんのお役に立てれば嬉しいです。
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